表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/12

いきなり18歳?ってどういうこと?

早速、学院が終わった後で、アルクに見せてあげた。


「アルク、これすごいんだよ」

と言って、青色のアイテム袋を手渡した。

「何、この袋?」

「三種の神器だよ」

「うん•••」


「まあ、みてて」

そう言って、自分のピンクの袋からホウキを取り出した。

「えっ、えっ、今何したの?」

アルクは、不思議そうにシオンの顔を見つめた。


「アルクもやってみて、ホウキを考えながら出てこいって思って」


アルクは、恐る恐る袋に手を入れると、

「出てこい!」


「あ、ホウキが出た。ホウキだよ」

「出てこいって、言わなくてもいいからね」

「ごめん•••」


「じゃあ、今度はしまってみて」

「わあああ、出し入れ自由だ!」


「これが、無限アイテム袋よ」

「ほえーーーすごい」


「今度は、そのホウキに乗ってみて、」

「えっ、無理だよ•••ってホウキが浮いてるよ•••ああ、乗れる•••」

「その猫の人形を握って操作するの」

「ウワーーーーすごすぎる!なんじゃこれは、ヒャッホーーー」

アルクも喜んで飛び回った。


「アルク、喜びすぎ•••」

「ごめん•••」


「あと、このテルミットが、またすごいのよ」

アルクは、ワクワクしている。


「あの樹のところまでホウキで行って、この珠を上に上げてみて」

「あ、シオン、何でここに?」

「いや、アルクがこっちに来たんだから•••」

「あれ、あれ、本当に?」

「また、あの樹のところまで行って、今度は、耳にあててみて」


「アルク、聞こえる?」

「ワアーーーシオンの声が聞こえる」

「アルク、うるさい!」

「ああ、ごめん•••」


「あとね、お互いの場所に案内することも出きるって」

「これが、三種の神器。マジですごいのよ。欲しいよ」

「あげるよ。てかそれアルクの分だしね」

「ええ、いいの?高いんじゃないの?」

「安いよ、材料はね。でも、他の人に見られないように注意して!」

「分かった、分かった」

大事そうに抱え込んだ。


「これ、どうしたの?」

「私が、作ったんだよ。お母さんと一緒にね」

「僕にも作れるの?」

「いや、それは無理かな。スキルの関係だから詳しくは言えないけどね」

「なるほど、とにかく、ありがとう」

アルクは、いろいろ試したくてしょうがないようだ。


「じゃあ、また明日ね」

「うん、ありがとう」

シオンは、紫色の長い髪を棚引かせながら、そのままホウキに乗って行ってしまった。


「お母さん、アルクにも渡してきたよ」

「あら、あら、喜んでた?」

「すごく、ビックリしてた」

「よかったわね」


「私、将来、魔道具職人になりたい」

「それは、いいわね。三種の神器みたいな特殊なものは置いておいて、一般にも応用できるものは、たくさんあるしね」

「うん」


「それでね、早速考えたんだけど」

「何かしら?」

「アルクの魔力を、私と常に共有することができれば、アルクの病気も治るし、私の魔力不足も解消されるんじゃないかな?」

「なるほどね。なんか、Wifiみたいね」

「えっ、Wifiって何?」

「ああ、ごめん。説明が難しいわね」


「つまり、魔道具でアルクの魔力を自動で送信し続け、シオンの魔道具で受信し続ければいいんじゃないかってことだよ」

「お父さん!まだ、難しいけど、なんとなく分かった気がする」

「ありがとう、ハーベル」

お父さんは、優しく微笑んでいた。


「私やってみる。材料はね何がいいかな?」

「指輪とか腕輪なんかがいいんじゃない?」

「そうね、探してみる」

シオンは、嬉しそうに言った。


その夜、ハーベルは、なにやら作り始めていた。それを、リーフィアは楽しそうにみていた。


次の朝、シオンが起きてくると、テーブルの上に二つの腕輪が、置いてあった。


その腕輪の片方は、真っ黒の魔晶石が、埋め込まれていてすごくカッコよかった。

もう片方は、六つの属性に対応する魔晶石が、六芒星の形に配置された。とてもかわいいものだった。


「もしかして、お父さん?」

お父さんは、また、「グッ」と親指を立てて、ドヤ顔をしていた。


「あれさえなければ•••」

「でも、ありがとう。本当に嬉しい。これをもとに魔道具作りを頑張ってみる」

「シオン、頑張って」

お母さんが、優しく微笑んでいた。


学院から帰ると、部屋にこもってマクロを組み始めた。

「まず、これは、こうでしょ。でも、こっちは•••違うか•••難しい•••」


最終的に考えたのが、

アルクの腕輪を「トランスミッター」

私の腕輪を「レシーバー」と名付け、


トランスミッターとアルクの左手の魔法陣を接続

→腕輪を通して常に魔力を放出する

→レシーバーと私の左手の魔法陣を接続

→その魔力を常に吸収するように設定


魔力の量は、常に二人の魔力総量を足した量を満たすように設定した。


こうしておけば、私の魔力総量が増えていっても、常にアルクから補充されるので、魔力切れになることもなくなるし、アルクの魔力も常に満タンを維持している状態になるので、魔力酔いにもならないし、ポッチャリも解消されるはずかな?


「お母さん、どうかな?」

「上出来、きっと大丈夫よ」

お父さんの方は、もうやめとこ•••


次の日、

「アルク、プレゼントがあるの」

「わあ、何かな!」

「この、腕輪なんだけど•••」

「ワア、めちゃくちゃカッコいいね、もらっていいの?」

アルクは、早速はめてしまった。

「ああ、まだ説明してないのに•••」

「あ、ごめん•••」

「まあ、いっか」

そう言って、私も腕輪をはめた。


「ウワーーー」

今までにない感覚が身体中を駆け巡っていった。


「あ、アルクがイケメンになってる」

「シオン、身体が•••」

「えっ、身体が大きくなってるんですが?」

二人は、18歳くらいの背丈になって、容姿もかなり大人びていた。


「うそ、これ不味くない?」

「これは、不味いかも•••」


とりあえず、腕輪をはずすともとの姿に戻った。


「ああ、どうしよう•••」

「う~ん」


二人は、困ってしまった。

とりあえず、腕輪は、はめずに両親に相談してみることにした。


「お母さん、腕輪がね」

「あら、あら、どうしたのかしら」

「お父さん、腕輪をはめたら大人になっちゃった」

「う~ん?」

「大人に?」

「まあ、みてもらった方が早いわ」

そう言うと、おもむろにアルクへ連絡した。


「あ、シオン」

「アルク、御両親に話してみた?」

「うん、でも信じてくれなくて」

「じゃあ、一緒にはめるわよ」

二人は、同時に腕輪をはめた。まばゆい赤い光が辺りを照らすと、中から美しい女性が現れた。


「リーフィア」

お父さん、私だよ。

「ああ、若い頃のお母さんにそっくりでつい••」

「シオンが、美人さんね!」


「アルクは、どう?」

「驚いてるよ」


「これ、どうしたらいいと思う?」


「そのままでいいでしょう」

両親とも即答だった。

アルクの両親も同意見だった。


「そのまま、高等部も飛び級してらっしゃい」

アルクのお父さんも同じことを言ったそうだ。


「えっ、マジで?」

「本当は、12歳だよ?」


「まあ、問題ないでしょ!」

うちの両親はやっぱりおかしい•••

ついでに、アルクの両親も•••


「まあ、事情は私から学院へ説明しておくから、来年からは、高等部へ通いなさい」


「そんなのアリなの?」

シオンは、頭をかかえていた。


次の日、学院の校長から呼び出しを食らった。


「あなたが、シオンね。はじめまして、校長のクラリッサと申します」

「話は、リーフィア師匠からお聞きしました」

「し、、師匠?」

「ええ、リーフィアさんは、私の師匠であり、神様でもあるのよ」


「失礼ながら、何言ってるんですか?」

「あら、本当のことよ」

「まあ、それはそうと、呼び出しの用件はなんでしょう?」


「ああ、本題ね、特別処置で来年からは、高等部へ行ってもらいます」

「もらいますって、試験は?」

「受けても、どうせ受かるのでパスです。なんなら高等部もパスでもいいかとも思ったんだけど、ハーベルが1年間は行かせてやりたいって、どうしてもって言うから•••」


「お父さんとも知り合いなんですか?


「だって、もう一人の神様だもん」

「だもんじゃないですよ」


「一体全体、どうなってるんだ。ワケ分からなくなってきた」


「じゃあ、そう言うことでアルクにもよろしくね」

「軽いですね、ノリが•••」

そんなこんなで、二人は、高等部へ通うことになってしまった。


「アルク、ごめんね。こんなことになっちゃった•••」

「うちの親も同じようなもんだから、問題ないよ」


次回 【いきなり講師って、そんなのアリ?】

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ