心の準備「アクセサリー」
「奥様、アヘル家の奥様からお茶会のお誘いがありますがいかが致しましょう?」
「門は閉めて居てもやはりこういった誘いは入ってしまうものね。アヘル家の奥様には申し訳ありませんがやんわりお断りしといて頂戴。」
「マルコ、セレンちゃんは今なにしているの?」
「セレンお嬢様は家の者の普段身に付けている物を貸してくれと言って持ってそのまま部屋に入られました。ブローチや指輪などで私やマリサ、ほぼ全員です。この屋敷に居ない国外に出しているお抱え騎士のランド達数名はセレン様がご用意されてましたが。」
「それと、街に調査に出していた者が変な噂を耳にしたと・・・」
「変な噂とは一体なに?」
「なんでも・・・国王が騎士を使ってセレンお嬢様を殺したっと。当家とは全く関係のない所から出た噂で関与はしていないのですが・・・ただ・・・お嬢様は死んでしまった事にしていますので少々気がかりかと。」
「関係のない所とはどこなのですか?噂を広めた人は特定されてますの?」
「場所はウエストマール侯爵領内でそこの貴族のご婦人が話していたのを使用人が盗み聞きしていたそうでそこから広まったそうです。噂なので話しが大きくならないと良いのですが・・・」
「それともう一つなんですが・・・ロシュフォール侯爵領内の街の者達が地域ごとに自警団を作ったそうです。当家屋敷周辺を重点的に見回っているようで、昨晩捕り物があったそうです。
今朝方調べた所、アヘル侯爵家領内の貴族の使いだったようです。」
「街の者が自発的にしてくれるのはありがたいですね・・・結成された自警団の数を調べてもらえますか?ありがたいのですがやり過ぎて揉めかねないと・・・なので頑張り過ぎてはいけないと書状を書きたいので。書き終わったらマリサ達にお願いして自警団の責任者の所に書状を送って下さい。」
「それと、噂には注意して下さい。当家には関係なくても当家が絡む噂は後々誤解を生みかねないですから。都合の悪い噂なら打ち消す事もして下さい。」
「かしこまりました。」
--------
「あ!!マリサ姉ちゃん!!外の買い物行きます?」
「あ、セレンお嬢様如何しました?」
「くふふ~ちょっと買い物を頼みたくて~」
「いいですよ。何がほしいのですか?」
わたしは事前に書いたいたリストと金貨をメイドのマリサ姉ちゃんに渡した。
「小さめのショートソードを12本と小さめでシンプルなブローチとネックレスですか・・・分かりましたが・・・何に使うんですか?」
「秘密です事よ!おほほほほほ!!」
なぜか秘密な事は楽しいもので喋り口調がついつい大げさになってしまう。
「おしゃれな感じのをお願いします事よ!」
「はぁ・・・わかりました。」
私は自分の部屋に戻り、アズラエル様に話した。
「アズラエル様、ブローチやネックレスに属性寄与出来ますよね?それ以外の属性以外で寄与って出来るんでしょうか?」
「セレンちゃんどういう事?言っている事がよくわからないわ。」
「例えば、攻撃を受けそうになったら自動的にはじき返す魔法とか。探知探査の魔法で悪意を感じ取れるじゃないですか?それの発展形で危険を弾き飛ばすような魔法なんですが。ただ・・・その弾く理屈が思い浮かばないんです。だからアズラエル様にご協力願いたいなぁっと思いまして。」
「小規模の魔法障壁を自動発動できるアクセサリーを作りたいのね?」
「えっと、アズラエル様もご存知でしょうがおそらくなんですが、ここから出ないといけないようなんです。家族ともしばらく会えなくなって・・・」
明るく振舞っているがやはり寂しい・・・明るくしてれば涙は出ない・・・はず・・・
汗が目に溜まったようだ・・・
「だから何か残していきたいんです!!くふふはははは・・・」
「ふふふふ・・・しょうがないわね。手伝ってあげるわ!感謝しなさい!!」
「セレンちゃん冷却を思い出してね。空気を冷却してから液体空気を作り出し、さらに冷却し凍結させ個体空気を作る。それを薄く周りに展開させてから金の属性寄与で硬度を付ける。その発動のプロセスをアクセサリー寄与。発動後は一瞬で溶けるようにすればいいわね。一連の動作をアクセサリーに魔力で指示を出せば完璧だわよ。魔力に関しては神界から直接引いてくれば無尽蔵だからオッケーね。」
「さすがアズラエル様・・・空気は思い浮かべなかったです。」
「ただ・・・製作で超低温にしないといけないのとその魔力に関しては私がやってあげるわ。あなたは属性寄与とアクセサリーに対しての指示をして頂戴。それとストロベリーパフェも。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
アズラエル様はやっぱりすごい女神様でした。
「それより最近アズラエル様の服装・・・露出多くないですか?ウブな男の子なら赤面しますよ?」
「ほら、私はプロポーションが良いからこういう格好しないと釣り合いが取れないのよ。セレンちゃんもそう思うでしょ?」
「ソウデスネ。」




