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旅路「力不足」

「・・・・・」

「今日はありがとう。おそらく君がいなかったら初動も遅くなって死んでいたかもしれない。」


「そうよね、あの数の野盗では危なかったわね。」

「うちのステラ、ありがとうね。」


ブローさんが喋りライラさんが続けて話す。

そして続けてシズリンさんは話す。


「サイレンちゃん、あなたの弓術の腕はなんなの?普通あんな入り乱れた状態では弓は使えないわよ。あの連射速度もおかしいし、全て野盗に当てるし・・・」


シアリンさんも口を開ける。


「私たちの誰かに当たると思わないの?っと言うか今、あなたの弓はどこにあるの?」


私は暫く考えたのち・・・


「ん~・・・人を見分けて腕と足のみを射抜ける自信があったし・・・こういった事は初めてだったもので射殺さないように練習してみました。それと弓は常に持ってますよ。」

「弓はこれです。」


私は空間収納魔法で天国(あまくに)を出した。いつも鞘に入った状態にしているのでブロードソードだ。それを出して見せた。


「これです。」


「それ、弓じゃなく剣だよね?」


何もない空間から出した剣に皆は驚いている。その中でラトルさんが話した。

私は鞘から剣を抜き・・・言った。


「天国、弓形態。」


そう言うと剣から弓に形を変えた。

皆は絶句している・・・

(だよね、そうなるよね。)

そして・・・フレイさんが話した。


「バトルハンマーで私を助けたのもその武器?」


「天国、槌形態。」


私は弓からバトルハンマーにスイッチ!

ステラさんが言う。


「私を救う時に握っていた槍は?」


「天国、槍形態。」


バトルハンマーからランスにスイッチ!

サロマさんが聞いて来た。


「矢を防いだ盾は?」


「天国、盾形態。」

「・・・・・あの・・・もう良いですか?」


「あぁ・・・ありがとう・・・」


ブローさんがそういって私に対しての質問は一応終わった。

私から切り出した。


「あの・・・大変申し上げ難い事なんですが・・・皆様、私を仲間にしたいと思っていると存じます。ですが・・・皆様、力不足です。力と言うより全てにおいて不足しています。一緒に行動したとしても他の冒険者のパーティーが私を引き抜こうとすると思います。それだけではなくどこかの王族が引き抜こうとするかもしれません。そして私とパーティーを組んでいた人達は当然邪魔だと思われます。私と引き離す為、最悪どういった事をすると思いますか?どんな状態、条件であっても自分の身を自分で守れない事が問題なんです。」

「正直言いますと・・・今回の敵襲は私一人で条件が無かったら衝撃波の一振りで終わりました。」

「・・・・・」


なんだか・・・言ってて悲しくなった・・・

笑いながらも傷跡のある頬に涙が伝った。


「「「「「「「「・・・・・・。」」」」」」」」


皆は無言になった。

そして解散となった。


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


「おはようございます。」


「あぁおはよう、サイレンちゃん。」

「今日フェルミエ王国に行こうと思うんだ。」


ジンジャーさんが言ってきた。


「昨日捕まえた野盗を預けに行きたいしこのままも出来ないし。アルビオン王国のルートに入っているから良いかな?」


「あ、はい。良いですよ。その辺はお任せします。」


その後朝食を頂き、ブローさんとライラさんとジンジャーさんで話ししていた。捕らえた野盗をどうやって運ぶかをなんだが・・・普通は指を後ろ手に縛り首に輪っかを通して無理やり歩かせるんだが・・・今回は人数が多すぎて無理との事。馬車に乗せるにも馬車の積み荷があるので乗せられる人数にも限界があると。なので何人かを縛ったまま何もない平原に放置して行こうかと。ただ、人数を減らすと取り分が減ってしまうとか・・・私はその話しに聞き耳を立てていた。

要は積み荷が無ければみんな運べるという事だ。


私からブローさんに話しかけた。


「ブローさん、ライラさん、ジンジャーさん積み荷の件は私がなんとか出来ますよ?」

「ライラさん、ブローさんの馬車に一緒に乗って頂けます?スカーレットの馬車を輸送に使いましょう。ジンジャーさん4台目の馬車とスカーレットの馬車、連結出来ます?」


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


「んじゃあ出発しましょう。」


私は星光の剣の積み荷とスカーレットの積み荷を空間収納の魔法で収納し、先頭の馬車にスカーレットのパーティーも乗ってもらった。そして、焼け焦げたスカーレットの馬車に捕まえた野盗を押し込んだ。それを4台目の馬車と連結し4台目に私が乗った。見張りも兼ねて。馬も6頭増えたので馬力もアップ!その分早く着いた!


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