無の魔力
産まれてから何日、何週、何ヶ月かが経った。
歩けるようになったから多分今は3歳ぐらいか。
俺は、この親が嫌いだ。
愛情が与えられていない気がするのだ。
この世界ではこれが普通なのか分からんが、流石に耐えきれんな。
飯が与えられたらどっかに行くのだ。
遊びに行っているのか、
仕事に行っているのかは分からんが、
週に2、3回はヤっているのだ。
話しかけてくる事も、遊んでくれることもないのだ。
もう少し経ったらこの家を出ようと思う。
もう少ししたらな、
--魔界 トゥレビス城天階
「クレビス、あんたが最近送り込んだ奴はどう?」
「まだまだ赤子よ、でもこの調子じゃ終わりそうね」
「そいつには何を与えたの?」
「え〜っと、なんだっけ。確か無の魔力だったわね」
「あら、これまた凄いものを与えたわね、使いこなせるのかねぇ」
「まぁ、あの子には素質があるから、大丈夫でしょう」
「あんたが今までに送った奴は全員バケモンだったから、今回も存分に暴れてくれるかしら」
「さぁね、それはあの子次第よ、念の為あいつを送っとこうかしら」
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うーむ、出て行くとしても最低で5歳位か。
それまでは魔法を使えるようにするか。
無の魔力か、無という事は無属性とか、そういう意味だろう。
それか、イメージ全てに任せるか、
取り敢えず試しに燃える炎を思い浮かべ魔力を込めるイメージでやる。
魔力が通っている感じはするが、火はつかない。
だめか、じゃあ前世では無属性はどういう奴だったか、
「ひっかく」とか「かみつく」とか、あったな。
属性が無けりゃ全部無属性だよな?
引っ掻くイメージで、魔力を込める。
サッ!!!
と、音がした。
成功...なのか?
分からない、取り敢えず簡単に破れるやつを探そう。
紙を的にしてもう一度魔力を込める。
ザッ!!!
と、紙が破れた。
成功だ。
魔力を使う事ができたのだ。
腹が減ったが、飯は置いてあるのか。
ドアを開け、周囲を見渡す。
あった、粗末な野菜スープ(ほうれん草的なものが入っているだけ)が置いてある。
では次も何か試してみよう。
噛み付くイメージでそこら辺の板を的にする。
ガッ!
という音をして、板が潰れる。
いや、歯型みたいな凹みが出来ただけだ。
ちょいと失敗したようだ。
でも色々と便利だな、この"無の魔力"。
そういや、この世界の言語をまだ知らない。
本とかを探してみよう。
棚を見てみると一冊本が置いてあった。
取って開けてみると、物凄い文章量が目に入ってきた。
全て、見慣れない文字だったが全て理解できた。
転生した特典だろうか。
その本には戦いについて書いてあった。
役割、間合い、位置 等
さまざまな情報があった。
コレがあればこの世界で生きられるだろう。




