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入学試験「騎士」

『コン、コン、コン』


「セレン入るぞ。」

「セレン・・・明日は国内の騎士との試合は本当に大丈夫なのか?今ならまだ止める事も出来る、誰もお前を責める事もしないだろう。お父上と私が留学の件も国王陛下、他の諸侯にお願いして・・・」


「クルタ兄さま、そんな事をすればお兄さまの将来に係わってきます。次の当主様は身内に甘いっと。表立って言われなくても裏で言われます。ロシュフォール家は武門なのですし清廉潔白に物事を決めなければ・・・この方法が一番角が立たないのです。ヘリオドール国王陛下もそれを勘案して試合と言う方法にしたに違いありません。」

「お兄さまにそこまで心配して頂ける私はとても幸せ者なのでしょう。明日はクルタ兄さまのお陰で頑張れると思います。」


私はクルタ兄さまの言葉を途中で遮って言った。

クルタ兄さまは苦い顔をしていたが・・・一言言って出て行った。


「怪我だけはするな。終わった後は兄ちゃんに任せろ。」


(クルタ兄さま、申し訳ありません。ありがとうございます。)


--------


「セレン、防具はお前用の特注サイズを用意している。剣は細見の軽いのを使うといい。」


「セレンちゃん、怪我だけは注意して!」


お父さまは私の身体にしっかりと防具を付けとお母さまは私を心配している。

他のお兄さまやお姉さまは何も言わないが・・・不安そうな目で私を見ている。

私のわがままで始まった事で家族を巻き込みたくなかった・・・ごめんなさい。


城の広い中庭に試合をする舞台が用意していた。30メートル四方の四角い舞台。その周りを沢山の貴族、騎士が囲んでいる。建物内の窓からはお母さまラウラ姉さま、他の名家の貴族の女性が沢山見ていた。不安そうなテルル姉さまとその友達で学校の時の同級生、五大侯爵家オルヴァル家の令嬢レイン フォン オルヴァル様が私を見ていた。舞台の一角では国王陛下とモルガナイト皇太子、五大侯爵家の当主様、教皇様が話している。おそらくはほとんどの貴族家の当主、関係者が見ているのだろう。

今回の催しは私の力試しと言う事に表向きはなっている。ただ・・・本当の理由は皆が知っているようだ。人の考え方は様々だから非難されてもおかしくはない。同情されてもおかしくない。それでも私は普通に生きたいだけ。


始まる前に舞台の中央にモルガナイト皇太子が上がり簡潔に進行した。


「ロシュフォール侯爵家のセレン嬢の類まれな才能を見定めるべく本人と国を守る騎士に協力願い試合を開いた。国の代表といえる騎士、教会騎士、聖騎士を集めて見た。100人だが・・・セレン嬢大丈夫か?」


「・・・はい。」


私が承知の返事をすると観客として見ている騎士、見習い騎士、貴族家の者、その他大勢からどよめきの声が上がった。『いくらなんでも無茶だ。』『本当にするのか!?』『才能があっても・・・』など・・・

モルガナイト皇太子は話しを続けた。


『ルールはどちらかが降参か舞台から落下か戦闘不能になった時。セレン嬢が負けた場合はそれで終了だ。そして、魔法は無し。それで良いな?』


「・・・はい。」


「それでは始めるとしよう。」


始めの号令がかかる時にヘリオドール国王の横に居るお父さまを見た。目が合った時お父さまは私の所に歩み寄り口を開いた。


「セレン、アドバイスは必要ないだろうが・・・戦う時は手を抜くな。失礼になるからな。」


「はい、お父さま。」


そしてお父さまが元の場所に戻る時に音の魔法で自分の声を大きくし静かに落ちついた声で話した。


「騎士様、私を殺すつもりで試合して下さい。」


舞台を見ている全ての人が大きくどよめいた・・・その後、一人の騎士様が舞台に上がった。

その騎士様は以前からお菓子をくれたり話し相手になってくれたりした優しい騎士様。

城にいる騎士様をメインで相手にするので、そのほとんどが顔見知りで優しい騎士様達。


「嬢ちゃん悪いね。本当はやりたくないんだが命令だからさ。」


そう言うと笑顔が一瞬で真顔になった。雰囲気が一瞬で変わった。


「いえ・・・よろしくお願いします。」


モルガナイト皇太子は舞台の外から掛け声をかけた


「始め!」


始めの掛け声と共に騎士様は一瞬で間合いを詰める。


「せい!!!」


私の左肩からの斜めに斬りつける袈裟斬りだった。バックステップで躱したら追いかけるようにさらに踏み込む。そして右からの薙ぎ斬りを放った。


「は!!!」


「キャーーーー!!」


建物内から見ていた女性達が悲鳴をあげている。幼い少女が騎士と戦う事自体おかしい事であり一瞬で私が倒される絵が見えていたんだろう。

騎士様の一連の動作は見えていた。女神スクルド様の特訓によって反射神経は騎士様の攻撃を凌駕していた。剣で斬り合う事も無く、右から来る剣を私は左前に踏み込み騎士様の左脇を通る事で躱し騎士様の背後を取った。騎士様は見失ったらしく左右に首を振って私を探していた。背中側の鎧を軽く『カン!!』と叩いたら騎士様は驚いたようで振り返り・・・


「参った。」


と言い舞台を降りて行った。


「おおおお・・・」


舞台の周りからは驚きと共にため息が出ていた。建物内からは安堵の声も聞こえる。


ようやく戦いの話マシマシです。

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