学校生活「精神攻撃」
寮に向かうと建物の外に年配の獣人の女性が一人で立っていた。その女性は私の姿を確認すると手を振ってくれた。
「あなたがサイレンちゃんね!私はここの寮母をしているナタリーよ、よろしくね!」
初対面の時は礼儀正しく!それは常識、初対面でない時は!それはケースバイケースで!
なので礼儀正しく対応する。普段は礼儀正しくないっという事はない
ないったらない!
「はい、初めまして、サイレンです!よろしくお願いします!」
「あら、礼儀正しいわね!今時の子にしては珍しいわぁ。」
苦笑いしてしまう・・・
「あははは・・・」
「それじゃ、お部屋に行くわね、こっちよ!あら?荷物は無いの?あ、これから買いに行くのね?今からなら時間もあるし大丈夫よ!そういえばサイレンちゃんは何処から来たの?ほっぺの傷はどうしたの?女の子なんだから・・・」
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・
「あはははは・・・そうですよね~・・・ですね~・・・」
「でね、うちの亭主が馬鹿だから!あ、そういえばなんだっけ?」
おしゃべり大好きの人らしい。長話を黙って聞くのもどうかと思うけど、付き合うのもどうかと思う。シカトするのもどうかと思うし・・・このタイプの人の無意識で行う精神攻撃。ナタリーさんは私の難敵になるのでは?そう確信してしまった。
「あの・・・お部屋・・・」
「あーーそうそう!お部屋ね、こっちよ!」
全寮制なので意外と大きい寮で中を歩いていると同じ年代の人達の声が聞こえてくる。
ナタリーさんは喋り足りないのか歩きながらもおしゃべりは止まらない。
「お昼は何食べたの?お菓子があるけどどう?食べる?おいしいのよぉ~おばさんクッキーとか・・・」
「・・・・そうなんですか~すごいですね~・・・」
もうすでに私の受け答えは合いの手と化してしまっていた。このまま立ち止まるとおしゃべりはヒートアップする事受け合い。やっと1つの扉の前で足が止まった。
(ナタリーさん、クセがすごい!)
「ここのお部屋よ。先に3人いるから仲良くしてね!」
そうしてナタリーさんは私が入る部屋をノックした。
『トン、トン、トン。』
部屋の中から声が聞えて来た。
「どうぞー!」
そしてナタリーさんはドアノブを握りドアを開けた。
「失礼するわよ~。」
先にナタリーさんが入ってその後に私が入った。
そしてナタリーさんは話し出した。
「みなさ~ん、新しいお友達が・・・マヘリアちゃん!服ちゃんと着ないとダメじゃない!そんな露出の多い服着ていると男の子からなんて見られるか!おばちゃん心配なのよ!以前おばちゃん服貸したじゃない、その服は何処に行ったの?あー!バローダちゃんもちゃんと机の上片付けないとダメって・・・ローリエちゃん生き物はダメって・・・あーもう!!・・・」
「・・・・・・・・。」
(なんなんだ・・・一体・・・私って今日は厄日なのか・・・この部屋のルームメイトになる女の子は問題児なの?はぅ~・・・)
「ナタリーさん、新しい子忘れてるよー!」
「え!?・・・そ・・・そうねマヘリアちゃんありがとう。サイレンちゃんは忘れてた訳じゃないのよ!」
(嘘だ!今『え!?』って言ってた!)
「あはははは・・・はぁ・・・」
苦笑いしてしまった。
「こちら、今日新しく入ったサイレンちゃん、仲良くしてあげてね~。」
「「「はーい。」」」
3人は私の方を見た。私の方と言うか私の右頬なんだが・・・。
「サイレンです。よろしくお願いします。」
「それじゃあ、何かあったら私に言えば良いから。じゃあね!」
そう言うとナタリーさんは寮母室に戻って行った。
「サイレンさんよろしくね、私はマヘリア。バローダ、机の上の本、片付けなよ。4人目来たんだから。バローダが片付けた所の机使って良いから。あと、ベットもここ開いてるから。」
「よろしくね。バローダよ。」
「私ローリエ!よろしくねぇー!暫くしたら夕食だから、その間好きにして良いわよー。ナタリーさんに捕まらなかった?あの人、悪い人では無いんだけど話し長いのよねー。」
続けて、マヘリアさんが話す。
「そうそう、サイレンさんここに連れて来た時も話しに夢中で絶対忘れてたよね。」
「サイレンさん、あなたの机開いたから使って。」
「あ、バローダさんありがとうございます。」
「一応だけど私達、『さん』付けやめようって言ってるんだけどあなたもそれで良い?」
バローダさんは言ってくる。他の2人も私を見ている。
私は特に嫌な理由も無いので了承した。
「あ、別にいいですよ。そう言ったこだわりもないですから。」
私は机に付いている椅子に座ってルームメイトとお話しをした。




