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英雄作成計画「今日は厄日」

自分の部屋が爆発した・・・外面の壁が無くなっている。

爆発の瞬間、守護霊アズラエルが幾重もの羽が体を包むように覆いかぶさり、私をその衝撃から身を守ってくれた。衝撃は全く感じなかったが激しい爆発音は聞こえた。

目は覚めたが目を開けず、爆発の中心にいたのに無傷の理由をいかに説明しようかと思いを巡らしていたが全く思い浮かばない・・・下手にしゃべっても事態がややこしくなって収集つかないなんてオチは嫌いじゃない。思わず心の中で昔見た『美少女戦士』ものの魔法を使う時のセリフを思い出した。(やぶへびになーーーれ!!!)

突然の爆発音を聞いて部屋には父と母、屋敷の関係者が集まって騒然としている中、父オスミウム ド ロシュフォールが執事に激怒しつつ指示を出している。


「屋敷の警備を強化!!」「怪しい者はとらえろ!!」「子供たちを部屋から出すな!!」「被害を確認しろ!!」「・・・・」


母プラチナ ド ロシュフォールは私を抱きかかえて・・・


「大丈夫!?怖かったね!?」「もう大丈夫だからね!」


っと揺られながらあやしてもらった。愛する我が子を失いかけたと思ったのだろう母は涙を堪え身体は震えていた。この爆発は私が引き起こしたものだから、もの凄く申し訳ない気持ちになってしまう。心の中で謝った。

(お父さま、お母さま、ごめんなさい。私がやりました。でもわざとじゃないの、事件じゃないの事故なのよ!)


部屋の隅では腹抱えて豪快に笑う女神スクルドとテヘペロしている守護霊アズラエル。


そして真相が解明されぬまま迷宮入りするのであった・・・


--------


部屋を失った私は別の部屋を用意してもらった。爆発した部屋の修理と屋敷自体のメンテナンスをしてもらっている。私には面会が増えた。家のかかりつけ医、当家お抱えの騎士、普段面識の無い者も来た。火柱が上がる程の爆発なのに無傷・・・6歳児なので誰も犯人には思わないようだ。むしろ、ロシュフォール家の信仰している女神スクルド様が守って下さったと誰も疑わない。

実際は守護霊のアズラエルから守って頂いたのに全て何もしてない女神スクルド様が手柄をかっさらった形になった。なので少し機嫌が悪そうだった。

そして何も事情が知らない者たちによって屋敷の警備が強化されたのと、父と母はさらに信心深くなったのは言うまでもない。


--------


「セレンちゃん、おやすみ・・・」

「お母さま、おやすみなさい・・・」


ベットに入り私は目を閉じて寝・・・たふりをした。

母、プラチナは静かに部屋から出て行く。


ぱたん


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


目を開けて守護霊アズラエルに話しかける。


「アズラエル様、蝋燭の炎でしたよね・・・蝋燭の炎で火柱や爆発が起こらないと思うんですが・・・何が悪かったのでしょうか?」


「ん~・・・セレンちゃんの場合は蝋燭の炎より炎に対しての造詣と理解が誰よりも深かったのよね。魔法の燃料の量は守護霊の問題でも、魔法の出力は本人の問題だから。燃料の使用がほとんど感じなかったのにあの結果は・・・セレンちゃん、才能あるわよ!ちなみに燃料っていうのは言葉のあやで分かりやすく説明した感じだから本来は違うものだから。」


っと守護霊アズラエルはニコニコ喜んでいた。

喜んでいるのを見つつ・・・気が重くなった・・・ため息が出た・・・疲れもどっと出た。


「あの爆発は私のせいだったか・・・これからしばらくは封印するしかないか・・・」

「アズラエル様、今日は寝ます。」


「はいはい、おやすみー」


今日一日を振り返り意識を手放した・・・

(今日は厄日だった・・・)


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