王様の厄日「王様の銀行」
「サイレンちゃん、『女狐』って言われてたぞ!」
ジンジャーさんに指摘されてしまった。
「はて?私には何の事やらさっぱり。見当もつきません事よ!おーほほほっ!!ところで明日は朝から何処にも寄らないで出立するのですか?寂しいわー!」
私の問いにジンジャーさんは速攻で答える
「いやぁ、ちょっと王様の銀行に行こうかと思ってね。んでも・・・まさかあの、暴君をうまく手の平に乗せ、十一、複利まで持っていくとは・・・恐ろしいな・・・」
ブローさんとライラさん、他のメンバーは良く分かっていない。
私が報酬が貰えるはずだったのに断った事に疑問に思っているようだ。
ブローさんは私が取り付けた条件の趣旨が分からないので聞いて来た。
「サイレンちゃん、さっきから『十一』と『複利』って言っているけどそれってなんなんだ?」
私は思う。そして話した。
(普通あまりなじみが無いよね~この世界だと銀行業務はメジャーな職業ではないみたいだし・・・)
「『十一』って貸したお金が10日で1割利子が付きますって事です。10000バーツ貸したら10日後に11000バーツになります。」
「『複利』とは利子が付いたお金にも利子が付きますって事です。」
「1か月で利子が3回発生します。10000バーツ預けていたら・・・えっと・・・1.1の3回掛けるから・・・1か月で13310バーツに増えるって事です。それを踏まえて・・・以前お渡しした300万バーツをすべて預けたら1か月後にはいくらになるでしょうか?」
商隊のメンバーは計算が強いようで説明を聞いて驚愕してる。
サロマさんとステラさんもそう言った金銭や交渉の担当なのでわかったみたい。
星光の剣とスカーレットの他のメンバーは分かっていないようだ。その後の説明はお任せしよう。
私は正解を言う。
「正解は・・・利子がついて3993000バーツになります!!ちなみに預ければ預けるほどお金が増えますから。」
「「「「「「「なんだってーーー!!!」」」」」」」
ジンジャーさんが言う。
「だからサイレンちゃんを恐ろしいといったんだ。もしかしたらこの国がサイレンちゃん一人で破綻するぞ?そしてサイレンちゃんから貰った物で最も価値があるのがこの条件で国王の銀行と取引が出来るっということなんだ。馬でもお金でもなくな。お金は使えば無くなるが、無くなるはずのお金でお金を作る装置を買う。そうしたら時間が経つと・・・あとはわかるよな?それに国王の銀行で手続きが出来るっという事は最大の信用を得られるっという事なんだ。」
「サイレンちゃん、あんた・・・なんでも知ってるのね・・・あんただけは何があっても敵に回したくないわよ。」
ステラさんが私にそういうので惚けてみた。
「何の事やらさっぱりすっきりですわ!おほほほほ・・・!」
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次の日・・・皆で王様の銀行に行った。
本当は入れない所なのだが・・・王様から直接了承を得ているしその事は事前に伝えられていたらしく奥の大広間に通された。そこの大広間に計17人が入り次々とあの悪魔の内容の契約を・・・個人取引の契約と企業取引の契約をしていた。
私達側が悪魔の側なのは言うまでもないので黙っておこう。私が契約する為、書類に名前を書くのだが私は少し悩んだ。セレンかサイレンか・・・まぁ・・・身元が分かる方が良いだろうからセレンの方で書いた。その名前に少し懐かしさを覚える。そして、使える事が嬉しいもので。銀行こそが商人以上に信用商売。おかしなことにはならないだろう。そして、最初の預け入れで空間収納から宝石類を出した。
野盗から得た宝石類。お金は分配して手元にあまりなかったので宝石類を換金して預け入れれば・・・それでマネーロンダリングが出来る。
(わたし偉い!)
「これ、換金して預け入れます。よろしくお願いいたします。」
そう言って銀行の役人に言うと顔を青くしていたがダメとは言えない。
引き受けるしかないがそれはここの役人のせいではないので大丈夫!!
その様子を離れて見ていた人が『女狐』『子狐』・・・っとぼそぼそ言ってる。
(狐ばかり贔屓してらた狸が可哀想じゃないか!!)
そんな事を思っていたら手続きが済んだようだ。
「お待たせいたしました。」
役人が言って書類を渡してきたので私は満面な笑みで返す。
「ありがとうございました。よろしくお願いします!」
後に私は銀行で二つ名で呼ばれる事になる。『ラフィングフォックス』『スカーフォックス』
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「それでは今までありがとうございました。」
アルビオン王国の郊外に来ていた。
「あぁ、こちらこそありがとう。箱から出てきた女の子のおかげで、文字通り『箱入り娘』のおかげで信じられない位充実した旅になったよ。こんな旅は二度と無いと断言出来るよ。そういえば、銀行を乗っ取るのは良いけど破綻させないでくれよ?損しちゃうからな!はっはっはっ!」
(ジンジャーさん、最後の最後まで損得勘定ですね。流石商人の鏡だ!!)
星光の剣のブローが話しかけてくれる。
「サイレンちゃん、逆にお世話になったね。まさか、護衛の報酬以上にパーティーの財産が得られるとは思ってなかったよ。居なかったらもしかしたらここに居なかったかもしれない。星光の剣を代表して礼を言うよ。ありがとう。」
ライラさんも話した。
「あの時に言われた事を実践してみるよ。何かあったら聞きに来るからその時はよろしく。サイレンちゃんの金言が方向性を見せてくれたから私達4人は発展できると思うよありがとうね。」
こうしてジンジャーさんの仕事の一つ、私をアルビオン王国に運ぶと言う仕事を完遂して自分の拠点にしている国に行く。最初は馬車5台だったのに今では馬車10台になっていた。
別れではあるが涙は出ない。いつでも会えそうな予感しかない。
「・・・・・さて・・・どうしたものか・・・とりあえずウェンディとロブリューを移動させよう。」
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「やっとアメリア着いたーー!!ねぇライラ、これからどうするの?」
「マチルダ、とりあえず星光の剣を誘ってみるわ。サイレンちゃんは同じ事を言っているかも知れないし、同じ事をするかもしれないし。だったら一緒にした方が良いじゃない?私から話してみるわ。」
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「ねぇブロー、話しがあるんだけど・・・」
感想ありがとうございます!指摘されてあまりの誤字の多さと自分のおバカさに辟易してしまします。
今後ともご指摘お願い致します。m(__)m




