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旅路「情報こそが力」

「ありがとう、参考にしてみるわ。」


ライラさんは真剣な顔だった。それに合わせてマチルダさんとステラさんが顔を見合わせる。

私から今回の旅で思った事を話した。


「もし、自分が商人だった場合こうだったら嬉しいなっと思うんです。」

「交渉の場で自分が商人だった場合、今回のジンジャーさんの様に他国で商人同士の交渉で、交渉するジンジャーさんの横に着飾った女性がいるそれだけで豪商のように威圧できると思います。そして交渉を有利に進められると思うんです。」

「旅先で野営の世話、料理、お風呂、洗濯なんかもしてもらえたらいいな~っと思いますし。そして冒険者本来の仕事、護衛もね。他国で交渉する商人は男性が多いからっというかほぼ男性。ずぼらだからそういった事お世話をしてくれる冒険者のパーティー、何もしないパーティーどちらが良いか?お世話の分は賃金で請求するのは当然だけど。」

「チラッと感じた事ですけどね。」

「冒険者だった場合は・・・特に女性の冒険者だったら・・・っというか私の価値観は『冒険者=なんでも屋』なんです。まず・・・仕事するにもギルドを通すんですが、ギルドに通さないような仕事をすると良いと思います。例えば・・・う~ん・・・」

「・・・・・子守りとか。女性冒険者は特に必要になると思います。子供が出来たけど辞めたくない女性の冒険家の受け皿になりますし、街の他の業種の人も託児が必要だと思いますそういった人達を一括で受け持つとかどうせしょうか?。街の人の託児の場合は賃金の請求が発生しますけど、その家の経済状況で値段設定を変えても良いでしょうね。大金持ちとそうでない人が同じ値段だと不満が出るでしょうし・・・街の商人の経済状況の情報も集められますし。情報がある事で新しい仕事も思いつくかもしれません。本当の力は情報なんです。情報こそが力なんです。」


「「「・・・・・・。」」」

「すごいね。」


「冒険者は商人とは違いますが、通常は商人が冒険者を選びますが、やりようによっては冒険者が商人を選ぶことも出来ます。」


「ですが私は子供ですから私の言った事はどういう事がさっぱりわからないです~。」


そういって私はニヤッと笑ってしまった。

(なんだか・・・スカーレットにずいぶん肩入れしてしまったなぁ・・・)

そう思ってしまった。


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


ジンジャーさん、商隊の人達が野営の準備をしている所をスカーレットのメンバーがじっと見ている。フレイさんにはステラさんがメモした紙を手に私が言った事を説明したようだ。

私は私で当たり前の様にお風呂のスタンバイをしている。一度こういった贅沢に慣れると抜け出すのに大変なもので。

いつものように夕食を食べお風呂に入れ洗濯をする。

商隊の人達がお風呂で歌を歌っていた。それを皆が聞いている。

そして、その夜スカーレットの馬車の灯りは遅くまで消えなかった。何を話し合ったかは分からないしこれ以上関与する義理も無い。後は彼女達に任せよう。

もう明日にはアルビオン王国に着くそうだ。お風呂と洗濯は明日まで。小さい国ではあるけど普通に学校生活出来れば問題ない。ちょっとわくわくしてくるもので・・・。そう思いながら鼻歌を歌いながら今日の洗濯物を物干し竿に干した。


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


朝もスカーレットのメンバーは商隊の動きを観察している。商隊の人達は見られている事に気が付いている。私は洗濯物を畳みいつものように男物と女物を分ける。女性物の下着を自分の胸に当ててみる事も忘れない。そして溜息が出た。


『はぁ・・・』


その溜息は自分のプロポーションと比べた時に出た溜息ではない。

ないったらない!!

それはさておき・・・近頃、商隊と冒険者の服装と身だしなみが良くなった。

いつものように女性物の服と下着はスカーレットの馬車の中で引き渡すのだが、既に星光の剣のシズリンさんとシアリンさんが来ていた。スカーレットの馬車が大きく新しいものになっているので羨ましがっていた。先の襲撃で火で少し焼かれてしまった事と安全面を重視した結果なので納得していた。

そして少し黒く焦げた以前のスカーレットの馬車は私が貰った。アルビオン王国で生活が落ち着いたらオーバーホールしてみる。

スカーレットの馬車でライラさんが言った。


「サイレンちゃんに言われて商隊を注意して見てみると感じるものなんだな。これがあると良いなってのが。当面は戻ってから4人でやってみるよ。冒険者ってのは戦う商売だと思っていたが・・・」


「年齢が若いと無理をしがちで、上を狙って自分の許容以上の依頼を受けようとしますが・・・それが一番ダメなんですよ。結局失敗するか、最悪命を落とすことになるんです。無理をする事とチャレンジする事は違うんではき違えないようにしないとですねー。ですよね、シズリンさんとシアリンさん?」


シズリンさんとシアリンさんは頷いていた。


「命あっての何とかだからね。」

「今回はサイレンちゃんに命拾って貰ったんだから大事にしないとね。」


「そうそう、大事にして下さい!」

「くふふふふ・・・!」


私はそう言って馬車から出た。

そして、ジンジャーさんの作った朝食を食べて馬車の中でマッタリ~。

空を見て、風を感じつつ一人ジャンケンやエアギターをして過ごした。


「さぁ、明日はアルビオン王国だー!!」




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