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「想い」  作者: かりんとう
10/10

〜勇気〜

このままじゃダメだ…頑張って行動しないと…

──そう考えた私は彼にメッセージを打ち始めた──


「最近あんまり話せてなくて寂しいな。もっと話したいな」

打ち終わってあとは送信ボタンを押すだけなのに……私にはそれが中々できなかった。


嫌がられたり、めんどくさいとか思われないかな…


数分間迷いに迷ってやっと送信することが出来た。

なんて返ってくるかな…

私の中では期待と不安が入り交じっていた。


そんな気持ちを抱えたまま丸一日がたった。


きっと忙しいんだろうな…今は気長に返信を待つしかないなぁ…




結局、返信が帰ってきたのは3日後だった。




「ごめん。ここ最近LINE見てなかった…本当にごめん」


元々連絡マメなタイプじゃないから仕方ないよな…


「確かに最近話せてないな…今度俺が待つから一緒に帰ろ」


そう言ってくれた時は、本当に嬉しかった。




でも……彼が待ってくれることは一度もなかった。


待ってくれないなら最初からそんなこと言わないで欲しかった。期待を持たせるようなことをしないで欲しかった。




何ヶ月か経って、卒業の時期になった。

卒業式でも2人で写真を撮ることはなくて、全く関わらずに終わってしまった。

こうなるだろうと想像は付いていたから酷く落ち込むことは無かった。

けれど、一応まだ付き合ってるのにな…と少しだけ寂しくなった。



新しい環境になり、ふと彼に「彼」にメッセージを送ろうと思った。

いや、「別れを告げようと思った」という方が正しいのかもしれない。



「新しい生活楽しんでますかー?」


返信が返ってくるのは遅いのだろうと半分諦めつつ、メッセージを送った。


メッセージが既読にならないまま1週間が経った。

あと1週間だけ待って、もしこのまま返信が返って来ないなら…その時に送ってしまえばいいから…


さらに1週間経っても既読すらつかなかった。

もう…もういいよね…充分待ったよね…?

二週間も未読スルーするんだから別れたいんだろうな…

自然消滅したいのかな…



そんなことを考えながら私はメッセージを送った。


「別れよう」


2週間も未読スルーをしていたのに、このメッセージには1時間で返信が返ってきていた。


「わかった。そうしたほうがいいね」



あぁ……「そうしたほうがいい」って思ってたんだ…

思ってたなら君から振って欲しかったな…

「なんで」とか「別れたくない」とか言わないのにな…



「今まで私と付き合ってくれてありがとう」



そう送ったメッセージにも既読はつかないままだった。


自然消滅しようとしたのも、もしかしたら君の優しさだったのかもしれない。だんだん距離を開けていって私が辛い思いをしないように…


君が告白してくれて、「好きになる前に戻れたら」ってあんまり思わなくなってた。

でも今は、「友達のままでいられたら」「好きになる前に戻れたらいいのに」って考えちゃうんだ。


好きじゃないのに付き合い続けるより別れた方がいいし、自然消滅よりはちゃんと別れを告げた方がいいと思ったから…


だから…私はこの選択をしたことを後悔してないよ。






──恋の始まりも終わりも『好きになる前に戻れたら』なのかもしれない──

諸事情により前回の投稿から二年半ほど経ってしまいました…

本当は、もう何話かに分けて投稿しようと思っていたのですが、前回の後書きで解決に向かわせられたらと書いていたので、1話にまとめて投稿することにしました。一応有言実行はできた…でしょうか…?

たまに短編などの投稿はすると思うので見つけたらちらっと覗いて頂けるととても嬉しいです!

最終話まで読んでくださり本当にありがとうございました!

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