痛む首とアッパーカット
「うぐっ……」
瀕死の首を押さえ、顔の位置を元に戻す。
もう一度鏡を見たいのは山々だが、ジンジンと痛む首では無理そうだ。
超絶痛いんだけど……。まさか折れた…?
ホーリーは私のそんな様子を不憫に思ったのか、すまなさそうに私の体をベッドへ戻す。
……いや、遅えわ!!!!
もっと早く降ろしてくれてればこんな寝違えたみたいな首にならなかったのに!!!
そう怒りが湧いてくるが、しょうがない。私は心が広い。そう。心も懐も太平洋さ。
一旦深呼吸をする。スーハースーハー……。
いや、収まらねえっ!一発殴りたい…。あわよくば殴り倒したい…。
ただ、この怒りはホーリーだけへのものではない。
この世界に"神"というものがいるのならばそいつをアッパーで殴り飛ばしてやるくらいにはムカついている。
神様、あんたは人の人生をなんだと思っているんだ!!!
そう心の中で叫びながら私はベットからゆっくりと起き上がった。
そして、そっと言った。
「ブランチの前に支度をしますので出て行って頂けますか?」
『か?』に力を込めたのはご愛嬌と言うものさ。
ホーリーはしょうがないね☆的な事をもごもご言いながら外へ出て行った。
無意識のうちに拳がファイターしだしそうになったが慌てて止める。
私は心が広い。そう、めっちゃめちゃ広いのだ。
バタムッとドアとは思えない音がして重そうな扉が閉まると、私はそっと首を動かさないようにして鏡の方へ向かった。
「うわぁ……。」
小さく呟いて鏡に触れる。そこには光るような美しさの少女がいた。
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