コント【傷心】
「ゲラゲラコンテスト2」応募作品
コント【傷心】
・フラれた女 ※女装でも可=女役
・女の友達の男
○路上
悲しげな様子の女
それを後ろから見守る男
女「じゃあ、私とは付き合えないってこと……? うん、そっか……わかった。ううっ……!」
目元を手で拭いながら走り出す女
それを追いかける男
男「あ、おい! 待てって!」
走る2人。
女「ほっといて!」
男「そんな訳にはいかねえだろ! いいから待てって!」
女「一人にしてよ!」
男「落ち着けって! とりあえず待てよおい! ちょ、ちょっと……! 待てって……おいおいおい! え、全然待たねえじゃん!」
女「ハッハッハッ…… ※息遣い」
男「え、待たないパターンってある!? これで待たないやついる!? 全然止まんない!」
女「だからほっといてって言ってるじゃない!」
男「そうは言いつつ何やかんやで普通待つんだよ! てか、普通追いつくんだよ! 何でちょっと長距離強いんだよ!」
女「学生時代、陸上部だったのよ!」
男「それでかぁー! こんな時に強みを発揮してんじゃねえよ! それこそ競技みたいになってるから! トラック周回してるみたいになってるから!」
女「もうどこまで付いてくるのよ!」
男「そっちこそどこまで走んだよ! こういうのってたいてい2,30mくらいで追いつくもんだろ! こけたりとかしろよ!」
女「ハッハッハッ……」
男「ハッハッハッ……」
黙って走る2人。
男「いや、マラソンじゃねえか! もう泣き止んでるし、普通に走ってるだけじゃん!」
女「ペースあげるわよ!」
男「なんでだよ! おい、現役の頃の熱が蘇りだしてるぞ! うわ、早ぇ! 離されて来た!」
女、フェードアウト。
その後、足踏みしている状態の女に男が追いつく
男「信号待ちの間も身体を冷やさないようにしている!? いつからフルマラソンに移行したんだ!?」
女「気にしないで。いつものことだから」
男「いつものことなの!? フラれたらいつもフルマラソンしてんの!?
女「大丈夫よ。告白する前にウォームアップは済ませてあるから」
男「何が大丈夫なのかわかんねえ! 公園とかでうずくまってる人を見習え! ウォームアップなんか絶対してねえぞ! してるとしたら公園の下見ぐらいだ! うずくまるのに丁度良さそうとか!」
女「あ、次のチェックポイントが見えてきたわ!」
男「は!? チェックポイントってなんだ!」
女「次の告白先の相手よ!」
男「はしご!? 告白ってはしごするものなの!? 尻軽じゃん! てかチェックポイントって呼ぶな!」
女「人生立ち止まってる暇ないの!
ダメなら次! 常にフットワークを軽く!」
男「説得力がエグい!」
女「あ、いた! 私と付き合ってください! え? ダメ? わかった! はい、次!」
男「いや、立ち止まれよ! 走り抜けながら告白を済ませるな! ドライブスルーみたいになってんぞ!」
女「ほらほら、次! 次! 急がないと今日中に回れないわよ!」
男「むしろデリバリーする側みたいになってる! なんでノルマが課されてんだよ!」
女「日時指定されてるのが時間まだだから、先にお急ぎの方から済ませましょう!」
男「配達じゃねえか! なんで告白にそんなオプション付いてんだよ!」
スマホ触る女。
女「あ、さっき不在だったところから再告白の要望が来たわ」
男「だからそれ配達じゃねえか! 再告白ってなんだ! 何!? なんかのバイトなの、これ!?」
女「ねぇ!」
男「あぁ!?」
女「二手に分かれましょう! 私はこっち、あなたは……」
男「いや、お前の告白だろ! 何で俺が代理で告白しなきゃなんねえんだよ! 付き合う気あんのか!」
女「ないわよ!」
男「ねえのかよ! 俺もう帰るからな!」
女「わかった! じゃあ明日の午前に伺うわね!」
男「来るなぁ!」
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