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旅路「戦略」

夜の野営の時は水瓶係をしている。馬車5台に水樽は積んでいるが中には水が入っていない。その方が馬の負担が劇的に減るので多少の無理が出来る。

火を起こし鍋に水を張るまではしている。調理はジンジャーさん含め商隊の人達が担当。

『私が託したお馬さんが居ますしそれ位は・・・』っと。

そしていつのもようにお風呂の準備をして・・・夕食を食べてから皆入る。入ったら洗濯をする。

この生活も私がアルビオン王国に着いたら終了になってしまうんだけれど、今のお風呂、洗濯付きの馬車での有り得ないだろう贅沢旅生活に慣れた所で、それが突然無くなってしまう訳だ。

私と別れた後の事は私にはどうする事も出来ないからその辺はお任せしよう。


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


次の日はスカーレットの馬車にお邪魔した。


「帰ったら部屋を借りてそこをパーティーの拠点として活動しようと思っているんだ。この馬車は今のメンバー4人では大きいから少しメンバー募集掛けようとね。」


ライラさんが自分の本拠地に戻ってからの方針を言ってくれた。

フレイさんが御者の席に座って馬車を操っている。

新しい木の香りのする広い馬車の中で他のメンバーのマチルダさん、ステラさんと一緒に話しをした。

私があまりにも物事を知っていると判断したようで、歳が離れているがそう言ったものを関係無しに聞いて来た。なので自分の意見を隠さないで言った。


「弱いパーティーが強いパーティーに勝つ為の方法があります。ただ私の言う事は腕力で勝つという事ではなく、パーティーの経営として大きいパーティーから経営で勝つ方法です。私には関係ない話しと言っておきますね。知っているというだけの話しですが・・・参考にするかどうかはお任せします。」


そう言ったら、ライラさんとマチルダさんは聞き逃さないように真剣な眼差しになり、ステラさんは紙と筆記用具を取り出した。


「強い弱いとありますが、その判断基準・・・強いと言うのは冒険者のシェア26%以上を保有しているパーティーが強いとなります。この場合はパーティーの規模でしょうね。そしてそれ以外は弱いパーティーとなります。そして、強いパーティーと同じ事をしようとすると必ず負けます。同じ事をしたとして他者がみたら・・・弱い所が真似したとばれて強い所に依頼します。強い所の方が安全だと思いますから。」


3人は黙って聞いている。本当に真剣になっている。そんなに真面目な顔されるとこっちも本気になる。


「成功しているパーティーの真似をするのはダメ。みんなやってるから。ではどういう事をすべきか・・・差別化するんです。他ではやらない事、やっていない事をやるんです。女性オンリーなので差別化は出来ているようですがまだ弱いかと思います。」

「そして、その戦略なんですが・・・5つあります。」

「1つ目・・・局地戦です。依頼はいろいろありますが・・・手広くするのではなく1つ、2つに特化するんです。やる事を絞り込むんです。」

「2つ目・・・一騎打ちです。これは戦う訳ではなくギルド利用者と交渉するんです。いろいろ比較する利用者と1つのパーティーに頼む利用者どちらに交渉するかというと・・・比較する利用者ではなく1つのパーティーに頼む利用者に交渉するんです。そしてその人に比較させるんです。1つのパーティーと比較出来ないからその条件を良くすれば依頼を獲得できるかもしれません。」

「3つ目・・・接近戦です。大きいパーティーは知名度が大きいからそれほど宣伝はしません。扱う依頼もそれなりです。ですから弱いパーティーは最高級を狙うんです。たとえば・・・薬剤師が薬草を求めています。大きいパーティーは200バーツで売ります。ですが弱いパーティーは経済面苦しいので300バーツで売らないといけません。それでは勝負になりません。だったらどうするか?もっと高い値段で売るんです。ただ・・・その場合直接届けにいく。もしくは取ったばっかり、鮮度も最高だった場合はどうでしょう?一定の顧客が出来ます。最高の物が出来るからです。」

「4つ目・・・一点突破です。大きいパーティーと相手をしたとして、ここだけは勝てるという所に資材、人員を投入するんです。強い相手でも一点だけその3倍の資材、人員を投入すれば必ず勝てるんです。」

「5つ目・・・奇襲戦法です。それは誰もやらない事をやってみるんです。ただ・・・これにはリサーチが必要になります。例えば・・・活動時間を変えてみるとか。依頼したいけど時間が合わなくて依頼できない人もいるかもしれません。」

「そして、注意しないといけない事があります。それは・・・大きいパーティーが真似できない差別化をするんです。値段の競争はダメです。大きい所には勝てません。それと、依頼者、顧客の望まない差別化はダメ。あと、差別化は1つだけではダメ。小さい差別化を作って合わせ技でやってみるんです。そうするとどこも真似出来なくなります。もし、行き詰った時・・・どこにヒントをもとめたらいいか・・・冒険者ギルドでは無く商人ギルド、医療ギルドなど他の職業を調べます。そこにヒントがあったりします。最後に小手先のテクニックじゃなくて揺るがない信念と理念が必要です。先程の薬剤師の話しで言いましたが・・・最高の物を必ずお届けするんだ!っと言う信念ですね。」

「それを踏まえて・・・これからの行動する上での流れを整理すると・・・

1つ目、理念の確認

2つ目、地域と領域の確認

3つ目、商品、やれる事の確認

4つ目、狙う顧客、依頼人の確認

5つ目、同じことを誰かがやっているかやってないかの確認、成長過程予想の確認

6つ目、戦略の確認

です。」

「それで実際に行動を起こした時・・・まずやるのは特化局所一点突破です。そうして知名度をあがりきったら他の戦略の速攻拡大で物量投入です。それと足下攻撃、これは後から同じ事をしようとしている小さいパーティーの良い所を真似するんです。そして・・・盤石になったら拡大してあんまり受けなかった戦略を止めコストを見直すんです。」

「最後に重要なのは勝てる所には確実に勝つ。勝てないなら相手にしない事です。」

「以上です。」


三人は黙って考えていた。

そして・・・ライラさんは口を開く。


「ステラ・・・ちゃんとメモしてた?ちょっと目から鱗過ぎるんだけど・・・」


「はい、メモはちゃんと残しました。でも・・・強いパーティーの真似しがちだけどそれじゃあダメってのが意外だったけど、よくよく考えれば的を得てますよね・・・1番には絶対に慣れないんですから。」


マチルダさんは私の顔を見て言った。


「サイレンちゃん、あなたって一体なんなの?」


(あ~・・・久々に言われちゃったよ~。)

「私は人間の女の子ですよ。」

私は満面な笑顔で言った。







ランチェスター戦略入れてみました

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