王様の厄日「女狐」
「カルネ商会のジンジャー様いらっしゃいました。」
謁見の間に連れて来てくれた護衛の騎士は私達を国王陛下の前に促してくれた。先頭にジンジャーさん、その後ろに星光の剣のブローさんとサロマさん、スカーレットのライラさん、ステラさん。一番後ろに私と言う配置。
国王陛下の前で跪いてジンジャーさんが言う。
「この度はカルネ商会をお招き頂き大変な名誉に存じます。これからも国王陛下また、この国の為に尽力出来る事を・・・」
国王陛下はジンジャーさんの話しを途中で止める。
「先程、魔獣で飛んでいたのはどいつだ?」
「「「「「「・・・・・・。」」」」」」
(((((かかった!!!)))))
私は思う・・・
(5人の心の声が聞こえる。こいつら、絶対笑っている!)
国王陛下の横から側近が声を荒げた。
「国王陛下が聞いておるぞ!答えよ!」
「わ・・し・・・ござ・・す。」
わざと小声で答える。
そうすると国王陛下は私を前に出るように促した。
「娘、声が聞えぬ。前に出て話せ。」
わたしはジンジャーさんの前に出て跪いた。
「ガルーダに乗っていたのはわたしでございます。」
国王陛下はニヤッとほくそ笑んで話す。
「あの魔獣はいくらで譲ってくれる?申してみよ。」
「いえ、先日申し上げたのですがあのガルーダ達は売り物ではないので・・・」
もう、予定通りの受け答え。私の後ろに私達を高い位置で狙っている人がいる。3・・4・・・5・・8人か。まぁ問題ないが戦闘は避けないといけない。
「娘、報酬を上げればいいのか?」
「いえ・・・魔獣を私が操っている様にお思いですが魔獣が私を慕ってくれているので・・・ですから優しくしてくれる人でない・・・・。」
そう言ってわざと立ち上がり後ろを見上げた。片手に空間収納から天国を出した。
周りで私を見ている人は大変驚いていた。
「ど・・・どうした・・・」
横の側近の男が私に話しかける。
「申し訳ありません。私を狙っている者がいましたので・・・」
8か所を見上げて狙っている人が居る場所を見つめる。
5人は動揺してキョロキョロしていた。
側近はばれていた事に動揺していたが・・・
「今調べに行かせたので安心されよ。」
国王陛下は手を上げていた。おそらくは暗殺の兵を引かせたのだろう。高い所で待機していた兵は離れて行く。それと同時に天国を仕舞った。
(まぁ・・・攻撃してもその程度では私は殺せないけど。)
そして国王陛下に再度跪いて話す。
「申し訳ありません。あのガルーダに不足しているものがありまして・・・わたしはこの国を離れなければなりません。」
(撒き餌投入!!)
「不足しているものとは何なのだ?」
「それは・・・巣です。ガルーダは高い場所に巣を作ります。この国には高い山が無いので離れなければなりません。」
俯きながら涙ながらに言う。
(凄いでっかい釣り針投下!)
「高い場所がこの国にはないのでここにガルーダを置いて行く訳にはいきません。とても可哀想ですから・・・」
「高い場所か。ふん。あるではないか。」
(来てるよ来てるよ!!)
「それはどこでしょうか?私には探せませんでした。」
「この城のてっぺんを使えば良いだろう。」
(フィッシュオン!!!超大物来たーーーー!!!)
(後ろの5人!!心の中で笑わない!!!)
「確かにこの大きいお城なら高さも十分でしょう。ですがそれでは国王陛下にご迷惑が掛かってしまいます!餌や排泄物の処理もございます!」
「その程度の事なら余が面倒みれるだろう。」
オプションも付けてみようと思う。この王様おバカだ・・・
「それとオーガといつも一緒だったので不安になると・・・」
「オーガも面倒見よう。」
「娘、これでお前の不安も消えたな。」
(よっし!餌代丸投げ出来た!グッジョブ私!!)
「はい、ありがとうございます!!国王陛下は大変お優しいお人なのですね!」
涙目で満面な笑みで答えた。
「ふん、余は常に優しいのだ。」
「はい!」
「では、褒美をやるが何が良い?」
私は横に手を振り・・・
「いえ!!そんな恐れ多い事です!!褒美だなんて受け取る訳にはいきません!!」
国王陛下は口に手を当てて褒美を考えた。
「・・・・・・・。」
今がチャンスなので畳みかけた。
「あの・・・国王陛下は銀行をお持ちとお聞きしました。もし・・・よろしければその銀行で口座を作りたいです。十一の複利でお願いしたいです。後ろの方達にもお願い致します。出来ましたら紙面で。」
「・・・・なんだ、その程度で良いのか?他には?」
「たまにガルーダとオーガに会わせて頂ければ十分でございます。」
「分かった。それではこれで終わりだな。」
「はい、国王様ありがとうごさいました!」
「ふん。」
そう言うと国王陛下は謁見の間から出て行った。
私は後ろのジンジャーさんとブローさん、サロマさん、ライラさん、ステラさんに話した。
「では、帰りましょう。」
そこに残っていた青い顔した大臣や騎士は私の方を見ていたので満面の笑顔で挨拶をした。
「ありがとうございました~。」
誰だか分らなかったが私の事を「女狐」っとボソッと言っていたのを聞き逃さない私って凄い!




