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別れ「私の剣」

「モルガ、セレン嬢は今日で最後らしいな?」


「オスミウム卿はそのように言っておりました。ここに来る事はもう無いと思われます。」

「なぁファルマ、今日最後の訓練でセレン嬢が一方的に攻撃を受けていたように見えたがそんな事が可能なのか?」


「可能ですが・・・教えるために実践するのは・・・私も無いですね。」


「セレン嬢がそこまで弱い訳ではあるまい。余もこの目で何度も力を見ていた。」


国王陛下、モルガナイト皇太子、聖騎士ファルマ、ローゼライト姫が話ししていた。先程のセレンがボロボロになるまで防戦一方の訓練を見て不可解に思っていた。ファルマを除いて。


「弱いからではなく力の差が余りにも大きいから出来る訓練方法だと思います。そして、あれほど分かりやすい1人対多人数の戦闘訓練は見た事ありません。強い者一人に対峙した時の訓練・・・あの訓練の先にあるのは戦争で騎士を死なせない為のものですね。」

「騎士は1対1で戦いたがるものです。ただ、戦争時それがセレン嬢と等しい位の相手だった場合、無駄死になってしまいます。そうならない為の訓練と見ました。防戦しか出来なかったのは1対1ではなく1対5でしかも5名が別々に戦うのではなく5名が同時に攻撃してました。あれではどんなに強くても負けてしまいます。少し強いというだけだったら一瞬で終わっているでしょう。5人の攻撃で2つまでは受けられても3つは攻撃を食らってしまいますから。それが一瞬で終わらなかったのはセレン様が強かった。でも最後には力尽きたようです。そして騎士の方は誰も傷つかなかった。騎士達にとって良い訓練になったと思います。協力すれば誰も太刀打ち出来なかったセレン様を圧倒出来る事が身をもってわかったんですから。それは騎士としての自信に繋がるでしょう。」

「騎士の美学で『この身に代えても主をお守りする』なんていう騎士がいますがそれは間違いなんです。この身に代えて守ってもその後守る者が居ないのでは意味が無い。騎士に必要なのは『この身に代えないで主を守る』事なんです。」「主が居る限り騎士も生きなければならないっという事です。」


「「「・・・・・・」」」


「すごいな、そこまで考えているものなのか?学校に入る前の女の子だぞ?」


「皇太子殿下、セレン様は神様に寵愛を受けているのかもしれません。そしてセレン様は私達の事を愛してくれているのかもしれませんね。でなければ自分を傷つけてまで教えたりしませんから。おそらくこの国の騎士達の技術は格段に上がると思います。セレン様の期待に応えようとするでしょうから。」


「ばかね!だから生意気なのよ!もう一発叩いてあげようかしら!」


「そういえば忘れてました。一人でセレン様を叩ける姫が最強ですね。」


「「「ははは・・・!」」」


--------


「お父さま、お願いがございます。」


夜、お父さまの執務室に訪れ・・・


「セレン、どうした?眠れんのか?」


「いえ、家の武器を複数頂きたく思いまして。」


「それは構わんが欲しいなら明日買って用意するが?」


私は武器はウルズ様から頂いた武器は持っている。ただ・・・常に腰に下げるのもどうかと思う程に綺麗な刀。なので出来れば緊急時に使用したい。でないと余計な揉め事を引き寄せるだろうから。


「いえ、家の武器が良いのです。もし購入するなら頂いた分を購入してお抱えの騎士様に使わせて下さい。」


「ふむ・・・っで・・・複数とは何をどの位が欲しいんだ?」


「1本ずつなのですが、ブロードソード、バトルハンマー、バトルアックス、ランス、アーチェリーそれと盾が欲しいです。」


「・・・明日ランドに私から言っておく。貰いに行くと良い。あと、明後日は出立だから準備しておくように。」


「はい、分かりました。ありがとうございます、お父さま。」


--------


「セレンお嬢様、本当に一番古い武器で良いのですか?」


「はい、一番古いのでいいんです、ランドさん。」


昼頃、ランドさんの元を訪れ武器を貰った。お父さまから話しを通してもらっていたから準備してもらっていたんだけど・・・気を使っていたようで一番新しい武器を用意していた。

なので一番古い武器に代えてもらった。


「無くなった分はお父さまが補充してもらえると思います。ありがとうございました。」


「はい・・・本当にいいんですか?新しい武器でなくて。」


ランドさんは念を押してくる。やっぱり気になってしまうようで・・・侯爵令嬢に渡す武器が一番古いというのは気が引けるというかお父さまの怒りに触れると思うのも無理もない話しで・・・


「はい、大丈夫ですよ!お父さまには私からもお話ししておきます。注文通りで大変満足でしたっと。」


「分かりました。」


そう言ってランドさんは納得した様であった。

そしてそれら使い古した武器を自分の部屋に運んで貰った。


「では、私共は失礼致します。」


「はい、ありがとうございました!」


ランドさんが部屋を出てから置かれた武器・・・少し前に金属性の寄与の時、金の力を抜かれた金属は形を維持できなくなって崩れ落ちた。その後、実験と検証をして崩れ落ちた物は錆びた砂鉄だった。また力を抜いて錆びた砂鉄に抜いた力を戻すと形を取り戻した。そして、同じ属性だったら重ね掛けが出来た。

私は最初にブロードソードの金の力を抜き、力なく崩れ落ち錆びた砂鉄になった事を確認してからブロードソードから抜いた金の力を戻した。そうしたら赤く錆びた砂鉄がみるみる黒い砂鉄に変わり1本の剣の形に集まりだした。そして、使い古されたブロードソードが再構築され新品の剣に生まれ変わった。


「・・・完璧!」


自然とガッツポーズが出る。その後バトルハンマーの金の力を抜き先程のブロードソードに寄与させてみる。ブロードソードは形を変えなかったし見た目は何も変わらない。私はその剣を手に取り魔力で指示を与えた。

(バトルハンマーに姿を変えよ!)

そうしたらブロードソードを構築している砂鉄が動き出し剣の重心が前に移動した。前には金属の塊が出来ている。完全にバトルハンマーに姿を変えた。しかもこれも見た目が傷一つ無い新品のバトルハンマーだ。しかも金の属性の特性で武器の強度も上がった。

その後、バトルアックス、ランス、アーチェリー、盾の金の力をブロードソードに寄与した。そして、最後に魔力で指示を出す。

(お前の名前は天国アマクニ、私の声に従え。)


「天国、アックス形態だ」


そう言うと私の剣はバトルアックスに変化した。


「後は実戦形式か・・・」


とりあえず女神スクルド様に手合わせしてもらおう・・・


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