魔女との出会い
今日も今日とで長い旅路を歩いている。
出発から2週間と言ったところか。
最近は魔物が少なくて助かる。
あと、魔力探知の精度を上げて半径3メートル以内なら正確な場所が分かるようになった。
そのお陰で、魔物の方向を見ずに、重力魔法で石を魔物に当てて倒す事ができるようになった。
パラパラパラ、、、ザーー!!
雨が降ってきた。
何気に、この世界では初見る雨だ。
最後に見たのは死んだときか。
魔界では基本的に雨なんて降らないからな。
でも、濡れるのは嫌だから重力魔法で何とかするか。
それにしても、この重力魔法便利だな。
人を直接持ち上げる以外だったら、なんでもできる。
「あれがクリス村だ、今日はあそこに泊まろう」
久しぶりにちゃんとした場所で寝れる。
雨だったし丁度いい。
村につくと、まず初めに宿を取った。
食事付きで大銅貨1枚と銅貨2枚だ。
この村の宿は冒険者がよく使う為、相場より安めらしい。
そういえば俺、まだこの世界のお金の価値を知らないな。
ヴァールに聞くと、
銅貨 大銅貨
銀貨 大銀貨
金貨 大金貨
があり、それぞれ大になると10倍、
大銅貨から銀貨は10倍、大銅貨から金貨は1000倍であると言った。
銅貨一枚が日本円で何円かも聞いたが、「それを知っても意味はないだろう」と言われたので、気にしないでおく。
その次に、食料を買った。
野菜やパン等があり、大体銅貨2~7枚ぐらいの値段だ。
買った食材はヴァールの魔法空間に保存しておく。
魔法空間と聞くと、なんでも入れられる万能な魔法と思うが、
大量のものを入れたり、
大きすぎるものを入れたり、
生きているものをいれたり出来ないし、
さらに食べるものに関しては保存があまり効かないため、結構不便だ。
雨のせいで分からないが、俺の体内時計が夕方だと言っている。
「そろそろ宿に戻るか、もうそろ夕食だ」
部屋に戻ってしばらく待っていると、食事が配られた。
ハンバーグと、パンと、漬物と、なんかの果物だ。
魔界の料理とは違い、日本で食べていたものに少し似ているため、安心感がある。
「よし、ではいただきます」
食事は全部、想像していたものと同じ感じだった。
魔界では殆どのものの味が濃いめだったが、この食事は薄め、いやこれが普通か。
美味しかったな、ごちそうさま。
その夜、俺とヴァールは寝ていた。
久しぶりのベッドで気持ちよく寝ていたはずなのだが、誰かに話しかけられたような気がして、それだけの事で起きた。
(こんなやつがこんなに魔力があるなんて、全く神は何をしたいのか全くわからないわ。まあ、そんなことどうでもいいから行くわよ)
こいつ、直接脳内に!
誰だ、何処にいる。
いや、俺は"そいつ"を"認識"出来ていない。
最初からそこにいるのだ。
そいつに手で触れられた瞬間、何処かへ飛ばされた。
「あら、ビックリした?目が覚めたかしら」
こいつの家だろうか、色々な実験道具や魔方陣が沢山ある。
今のは魔法だろうか、でも魔法でこんなところまで飛ばせる物なのか?
「あなたは誰ですか?」
「私はシエル、周りからは強欲の魔女とか呼ばれてるわね。そんなことないのにな」
色々事情がありそうだが、どうして連れてきたのかを知りたい。
ヴァールに起こられてしまう。
あれ、でもなんでヴァールはこいつがきているのに気づけていなかったんだ?
そういえば、俺の魔力探知にも引っ掛からなかった。
「まずはなんで俺がここにいるのか知りたいのだが?」
「ああ、勝手にしてすまない、ちょっと君に協力して欲しいことがあるんだ」
「協力して欲しいこと?何をすればいいんだ」
「簡単なことよ、あなたの魔力を使わせて欲しいだけ」
「それは、どう言うことですか」
シエルは、少し考えると、
「まあ明日になったら教えるわ、今日はとりあえずおやすみなさい」
そうしてシエルは部屋から出ていった。
寝る前に、部屋の中を調べてみよう。
棚には墨のようなものが沢山おいてあった。
おそらく魔方陣を描くときに使うものだろう。
机の上には魔方陣が沢山重なっていた。
それと、一冊の本があった。
題名には、『研究記録』と書いている。
開こうとしたが固い。
なんかの魔法だろう、多分。
まあ特に悪いことは無さそうだし、帰してくれそうもないので、協力するしかないみたいだ。
取り敢えず今日は寝よう。




