刺客 その4
かなり遅くなりました
--ツクネ視点--
あんな巨体が暴れまわるってマジかよ。
そこら辺の木とかめっちゃ投げてくるし、怖すぎ。
厄介なもんを相手しちまったみたいだ。
ヴァールさんなんとかなりませんかね。
「こういう硬くて力があってデカイ相手は久しぶりだな。お前は奴を妨害してくれ、目眩しでもなんでも良い」
何か策があるようだ、任せよう。
目眩しは自分の魔法じゃ出来ないから、転ばせれば良いか。
"ドンッ!"
危なっ、死ぬところだった。
考えている暇はない、奴は正気じゃないから精確に撃てないのが幸いだ。
魔力弾で奴の足元を削って転ばせようとするが体勢が少し崩れるだけだ。
なぜか転ばない、崩れても暴れまわって体勢を直ぐ立て直しちまう。
ヴァールはタイミングを見ている。
ヴァールが動くまで俺が妨害しろと言うことか。
15分ぐらい経っただろう。
そろそろヴァールが動いてくれないと腕が痛い。
だが、奴の動きは遅くなってきている気がする。
このまま続ければ動かなくなるだろうか。
"ドンッ"……
一瞬にして静になり、巨体が暴れまわることによる揺れも収まった。
ようやく終わったのだ、しかしこれからもこういうことが起こると言うことか。
カナルには逃げられてしまった、何処かから俺たちのことを見ているだろう。
それにしても俺の左腕、どうしたものか。
そう言えば、シエルから貰ってた物があったな。
俺は懐から一枚の紙を取り出す。
その紙には、魔法瓶が描かれていた。
余白には回復魔法陣と書いてある。
俺の腕はどこに落ちた、あった。
確か、腕をくっ付けてそれを魔方陣で巻き付ければ良いんだッけか。
魔法陣が光って灰になって消えた。
腕はピッタリくっついて自由に動かせる。
「お前、それはどうした」
ヴァールに気づかれたみたい。
適当に返すか。
「なんか入ってました」
「クレビスが入れておいた?いやそんなんじゃないまあ良いか」
やはり、シエルの魔法陣は素晴らしい。完璧だ。
しばらくは誰も襲ってこなさそうだから先を急ぐ。
重力魔法をかなり使いこなせてきた。
直接的な力は少ないが、ものを飛ばしたり自由に出来る。
でもまだ完全ではない、まだ使い方があるはずだ。




