別れ「プレゼント」
「奥様遅くなりました。」
国外に出していた最後のロシュフォール家のお抱え騎士が帰って来た。
「お疲れ様でした。今日はゆっくり疲れを癒して明日報告を聞かせて下さい。」
「ありがとうございます。では、失礼致します。」
(これで全員帰還したわね・・・セレンの希望を聞かないと・・・)
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「うーん・・・剣にどんなのを寄与しよう・・・12本だしなぁ・・・」
「同じ性能にしてもつまらないなぁ・・・全部性能を別々にするかぁ・・・でも何にしよう・・・12本セット・・・」
私は悩んでいた。ブローチやネックレス等のアクセサリーは終わったので今度はショートソード12本に取り掛かっていたのだが・・・。
「・・・そうだ・・・使う人の熟練度合いによって性能が上がる様にすればいいか・・・」
「属性は・・・火、水、土、木、金、光、闇、風、電気、音、氷、重力かな・・・」
時間がかかりそうだからすぐに出来る所からやっていく・・・
(火、水、土、木、金、音、氷、風、電気は比較的簡単に出来た。光、闇、重力は時間がかかりそうだ。
私自身が思ったニュアンスを入れて作ってみよう・・・そういえばヴェルダンディ様はそういった事に詳しいかも・・・相談してみようかな・・・)
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午前のヴェルダンディ様の座学ももう少しで終わったしまう。10歳になってしまったら終わりだから。
まぁ・・・教える事も一通り教えたらしく最近はヴェルダンディ様と何気ないお話しで終わる事も増えた。
「ヴェルダンディ様、少しお知恵をお借りしたいのですが。」
「セレンちゃんなぁに~?私で~良ければ~いいよ~。」
相変わらずの舌足らずな喋りだった。
「えっと、剣の寄与について考えていたんですけど・・・光、闇、重力なんですが・・・光と闇はこれと言った効果が分からず、重力は寄与の仕方が分からないもので。」
「あぁそれね~寄与する人は~必ず当たる壁なのよ~。ちなみに~光と闇の直接的な攻撃力は~無いのよ~。強い光に当たっても~体に穴は開かないし~真っ暗な所に行っても~怪我しないでしょ~。」
「光と闇は~裏表みたいなもので~単体では扱えないのよ~。だから~寄与した剣を~2つ同時に使わないといけないのよ~。二刀流ってやつね~。ざっくり言うと効果は~闇は吸収と光は放出なのよ~。トリッキーな感じね~。」
「重力は~下に引っ張る力じゃない~?その下に引っ張る力を~違う方向に変えてみては良いんじゃない~?」
「重力に関しては方向性は分かるんですが・・・寄与する為のイメージが出来ないんです。」
「そうよね~重力は~人が操れた事ないものね~おそらく寄与は無理だから〜私がやってあげるよ〜。」
「申し訳ありません。光と闇もお願いします。」
「良いよ〜。ピクニックお願いね〜。」
ヴェルダンディ様の側には小さい妖精のようなものが現われ・・・それらに魔力のような力を感じた。
「ヴェルダンディ様・・・それは精霊ですか?」
「そうよ〜。現在を司る私だから〜現在居るかどうか分かるのよ〜。精霊に来てもらってやってもらった方が楽だしね〜。来てもらうのは女神様特権なのよ〜。」
(女神様ずるい・・・)
ヴェルダンディ様に寄与して・・・精霊に寄与してもらってたらウルズ様が現れて寄与したショートソードを見た。
「セレンさん、そのショートソードの名前はなんという名前です?」
(しまった・・・何も考えてなかった・・・12本ある・・・名前付けるの面倒くさい・・・)
「えぇ〜っと何も考えてなかったです。何か良い名前ありますか?12本もあるんです・・・。」
「・・・」
「名前付けるの大変ね・・・。」
「・・・」
「12本纏めて・・・『魔弾タスラム』っでどうかしら?」
「『魔弾タスラム』・・・良いですね。それ、頂きます。ありがとうございます。」
(名前も決まったし寄与も終わったし、後はショートソードに指示の魔力を通して終わり。やっぱり道具作りは女神様やアズラエル様のお力を借りないと無理だったか・・・)
スクルド様もいつの間にか現れヴェルダンディ様と話ししていた。私が剣を作っていたのに興味があったらしい。
「セレン、どういった剣を作ったんだ?」
「ショートソードに属性寄与した魔法剣を作ってました。」
そういってスクルド様に剣を渡した。それを軽く振って私を見た。
「12本あるんだよな?1日だけ私に預けないか?手入れしておくぞ?」
こうして12本のショートソードをスクルド様に預ける事になった。




