第一話 起床
私は起床するとベッドから降り、窓を開ける。
いい風だ。
今日は私の婚約者のユリウス・オーディウスの入学式。
第二王子である彼は庶民の学校に入学することになっている。
ここで主人公のアンドレア・タリス・マッケンジーと出会うことになるのね。
この仮初の世界は庶民の娯楽で学校に通うのが当たり前らしい。
私たち貴族には想像が出来ないけれど、庶民は学ぶのも一苦労なのね。
私は勿論入学なんてしない。
そのような場を設けなくとも学ぶ場と機会はいくらでもあるもの。
あのブタ箱で何が学べるのかしら。
主人公のアンが私より能力が低いのは間違いなくあのブタ箱のせいね。
私はコードで書き換える。
「私デジレ・テレジアとユリウス・オーディウスとアンドレア・タリス・マッケンジーは特待生として特別な教育の環境を与えられる」
これでよし。
コンコン。
扉をノックする音。
「お嬢様。入学の準備が整いました」
メイドが私の制服を持ってくる。
どうやら書き換えは成功のようね。
これで私が能力の低いアンを私が侮辱することも、
ユリウスが庶民に汚されることもなくなったわ。
それに、
私もこの制服というものには興味があったのよね!