episode14
ある日の昼下がり。孤児院や街の子供達が教会へと訪れ教会の外にある大きな木の下で楽しそうに遊んでいた。その中にはミカエルの姿もあった。彼の精神年齢は大人顔負けであったが、ここ数ヶ月で子供らしさを取り戻したかのように子供達の輪に入り笑顔で遊んでいる。
そんな様子をブランとノワールは温かい目で見守っていた。
「ミカエルもすっかり馴染んだようだな。」
「あぁ。今まで同年代の子供と接したことが無かったみたいだったから少し心配はしていたんだが...杞憂に終わったようだな。」
「フハッ!親バカだなブランは。」
「そう言うお前も最初の頃は...」
「それ以上何も言うな。」
そう。ブランに負けず劣らず、ノワールもミカエルの事を心配していて、最初の頃は彼が子供達に馴染めるかどうかとグルグルと頭を悩ませていたのであった。そんな二人を知ってか知らずか、ミカエルは子供達に大歓迎されながら遊ぶようになった。
「二人とも。何を話しているんだい?」
「ミカエル。いいのか?コッチに来て。」
「少し休憩さ。それと...」
ミカエルは少し言いづらそうにしながら二人に向き合っていて、その顔は赤みを帯びていた。
「皆がさ、孤児院に泊まりで遊びに来ないかと誘ってくれたんだ。」
「!良かったじゃないか!ミカエル。」
「...行ってもいいのかい?」
ミカエルはおずおずと問いかけながらも嬉しさが顔から滲み出ていた。
「もちろんさ。楽しんでおいで。」
ノワールがそう言うとミカエルは元気よく「ありがとう!」と言いながら再び子供達の元へと駆けて行った。
「お。とうとう子離れか?ノワール。」
「おい。それを言うなら、ミカエルが!親離れしたんだろ。」
そう言い合っていると、マザーが二人の元へと近づいて来た。
「ミカエルのことなら大丈夫ですよ。子供達ともとても仲良くなりましたし、心配する事はありません。もちろん私達もいますから安心して下さいな。」
「すまないな。マザー。」
「ありがとうございます。」
二人はマザーへ礼を言った。するとマザーは笑顔で会釈をし、子供達の遊んでいる方へと戻って行った。
「てことは、今夜は久々に二人きりと言うことか...ふむ...」
「おい、ブラン。一体何を考えてやがる?」
「何ってお前...ナニだろうよ。」
「...!!この無神論者のスケベ野郎が!!」
ノワールは顔を真っ赤にしながら、ポカポカとブランを叩き続けるのであった。
日が暮れようとする頃、子供達は街の家や孤児院へと帰る仕度を始める。それに合わせてノワールはミカエルのお泊まりセットを準備し、彼に持たせるのであった。
「いいか?ミカエル。粗相のないよう、いい子でいるんだぞ?」
ノワールがミカエルにそう言うと、彼はやれやれと肩を竦めた。
「そう言う二人は僕がいないからって羽目を外し過ぎないでよね?」
「...!ミカエル!!」
ノワールは再び顔を赤く染め、ミカエルへ抗議の声を上げた。
「まぁ、楽しんで来いよ?」
「ありがとう、ブラン。...今夜僕がいないのは僕なりの親孝行だと思ってよ。」
「あぁ。有難く受け取るよ。」
真っ赤なノワールを尻目に二人はクツクツと笑った。
「じゃあ、行ってきます。」
「おう。行ってらっしゃい。」
「...行ってらっしゃい、ミカエル。」
ミカエルは二人に挨拶を済ませると彼を呼ぶ声の元へと駆けて行った。
「寂しいか?」
「ぜんっぜん!!」
そんなやり取りをしながら二人も家の中へと帰っていった。
久々の二人きりの食卓にノワールは何だか気まずさを覚えた。そんな彼の様子をブランは気づかぬ振りをし食事を進める。
そうして二人は夕食を食べ終えると片付けを始めた。
「ノワール。片付けはオレがやっから風呂先に入ってこいよ。」
「え...でも」
「いいからいいから。」
ブランにそう促されながらノワールは浴室へと向かいシャワーを浴びる。そして目の前にある鏡に映る自分の身体を見て安堵の息を零した。
そうして彼はシャワーを浴び終えると寝室へと向かった。
「上がったぞ。」
「あぁ...ってまたお前は...髪くらいしっかり乾かせ。」
ブランはそう言うとノワールへと近づき、彼の水の滴る銀色の髪をわしゃわしゃと拭くのであった。
「...コレでいいだろ。じゃ、オレもシャワー浴びてくるわ。」
「...行ってらっしゃい。」
ノワールはブランを見送るとベッドへと横たわり天井を見上げた。一人になった彼は心がザワつくのを感じ、何とか治めこもうとするが上手くいかなかった。
そうしている内にどれくらいの時間が経ったのか。寝室の扉が開きブランが入ってくる。
「うぃー。上がったぞぉ。」
「お、おかえり...」
「何でお前そんな隅っこで丸くなってるわけ?」
「べ、別に...」
ブランが戻ってくる少し前に彼はいたたまれない気持ちになってしまい、ベッドの隅で体育座りをしていた。
「ノワール...」
ブランは彼の前を呼びながらベッドへ上がり彼へと腕を伸ばした。その手が肩に触れようとした時、ノワールは身体を大きく震わせブランの手を叩き落とした。
「イヤだ...!!」
「ノワール!落ち着け!オレだ、ブランだ!」
「...ぶらん??」
ノワールはまだ心の傷が完全に癒えた訳ではなかった様だった。
「ご、ごめん...おれ...」
「いや。オレも悪かった。スマン...。だがな、オレはお前の嫌な記憶を消してやりたいんだ...」
ブランはそう言うとノワールの頬へ手を添える。
「オレを受け入れてくれないか?ノワール。」
そして目を閉じノワールへと口づけた。
ノワールはブランの優しさの籠った声に心の底から安堵したのか、ブランを見つめていた目を閉じ彼へと腕を回した。
「んぅ...ぶら...ん...」
「ノワール、いいか...?」
「うん...お前がいい...お前じゃなきゃイヤだ...!!」
ノワールが力強くそう言うと、ブランは制御していた理性の枷を少しゆるめた。
そしてノワールのパジャマの前をはだけさせ、白い肌を露わにしそっと撫でつけた。
「...消えたな」
「うん...」
二人が指し示すのはただ一つ。魔人がつけたあの忌々しい刻印の事だった。
「優しくしてやりてぇが、我慢出来ないかもしんねぇ...」
「いいよブラン。お前になら...お前の好きな様にしてくれ。」
「ノワール!!」
ブランの理性の枷は完全に外された。
彼はノワールへと口づけそのまま舌をねじ込んだ。
ノワール口からは甘ったるい吐息が零れる。
ブランはそれを聞き彼から口を離し彼の首筋へと舌を這わせる。そして白い肌に紅い痕を散らしていく。
「ぶらん...ブラン!!」
「ノワール?」
ノワールは急に声を荒げブランを呼ぶ。
ブランは何事かとノワールの顔へ目をやる。
しかし彼の赤く染まった顔は腕で覆い隠されてしまっていた。
「ノワール?どうした?」
ブランが問いかけると彼は下腹部へと手を伸ばす。
「もう、もういいから...触ってくれ...」
「...!!あんま可愛いことすんなよ...!!」
そう言い放つとブランはノワールの性器へと手をやり乱暴に扱った。
「アァッ...!んぅ...ブラン...ブラン...!!」
「クッ...ソ...!!」
ブランは扱った手を止め自身のパジャマを乱暴に脱ぎ捨てた。そしてノワールを勢いよくうつ伏せにさせると背に手を這わせ、そのまま孔へと手をやった。
「んぅ...ッ?!ヤッ...アァ!!」
堪らずノワールは声を上げた。ブランは荒くも、どこか優しさを感じさせる様にノワールを掻き乱せた。
そして少し乱暴に指を引き抜くと、ノワールの身体を自分の方へと向けさせた。
「...ブラン?」
「決めてたんだ...もしまたお前を抱くことが出来るのなら顔を見てしたいと...。」
「フハッ!なんつー情けない顔して言ってんだよ。」
「ノワール?」
「いいせ...?オレもお前の顔が見たい...。」
ノワールはブランの頬へ手を伸ばし、軽く口づけた。
すると今度はブランがノワールの髪を掻き乱しながら彼の額と自分の額を重ね合わせた。
「愛してる、ノワール」
「オレも...愛してるよ、ブラン。」
二人は笑い合い肌を合わせた。
そしてブランはノワールの孔へと手を伸ばし優しく解していく。
「ンアァ...んぅ...ぶらん!ブランッ!!」
「ノワール...もっとお前の声を聞かせてくれ...」
そう言いながらブランは指を引き抜くとノワールへ荒い口づけを送る。互いの舌と舌を絡め合い、求め合う。二人分の唾液が混じり合いノワールの顎を伝っていく。ブランは顔を離し垂れていく唾液を舐めとっていく。
「フフッ...くすぐったいぞ。猫かお前は。」
「こんなデカい猫いてたまるか。」
「ハッ!たしかに。」
「認めんなよ...悲しくなるだろう?」
ブランは笑いながらノワールに話しかけた。
こんなじゃれ合いの様なやり取りをするのも久々すぎて愛おしい。
「ブラン。もういいから...早くお前をくれよ。」
「ノワール...ノワール...!!」
ブランは彼の名前を愛おしげにそれでいて激しく何度も何度も呼んだ。
そして自身の性器をノワールの孔へと宛てがいゆっくりと腰を進めていく。
「んぅ...ハァ...もっと...もっと強く...!!」
「ッッ!!知らねーぞッ!」
そう言うとブランは荒々しく腰を振った。
「ノワール...!愛してるっ!!愛してるんだッ!!」
「ブラン...!オレも...アッハァ...オレも愛してる!!」
二人は息も絶え絶えに愛を伝え合いそして果てていった。
そうして二人は愛を誓い合うかの様に口づけを交わした。
そんな彼らを月明かりだけが照らしていたのであった。




