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王様の厄日「高級宿」

「はい、どちら様でしょう?」


憲兵を率いてやって来た恰幅の良い男はジンジャーさんに話しかけた。


「私はこの国で大臣をしているジグーと言う者だ。実は大人しく人に懐いている魔獣が居ると聞きましたので見せて頂きたいと。」


「見るだけなら良いですがあくまでも売り物じゃないので・・・こちらです。」


そういうとジンジャーさん大臣のジグーと言う人と共に出て行った。

私も一緒に後を付いて行って何を話すかを聞いている。


ウェンディを遠目で見ている。話し声が聞こえて来た。


「ですから、いくらお金を積まれてもお売りする事は出来ません!」


「まぁそうおっしゃらないで。時間もありますから交渉はゆっくりしていきましょう。」


もう、お話しにならない・・・お金の問題ではないのだから。所有者がジンジャーさんだと勘違いしているのだからどういっても売れるはずもない。そしてジンジャーさんは大臣に話した。


「あの魔獣は当商会のものではないのですよ。当商会で運んでいるお客様の所有物ですから、だからお売りする事が出来ないと申し上げているんです。」


大臣も諦めの悪い方で・・・


「では、その所有者とはどちらにいるんですか?」


そう言うと私をチラッと見たがすぐに辺りを見渡した。

(まぁ・・・普通はそう思うわな。私が所有者なんて思わないわな。)

ジンジャーさんが私を見つけ呼ぶ。


「おーい!サイレンちゃん、こっちおいでーー!!」


そう呼ばれたのでジンジャーさんの元に駆け寄った。


「ジグー大臣、この女の子があの魔獣の所有者です。」


大臣は絶句している。まさか、女の子が所有者なんだから考えが追い付かないんだろう。私はウェンディの羽毛でモフモフしている所を大臣に見せつけた。わざとらしくじゃなくあくまで自然な感じで。


「・・・・・・・・。」

「失礼する。」


そう言うと大臣は足早に去って行く。

(どうせ、すぐまた来るんだろうな。)

そう思っているとジンジャーさんはまたニヤニヤしている。


「またお金の匂いしたんですか?」


「まぁね、サイレンちゃんと居るとトラブルもお金の匂いがするんだよ。」


「なんですかそれは!人を何だと思ってるんですか?」


「福の神か何かかな。ふふん♪」


「あまりあくどい事しているとその福の神も逃げて行きますよ?ふふん♪」


そうしてまたカフェに戻りこの国の王様の特徴を聞いた。これからの対策として。


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


「明日、城の来て我が王と謁見して頂きたいのだが。」


先程来ていた大臣が寛いでいたカフェに来てジンジャーさんと私に話した。

(やっぱり来たか・・・)

しかしジンジャーさんは断る。


「我々は明日出立しますので申し訳ありませんが・・・」


さすがジンジャーさん。足下見ているね。

大臣は苦い顔をして引き止めた。


「いやいや、そうおっしゃらず。滞在費はこちらで持ちますんでこの国でもう少し寛いではいかがかな?


「それでは大臣にそこまで言われては・・・ではご厚意に甘えさせて頂きます。」

「明日はいつ頃お伺いすれば良いですか?」


「午後2時頃でよろしいですかな?」


「分かりました。私と護衛4人と女の子で伺います。午後の2時でしたら当方は2泊になってしまいますがよいですか?」


「かまいません。ではこれで。明日お待ちしております。」


そう言うと足早に去って行った。


居なくなった所でジンジャーさんが皆に言った。


「っと言う事で今日と明日は一番良い部屋に宿泊が決まったから支度するように!サイレンちゃんにお礼言うように!」


(エグイ・・・エグ過ぎるよジンジャーさん。いくらお金は大臣持ちだからと言って・・・)

そして大歓声が起こった。


「「「「「「「サイレンちゃんありがとーー!!」」」」」」

(やめてください・・・)


とりあえず、大きめな倉庫を借りてもらってそこにウエンディとロブリューに入ってそこで食事となる物を用意。あっちこっちから肉や果物、野菜を買い占めウェンディにロブリューに食べさせた。水樽に水を用意しその場に置いて飲ませた。とりあえず空腹は満たされただろう。そうしたら満足したのか魔獣たちは眠りについた。

そして商隊が探し用意してもらった高級宿に一泊した。

普通は誰も泊まれないだろうクラスの部屋に泊まれるとなってテンションアップ!!特に星光の剣のシズリンさんとシアリンさん、スカーレットの4人はお姫様気分に酔っていた。『もうここから動かない!!』『・・・ですわよ!おほほほ・・・』などと世迷言を言っている。夢だけは見るのは自由だからそっとしておこう・・・

その高級宿の夕食の時にスケジュールを話した。


「私とサイレンちゃんとブローさん、サロマさん、ライラさん、ステラさんは明日お城に行く事になっている。残っている者は明後日の朝出発なので私達が居ない間準備しておくように。」


そう話した後、高級宿の食事に舌鼓を打つ。


そして、柔らかいベットに身を沈め眠りについた。



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