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無の魔力の転生者  作者: 泣神
2章 修行編
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刺客 その3

--カナル視点--


 私は魔法使いに対しては、強い。そのはずだ。

 今まで暗殺の仕事で、魔法使いの暗殺は今まで一度も失敗したことがなかった。

 すぐに殺せたからだ。

 こいつは身体能力は俺ほどではないが、平均以上はあってさらには魔力総量がとてつもなく多い。

 元々邪神の使いだったから少しは手強いと思っていたが、想像以上だ。

 しかし、奴は大きな間違いをしている。

 私の魔力吸収は、魔力を使わない。

 いくら私に魔法で攻撃しようと、ずっと魔力を吸収されるだけだ。


 ツクネは、少し疲れている様子だが、魔力の5分の1も使ってないだろう。

 しかし、体力的にもつかどうかなのだ。

 左腕を失ったツクネは、痛みでさっきよりは狙いが定まらない。

 カナルにとって、今が絶好のチャンスだろう。

 しかしカナルはそうしない。

 ツクネが何か隠し持ってそうな予感がするからだ。

 このまま体力を消耗させ続けるつもりだろう。


 奴と戦うこと1時間。

 あいつ、やはり強い。

 下手すれば一瞬で殺されるだろう。

 さっき、油断したがために右の前腕と親指を損傷した。

 そのため剣を持ちにくくなり、戦いづらくなった。

 そろそろきつくなって来たな。

 一か八かで決めるしかないか。


 私は奴の懐に潜り込んで、思いっきり腹を殴った。

 奴は抵抗したが、下手に動くと負傷するので大人しく食らった。

 手ごたえは薄かったが、奴は一瞬だけひるんだ。

 今がチャンスだ。

 そう思い剣を突き刺そうとしたとき、横腹に激痛が走った。

 激痛と同じタイミングで奴は私から離れた。

 横腹を見ると、剣の破片が突き刺さっていた。

 やられた、こんなことができるタイミングはあっただろうか。

 奴は不意を突かれていたような気がしたのだが、負けてしまった。


「何をそんなに驚いているのだ、ただ単に剣の破片を飛ばしただけだぞ」


 飛ばした”だけ”だと? もしかして奴はやはり魔法を隠し持っていたか。

 ゴルゴスはどうした、まさかやられてはいないだろうな。


 ……?

 苦戦している。

 いや、まだ生きているだけマシか、コイツを囮にしてさっさと逃げるか。


「まさか、仲間を置いて逃げようとしているわけではないよな? まだ決着はついていない」


「決着は今から決めます。ゴルゴス! これを飲んで戦いなさい。」


 そう言って私はゴルゴスにポーションを投げ渡すと、奴らに言った。


「私はこれでおさらばです、後は頑張って下さい。では、またいつか」


 

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