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旅路「衝撃波」

「いやーーーー!!!」


っと馬に乗って掛け声を上げ、フレイさんは乱戦の中に突入して行く!!

私は馬車の最後尾に走って行った。人の気配がしたから何かあるはず!!


天国(あまくに)、剣形態!」


殿の馬車、スカーレットの馬車に近づくにつれ女性の叫び声が聞えて来た。


「やめてよ!!あっち行ってよ。!!!熱い!!!きゃあ!!!」


声の主はステラさん。冒険者のパーティーにいるが基本的に医療と交渉、雑用などをしている非戦闘員。

そのステラさんの乗った馬車を馬に乗った男1人とそれ以外の野盗の男が2人で攻撃していた。そして、馬車の中に火を放っていた。ステラさんは火を消そうと必死だった。

野盗の男共はさらに炎を大きくしようとし、ステラさんをあぶり出そうとしている。

出たら捕まえるか殺すつもりだろう。


私は走りながら最初の標的を馬に乗った男に絞った。


「天国、槍形態!」

「ヤーーーーー!!!」


ブロードソードからランスにチェンジし、先端を馬に乗っている男に向け突進した。

『ドン!!』

ランスは男の左肩に刺さりそのまま落下!背中を地面と衝突させて動けなくなっている。

私は野盗2人の横に着地しランスを両手で握りしめバットを振るがごとく横に薙ぎ払った。


「サイレン ホムーラン!!」

『ボコ!!』『ガツ!!』


男2人は槍で殴打されて昏倒していた。

私は手の平を馬車の中に向け水を生成し放たれた炎を消火しスイカ位の大きさの氷を作った。おそらくステラさんは火傷を負っているだろうから。

そして馬を奪い、馬車の先頭に駆けて行く!横目でチラッと見たらジンジャーさんとその商隊の人達が乱戦になっていた先頭付近を身を乗り出して見ている。

(その気持ちわかります・・・)

駆けた先でライラさんがまだ交戦中だったので馬で駆け寄り・・・


「ライラさーーーん!!ウマーーーーーー!!!」


馬に乗った私に気付いたライラさん。私はライラさんと交戦中だった野盗の男を馬で突き飛ばす。すぐに私は降り意図を察したのか馬に跨った!空気を読める人って素晴らしい。


「ステラさんが!!」


そう言うとライラさんは最後尾に駆けて行く。

私は最初のように馬車の屋根によじ登り弓矢で援護射撃を始める。

『バチンッ!』『ヒュン!!』『バチンッ!』『ヒュン!!』・・・

そして、野盗の最後まで馬に跨っていた男が叫んだ。


「ダメだ、撤収だ!!逃げろ!!」


そう言うと一斉に男達は逃げ出した。怪我で動けなくなった者も居たので実数5名しか逃げて行かない。っと言うかそれしか残っていなかった。

一緒に当たった冒険者のパーティーと後ろでは商隊の人達から歓声が上がった。


「よし!勝った!!」「終わったーー!」「危なかったー!」


下にいた私はブローさんに尋ねた。


「今、逃げて行った野盗はどうするのー?」


「倒せたら良いのだけど深追いするとこちらが危ないからもういいよ。」


「んじゃあ深追いしなければいいのねっ!」


ブローさんは私の言った事に不思議がっていた。

私は音の魔法に自分の声を乗せ皆に聞えるように話した。


「「・・・急いで馬の耳を塞ぎ、自分の耳も塞いで下さーい。・・・」」


皆さんは何かを察したのか急いで私の言われた通りにしてくれた。魔力を通した普通じゃ出ない声だし、従わないと悪い事が起こると普通は思う。


・・・・


言われた通りにしてくれたので私は先頭馬車の上から逃げ去る野盗を確認した。

そして、天国を空間収納に仕舞い、ウルズ様から拝領した私仕様の片刃の刀『レーヴァティン』を取り出した。

その私の姿を皆、両手で耳を塞ぎ見ている。もう隠しても仕方が無い。人間諦めも大事。

そして腰を落とし居合の構えをし音の魔力を寄与する。そして横一文字に一閃!!

『ドンッ!!!!!』

片刃の刀から大きい音を立てて音が放たれた。それも衝撃波と言う形で!!

衝撃波は周りの木々をなぎ倒し、岩を弾いて逃げた野盗に襲い掛かる!!


「あ、うまくいったみたい!」


衝撃波がぶつかり野盗が吹き飛ばされた所を馬車の屋根に座って足をブラブラさせ、おでこに右の手を当て遠くを見るような恰好で見た。私の姿を見ていた皆は戦戦恐恐としている。倒れていた野盗は耳を塞げなかったようで口から泡を吹いている。

(まぁ、しょうがないよね!)

そう思う事にした。


とりあえず私は先頭の馬車の屋根から降りの最後尾にステラさんが居る所に向かった。所々焼けた馬車の中でステラさんはずぶ濡れになっていた。馬車を守ろうとして腕と顔に深い火傷も負っている。ライラさんはその横で氷を当てて看病していた。

私の姿を確認したライラさんは謝って来た。


「すまない、私のミスだ。」


「いや、よく分からないけど了解です。」


私的には冒険者とはこういった不測の事態が発生しても文句は言えないし生きるも死ぬも自己責任だと思っているから。だから謝れても困る。

私はステラさんの体に触り魔力を流した。深く火傷した所が淡く光る。ライラさんとステラさんはその様子を驚いてみている。ステラさんの火傷は淡い光が消えると跡が残らないで治癒した。しかし、焼けた髪は戻せない。


「はい、終了!!」


私は治療を終えると外に出た。

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