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旅路「学校でギルド」

朝、起きたらジンジャーさんは先に起きていて商隊の人と朝食を作っていた。私は昨晩干していた洗濯物を取り込み風呂に使った水樽、パテーション、物干し竿等を撤収した。そして馬車に戻り洗濯物を畳んだ。

誰が誰か分からないので朝食の時に男物の服を一ヶ所に置いておいた。自分のは分かるだろうという事で。なぜか人数より服の数が多いのは知っていたが敢えて突っ込まない。むしろ下着がたくさん入っているのが驚きだ。まぁ・・・洗濯物を出すように言ったので出したのだろう。

そして女性物の服はスカーレットの馬車の中で渡した。やはり下着も入っていたので男性の目は気になるだろうから。女性物のブラなんかを自分の胸に当ててみたのは秘密の話し。


「サイレンちゃん、いい奥さんになるよ~」


などと言われた・・・私からは・・・

(悪い旦那さんになるよ~)

と言ってやりたかったがグッとこらえる。最近、我慢強さが身についたようだ。幼くして年上全員尻に敷いてやろうかと思ってしまったが、とりあえず苦笑いで茶を濁す。


「あははは・・・・はぁ。」


朝食を食べたら出発なのだが・・・今日こそは何もしない。だって私はお客様ですもん。

今日も何かさせられるならお金を請求しても良いよね?

ジンジャーさんに・・・


「昨日はすまなかった!今日からはしっかり働かせてもらうから大船に乗ったつもりで安心してくれ!」


とは言われたが乗るのは大船じゃなく馬車なのだ。だから『馬車に乗ったつもりで』っと訂正を要求する!馬車だった場合、つもりなら何に乗ればいいのか?っとそんな事を考えてしまう。ジンジャーさんに地図を見せてもらったがフェルミエ王国からアルビオン王国にはそんなに遠くないそうだ。

トラピスト王国から出て何日経ったか把握していない。学校の入学の日にちが過ぎてない事を祈るばかりです。

アルビオン王国は国土的には大きくないがこの国は道が四方に伸びていて交通の要、商業や運輸が活発な所だそうだ。そして人間以外の種、エルフや獣人、魔族などいろいろな民族が交わる中継地点だそうだ。いろいろな人種がいるから小さいいざこざや衝突が日常茶飯事あるがどの種族にも旨味がある国だからそれを放棄するような大きい衝突は無いと言っていた。多少の偏見や差別があるのは致し方ないことか・・・。星光の剣やスカーレット、カルネ商会はアルビオン王国のその先のアメリア公国に拠点を置いている。


今日は先頭の馬車、星光の剣の所にお邪魔していた。シズリンさん、シアリンさんと良く話しをする。

やはり女の子同士だけあって・・・面白い事が聞けた。


「サイレンちゃん、学校に行ったら並行して冒険者登録とかするんでしょ?」「ギルドの仕事で薬草集めとか食材採集とか小遣い稼ぎが出来るから登録する人多いんだよね~。」


シアリンさんが話した後、シズリンさんが続く。


「んでさ、そこから本業になったりするんだけどアルビオン王国の学校の変わっている所がさ、早期卒業制度ってのがあってさ、普通は18歳で卒業だけど15歳で卒業が出来る制度なの。サイレンちゃん知ってる?」


「いえ、初めて知りました。」


「アルビオン王国って色々な人種がいるじゃない。学校内でも揉め事多いから退学する人多いんだよね。学校って退学すると評判に絡んでくるから、素行の悪い生徒を早く卒業させる為の制度みたいよ。逆にサイレンちゃんみたいなギフテッドな子を見つけてを早く卒業させて貴族家が囲い込むとかもあるみたいよ。」


(早期卒業制度・・・どちらにせよそれを活用する為には誰よりも目立たないとダメな制度か・・・普通に生きたい私には不向きってことね。)

「そんな制度があるんですね・・・事前に分かっているのと分かってないとでは違いますもんね。」


「そうよ、ついでに言うと学校でギルド登録出来るから。学校とギルドって密接で、特に魔法ギルドはね。魔法の才能のある子を探し出して王族や貴族が囲い込む為のギルドみたいなものだから冒険者の魔法使いって少ないのよ。」


シズリンさんが話している時、シアリンさんが御者の席でブルズさんと居たサロマさんを呼んだ。


「ねぇ、サロマぁ、サロマって学校出たよね。ちょっとサイレンちゃんに学校とギルドについて話してあげてよ。私達より詳しいでしょ。」


「いいよ、サイレンちゃんにはお世話になっているしね。それ位しか出来ないし。」


そう言うとサロマさんはシズリンさんとシアリンさんがどこまで話したかを聞いた。


「なるほどね。私的な感情を抜きに言うけどギルドって冒険者ギルド、魔法ギルド、商人ギルド、鍛冶屋ギルド、建築ギルド、医療ギルド、農業ギルドがあって、そのギルドから職業に細分化されるんだ。他の国では騎士ギルドなんていうのもある。」

「商家の者なら商人ギルドに入って商業の勉強する。また、貴族の家の者の商業ギルドに入ったりもする。領地運営とか国家戦略のなんかを教わったりするし。アルビオン王国には騎士ギルドはないけど、冒険者ギルドは剣術やサバイバル技術を教えたりする。アルビオンの貴族は冒険者ギルドか商人ギルドで勉強をするね。もちろん学校でもするけど学校の勉強って深く勉強する訳じゃないから専門的な事は専門のギルドってなる訳さ。」

「たとえばこの馬車を作るとして農業ギルドで木材と布、金属部分は鍛冶屋ギルド、組み立ては建築ギルド。そして馬も農業ギルドってなる。そして自分で販売しても良いけど売買依頼するなら商人ギルド。」「薬を作る時は冒険者ギルドで材料依頼して医療ギルドで製作となる。」

「これは私の私感なんだが魔法ギルドだけ生活に密着してないし何も成果らしい成果を上げてないのにどのギルドよりも大きい顔をしている。その理由が王族や貴族と密接に繋がっているからなんだよ。魔法の才能のある子供を王族や貴族に囲い込ませる。悪い言い方すると人身売買みたいなものだから。サイレンちゃんも気を付けた方が良い。冒険者に魔法使いが居ないのはそういった事が原因でもあるんだ。」

「そして、これは噂なんだが人間と魔族の関係が最悪なのは魔法ギルドが絡んでいるからじゃないかって話しなんだ。知っての通り魔族は魔法を使う種族なんだけど・・・魔法が苦手な人間が魔族と対立すれば対抗手段として魔法の使える人間を探す訳さ、王族や貴族がね。仲が良ければそうする必要も無いし魔法使いの需要も無くなる。そうなっては魔法ギルドの必要性も希薄になる。ならば・・・後はお察しだろ?まぁ・・・真実がどうかは分からないけど。」

「ただ、サイレンちゃんの魔法の使い方を見て魔法の可能性を見た気がするよ。魔法の連携でお湯を沸かすなんて非効率だと思っていたけど実際は違ったからさ。」



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