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心の準備「コキュートス」

「セレンお嬢様、注文の品買ってまいりました。」


「キャーーーありがとう!マリサ姉ちゃん大好きーーー!!」


私はメイドのマリサ姉ちゃんの抱き着いた。こんな事を出来るのも無くなるのだろうから。


「セレンお嬢様、おやめください!奥様に見つかったら叱られてしまいます!」


そう言うもののマリサ姉ちゃんは優しく笑っていた。

買ってきた物を受け取ってからストロベリーパフェが食べたいと言ったら


「奥様には内緒ですよ!」


と言ってキッチンに消えて行った。


しばらくして部屋に運んでもらってからアズラエル様に召し上がって頂いた。


「ん~これこれ~~おいしい~~幸せ~~」


食べる所も絵になるアズラエル様に嫉妬の様な感情を覚えた。

(ちっきしょ~~~!)


キッチンに行って自分で紅茶を淹れてアズラエル様とで飲みつつマッタリしていた・・・


「さて・・・それではアズラエル様、申し訳ありませんがよろしくお願いします。」


「なんだっけ?」


「え?」


「え?」


--------


「セレンちゃん、ごめんごめん!すっきり忘れてたわ!」

「いつもより頑張るから許して~。」


「いつもよりってどれ位ですか?」


「当社比でいい?」


「それでお願いします。」


わざと忘れたフリをしたのだろう。普通は『すっきり』なんて言わない。アズラエル様が気を使ってくれたんだろう。こういったやり取りは嫌いじゃないから。


「セレンちゃん、ちょっと離れててね。かなり寒くなるから。」


そう言うとアズラエル様はアクセサリーを握り小さな声で何かを言っていた。部屋の空気が一気に下がり息が白くなった。まだまだ気温は下がるようで前髪が凍っている。濡れタオルを振り回す余裕なんてない。(あっこれヤバいやつやん!)っと思いつつベットの布団の中に入り込んで寒さに耐えたが・・・

ベットも凍っている。寒さで『ガチガチガチガチッ』っと歯がなった所で気温が一気に上がる。

(お、終わった?)そしてダッシュで窓を開け冷たい空気を外に逃がす。外の暖かい空気が入って来て部屋の中の冷たい空気が白いモヤになって地面を滑るように流れて行った。


「セレンちゃん大丈夫?」


「ちょっとこれは自分では無理ですね、アズラエル様。かなり寒いとは言いましたがこれは寒すぎます。」


「そうそう、コキュートスと言う冥界の寒い所から繋いで、冷えた所からさらに冷凍の魔法を掛けたからね。こんな事が出来るのは私位なものね!しかも良い出来よ!あとの事はセレンちゃんお願いね。」


一つ気になる事があったのて聞いてみた。


「はい、頑張ります。アズラエル様、空気中の水分を凍らせても良かったんじゃないかと思いますが・・・」


「ん〜・・・空気中の水分だと空気が乾燥してたら使えなくなるからね。」


「あぁそうですね。空気の状態で使えなくなるのはダメですね。」


そう言いつつアズラエル様から魔力を込めたアクセサリーを受け取った。


「ありが・・・冷た!!むしろ痛い!!」


まだギンギンに冷たくて・・・凍っていて手に張り付く!


「あはははは!!ヒーヒー・・・ウケる・・・お腹痛い・・・」

『バンバンッ!!』


アズラエル様は腹を抱えてテーブルを叩いて笑っていた。


「アズラエル様〜!おててが痛いです。」


涙目のジト目で見た。

作ってもらっているから強く言えない。


「あぁ、ごめんごめん!」


謝りながらアズラエル様から手を治してもらった。


「触れる位になったら後は頑張ってね!」


「はい・・・」


・・・


くず鉄や空き缶を用意し、魔力を纏わせた。魔力を染み込ませるイメージをして金属の力を引き出し、その力をブローチやネックレスなどのアクセサリーに寄与させた。

寄与の為に使った鉄類は原型を保てず砂のようになってしまっている。


「後は・・・魔力で指示を与えないといけないけど・・・なんて指示だそう・・・」


「・・・」


「これでよし!あとはショートソードの加工しなくちゃ!」


--------


国外に使いに出していたお抱えのロシュフォール家のお抱えの騎士様が帰って来ている。


「奥様、ただいま戻りました。」


「お疲れ様でした。今日の所は疲れを癒して、明日報告をお願い致します。」


「ありがとうございます。では、失礼致します。」


もう少しで騎士様が全員帰って来る。





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