表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/208

別れ「傷跡」

渡したプレゼントの説明も終わり渡された人の使い方も様々だった。

アクセサリーはすぐに取り付ける人、なくさないようにすぐにしまう人、取り付けて魔法の効果を確かめようとする人。剣だったらすぐに素振りをしてみる人、じっと観察する人と様々だ。でもみんな大事に使ってくれるだろう。


その後すぐに朝食を食べて、その後お母さまに呼ばれた。


「セレンちゃん、落ち着いたらで良いから後で部屋にきて頂戴。」


「分かりました、お母さま。」


--------


しばらく間を置きテルルお姉さまの送り迎えを見た後でお母さまの部屋に向かった。

お抱えの騎士様もすべて帰ってきている。だから呼ばれた内容は推測出来た。


『トン、トン、トン』

「セレンです。」


「セレンちゃん来た?どうぞ。」


ドアを開け中に入った。


「セレンちゃん、ネックレスありがとう、大切にするわ。本当にこれ、あなたが作ったの?お父さまも言ってたけど、このネックレス一つでも国宝級だと思うわよ。魔法が使えない人間が魔法の道具で守られるから護衛も必要ないんだから。一般的に道具に魔法の寄与なんて普通は出来ないから神様が作った物『神具』と思われているわ。それを大量に作っちゃうんだもの。セレンちゃんは神様かなにかかしら?」


お母さまは笑っていた。


「話しは変わるけど・・・なぜ呼んだか分かる?」


「お抱えの騎士様が全て帰還したので・・・私の留学の話しですね。」


「・・・・・・」

「そうよ。セレンちゃんは何から何までお見通しね。優秀過ぎるのも考えものよ。」


「それは私は悪くないです。お父さまとお母さまの子供ですから仕方ないです。諦めて下さい。それに私は思っている程優秀では無いですから。」


「そうよね、優秀かどうかは別にしてセレンちゃんは悪くないわね。」

「とりあえず、国外の学校は4つ候補があってその国の知り合いにセレンちゃんを預けようかと思っているの。その前に希望を聞きたいと思ったの。」

「セレンちゃん、何か希望はある?」


私は希望を聞かれるとは思ってなかった。おそらくはお母さまの言われた通り知り合いに預けられると思っていた。希望を聞いてくれるならっと思っている事を言ってみた。


「私は、全寮制の学校が良いです。預けられると預けられた先の人に心労をお掛けすると思います。おそらくは預かる先は貴族の方と思いますし、そうなるとその国に係わってしまう事になりかねないと思います。それに、全寮制の方が気が楽・・・っというか・・・。」


「そうよね・・・。お父さまに話してみるわ。・・・。」


--------


「セレンお嬢様、マルコ様の注文のピクニックのセットです。お菓子も特別な物を入れておきましたわ!」


「マリサ姉ちゃんありがとう!」


ピクニックセットを届けに部屋に入って来たマリサ姉ちゃんに、満面の笑みで抱き着いた。だが抱き着いたはずみで頬にいつも付けていたテープが剥がれかけた。城での試合で付けてしまった傷跡が見られた。


「「!?」」


傷つけられた時、すぐに治療すれば良かったんだろうけど、あの時は自分の事なんてどうでもいいと思っていた。傷の治療が遅くなってしまったので傷跡にとして残ってしまった。

私は傷を見られたショックで、マリサ姉ちゃんは傷跡を見てしまったショックで二人で固まってしまった。


「セレンお嬢様はどんな時でも私の大好きなセレンお嬢様ですよ。」


「うん・・・ありがとう。」


マリサ姉ちゃんは私の頭をギュッっと抱きしめた。顔がマリサ姉ちゃんの大きい胸に埋もれてしまった。


「マリサ姉ちゃん、苦しい!!」


そして胸から解放された。


「「あはははは・・・!」」


「面倒くさいからテープは無くて良いよね?剥がすと顔が突っ張らないね~。」


傷跡を見られた事によりいつか誰かに見られるんだからと諦めがつき一度貼り直したテープを取った。

マリサ姉ちゃんは返答に困っているようだった。


「マリサ姉ちゃんはありがとう!何かあったらお願いしていいかなぁ?」


「何なりとお申し付け下さい、セレンお嬢様。」


お礼をもう一度言って、マリサ姉ちゃんは会話をしつつ部屋から出て行った。

私はピクニックセットを空間収納魔法で収納した。これでヴェルダンディ様のご注文の準備は整った。

マリサ姉ちゃんとのやり取りとその様子をスクルド様が見ていた。特訓の時に来ていただけるようにお願いしていた。


「スクルド様、アズラエル様行きましょう。楽しい楽しいピクニック!レッツゴー!!フンフンフン~♪」


鼻歌交じりだった。そしてスクルド様にいつもの場所に連れて行ってもらった。いつもの場所・・・ユグドラシルの樹、泉のある大きな樹の下。そこにはヴェルダンディ様とウルズ様が敷物を敷いて待っていた。

女神様達は皆、神妙な顔をしていた。


「なぁセレン、ピクニックは今日で最後になってしまうのか?国外に出てしまうんだろ?」


スクルド様が深刻そうな顔で話してきた。私の予想してた回答ではなかった。神妙な顔をしていたのは私の顔の傷跡を見たからなんだと思っていたから・・・


「いえ、最後じゃないですよ?国外には出るだろうけど、また戻ってきますしそれよりこの世界と私の居る世界は距離は関係無いんじゃないですか?」


「またやるんだな?ピクニックはするんだな?」


「毎週とかは出来ないですが・・・出来たらやりたいと・・・」


私の言葉を聞いてウルズ様、ヴェルダンディ様、アズラエル様は満面の笑みで『キャーキャー』言っていた。


「約束だぞ!!いいな、約束だからな!!」


「はい・・・ってか神妙な顔は私の顔の傷跡の見たからじゃないんかい!!」


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


「スピーチと女性のスカートは短い方が良いと申しますけども、アズラエル様、ウルズ様、ヴェルダンディ様、スクルド様との絆は未来永劫レンガより硬いという事を、カンパーイ!!!」


「「「「キャーキャー!!!カンパーイ!!!」」」」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ