刺客 その2
奴はどのように魔力を吸収するのだろうか?
魔力を吸収する技があるのか、それともそういう体質なのか。
後者の場合、圧倒的に不利になる。
魔力弾を撃ってみるか。
『ドンッ』と音を立て、煙が舞う。
あれ、あいつダメージを食らっていないか?
いや、食らったと言うことはそういう体質ではないと言うことだ、ひとまず安心……
っ!?
「あら、間一髪で避けられてしまいましたか、感が鋭い。これはなかなかに楽しめそうです。」
見えにくかったが、奴は今、俺の腕めがけて突進してきた。
腕がなければ狙いは定まらないからだ。
ジャンプしなければ、一瞬にしてミンチにされるとこらだった。
こいつは絶対に油断できない。
もう少し様子を見るために、切り裂きを撃ってみる。
どうやって魔力を吸収するか見たい。
奴は、傷1つ付かなかった。
切り裂きを感知すると手で搔き消した。
どうやら魔法か何かで消しているらしい。
この事から、奴は魔法で魔力を吸収するため、弱い(魔力消費の少ない)魔法を吸収すると、魔力が減るだけだから魔力弾を吸収しなかったと思う。
この予想と、吸収の仕方を元に考えると、奴を倒す方法は2つある。
1つ目は、全方向から攻撃すること。
2つ目は、弱い魔法だけで戦うこと
1つ目は俺にそんな技術力は無いため、諦めよう。
2つ目も、長期戦になるためかなりきついが、仕方ないのでこっちでやるしかない。
全方向からは無理でも、一方からは一気に撃つことが出来るようになっているため、魔力弾を沢山撃てる。
奴は俺の作戦を理解したのか、魔力弾に対しても吸収をした。
正直これであっているのか分からないが、この作戦に掛けるしかない。
俺が魔法を撃っていても奴は、躊躇せずに攻撃を仕掛けてくるとても素早いが、ヴァールの動きを沢山見てきた為、見切るのは意外と簡単だった。
「貴方、とてもすばしっこくて気持ちが悪いですね、それでも魔法使いですか?」
「気持ちが悪いとはなんでしょう、貴方の方が速いと思いますが?」
奴の動きは特に見切りやすい。
速いため、双剣との相性はバツグンだと思うが、ヴァールのような大剣使いぐらいにしか効果はないと思える。
戦うこと30分、どっちもあまり疲れていない。
この作戦、効果が無いのでは?
他の作戦を考えるか。
奴は、どれくらいまで吸収出来るのか。
あの破壊光線を使えば殺すことが出来るのでは?
ッ!! 痛い!
激痛だ何が起こった?
左腕が、無い。
クソッ、いてぇ。
いや、死んだときよりはマシだ、そうだと思えば良い。
右腕はまだ残っている、俺が右利きだったことが不幸中の幸いか。
油断した、考えている暇なんて無い。
次の一手が来る。




