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異世界転生者の両親をもつ私は、 全属性、チートスキル持ちなのに、 魔力ゼロ?  作者: 吾妻 八雲


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12/12

こんな結末?それはヒドすぎでしょ!

最終章 迷宮名「千年迷宮」100階


「そうだよね~」

「ですよね~」

「まあ、ゆっくり休んだしご飯でも食べよう」

「そうだな、腹ごしらえも大事」


二人は、現実逃避しているようだ•••


「さあ、アルク、気合いを入れて!」

「よし、シオン、行くぞ!」

「このまま、途中で何があっても、最後まで歩き続けるよ!」

「了解」


二人は、諦めてはいなかった。


はじめのうちは、順調に進んでいったが、50階付近からさらに、複雑な階段が増えていって時間がかかるようになってきた。


シオンたちは、そんなことは気にもせずに、ひたすら歩き続けた。


「ああ、早く寝たい•••」

「それは、言わないで•••」


あとは、無言でひたすら歩き続けた。


「ああ、ああ、やっと1階だ•••」

「あああああ、もう、死ぬ•••」


二人は、倒れそうになりながらも何とか1階にたどり着いた。


そこには、二つの祭壇があり、その上には魔法陣があって、ハートの形が描かれていた。


古代文字で

「命の石を捧げし者、千年迷宮を破壊せし者なり」

と書かれていた。


「ここに、置けばいいのね•••」


おもむろに顔を上げると、二人の前には、一人の老人が立っていた。


「シオン、アルク、ご苦労じゃった。わしの造った迷宮を完全踏破してくれて本当にありがとう」


二人は、ぼーとそれを見ていた。


「そのお礼に、二人に一つずつ、いいものを授けよう」

「シオンには、これを」

その老人は、小瓶に入った真っ黒な丸薬をアイテム袋へしまった。

「ここからは、無事出れたら飲むといい」

「アルクには、言葉を授けよう」

「使い道は、一つではない!」

「では、さらばじゃ、本当に、本当に、あ、り、が、と、う、、、」

老人は、崩れるように消えてしまった。


「あれが、古代の魔道士だったのかな•••」


「さあ、アルク、命の石を出して」

「うん、最後だね」


二人は、祭壇の前の立つとそれぞれ、命の石をその上に置いた。

すると、真っ赤な光を放って、転移魔法陣が現れた。

二人が、転移魔法陣に乗ると、魔法陣以外の空間は、すべて真っ暗になり、赤く光る魔法陣だけになってしまった。


「やった•••やっと出られる•••」

「ああ、生きて帰れる•••」


二人は、しばらく動けなかった。


「あれ、あれ、転移しない•••」

「嘘だろ、壊れたとか言わないよな!」

「ふざけないで!」

「ここから出せ!」


「ああ、シオン」

「うん?シノブ君?」

「うん、ハーベルたちが大変なことになってるよ」

「ええ、お父さんたちが?」


「とうとうこの時がきたな!」

「ああ」


ハーベルたちの目の前にある、本の最後のページの見開きに、二つの真っ赤な魔法陣が現れた。


古代文字で

「千年迷宮を破壊せし者を、救う者よ、二つの命を捧げよ」

そう書かれていた。


「よし」

ハーベルとレオンは、肘どうしを軽くぶつけると、自分の手を躊躇なく魔法陣の上には掲げた。

「アスラ!」

二人は同時に呟いた。


「ああ、ハーベル、待って」

「レオン、なにするの!」


リーフィアとミリアが大声で叫んだが、ハーベルたちは、そのまま倒れ込んだ。


「いやーーーーーハーベル」

「ダメ!レオン何してるの、起きて、起きてよーーーーー」


「ハーベルたちが、お前らを助けるために•••」

「助けるために?」

「自分達の命を•••」

「うう•••」

「ダメーーー絶対ダメ!」

「父さんやめてくれ!」

「私のことはいいから、シノブ止めさせて、お願い!」

「頼むよ、もうこのままでいいから止めてくれ!」

「頼むよ•••」


二人は、死にそうな声で叫び続けた。

すると、転移魔法陣が、少しずつ小さくなっていきそのまま二人の姿も消えてしまった。


「あ、シオン!」

「お母さん、ああ、お父さんは?」

「うう•••」

「アルク、レオンが、レオンが•••」

「ああーーーーーなぜ、僕なんかのために•••」

「私のせいで、お父さんが、なんで•••」


みんなが、塞ぎ混んで静まり返った。

ふと、アルクが本の方に目をやると、

閉じた本の表紙の魔法陣が赤く光り、ハートの形が浮かび上がっていた。


「ああ」

「どうしたの•••アルク」

泣きながら、シオンが言った。


「まだ、終わりじゃない!」

「なに言ってるの?」


「使い道は、一つじゃない!」

そう言って、もう一つの本の表紙も見てみた。


同じようの赤い魔法陣が光っている。

「シオン、これだ!」

「アルク、出して!」


シオンたちは、赤く輝く魔法陣の上に命の石をそれぞれ捧げた。


命の石は、凄まじい光を放つとそのまま砕け散ってしまった。


シオンは、すぐにお父さんの方へ駆け寄った。

「お父さん?」


ハーベルは、ピクリとも動かない。

レオンも同じだった。


「ああーーーーーああーーー」

「ふざけるな!」

泣き叫ぶ二人を、リーフィアとミリアが、悲しみを押さえながら、慰めた。


「シオン、うるさいぞ!」

「アルク、よくやったな!」


「あああ、お父さん!」

シオンは、ハーベルに飛び付くとその胸でいつまでも泣き叫んだ。


レオンは、アルクの頭を撫でると、涙をこらえて、レオンに抱きついた。


「ハーベル、なんで相談もなしに!」

「レオン、あなたもよ!」


「ああ、悪い!」

「言ったら、止めるだろ?」

「当たり前でしょ!」

「でも、よかった、本当に」


「全く、諦めていたわけじゃなかったんだ」

「きっと、何かあるとは思っていたけど」

「まさか、最後が蘇生魔法とは•••」

「古代の魔道士も粋な仕掛けを作るもんだな!」


それから、シオンたちは、あまりに疲れてしまって、3日3晩眠り続けた。


「ああ、起きたか」

「よく寝た、お父さんは?」

「外でシオンを待ってるよ」

「いってきます」


「お父さん、おはよう」

「やあ、おはよう」

「よく寝れたか?」

「うん、お父さん、ありがとう」

「何が?」

「私を助けてくれて•••」

「まあ、当然だな、シオンのためならなんでもしてあげるよ!」

「もう、無茶はしないで!」

「それは、どうかな•••」

「バカ•••」


「それにしても、シオン、メチャクチャ強くなったみたいだな!」

「お父さんには、敵わないけどね•••」

「アルクに会わないのか?」

「うん、行ってくる」


「シオン、シオン」

「あ、アルク、来てくれたのね」

「目が覚めたって、リーフィアさんが教えてくれたって」

「そっか」


ハーベルは、そっとその場を離れていった。


「シオン、そういえば、おじいさんがくれた小瓶は?」

「ああ、これね」

「中身はなんなの?」

「古代魔道士の秘薬だってさ」

「飲んでみないの?」

「これを飲むと、魔力が湧いてくるようになるらしいよ」

「すごいじゃないか、魔力が戻るんだね!」

「うん•••」

「もう、この腕輪も必要なくなっちゃうね」

「•••」

「どうしたの?嬉しくないの?」

「こんなの私要らない!」

そう言って、小瓶を放り投げてしまった。

「ああ、何するんだ!あんな貴重なものを!」

「私、このままがいい!」

「うん」

「だって、私、アルクが好き!」

「うん、僕も愛してる•••」


二人は、腕輪を重ね合わせると、自然とキスをしていた。


シオンの投げた小瓶は、夕陽を浴びてキラリと光った。

その横には、謎の影が•••


おわり




新作をお楽しみに!

「伝説の魔女の玄孫やしゃごの私は、この魔法のすたれた世界で怪盗ファントムウィッチとなって無双する」

をよろしくお願いいたします。

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