賢者への道「次女登場!」
『ガッ、カン、カン、カツン!ドン!』
いつもの場所、何もない白い空間でスクルド様と日課の特訓をしていた。自分の技術が上がっている実感が感じられるのは嬉しいものです・・・
「剣筋が鋭くなったな。おそらくはこの世界で対等に打ち合える者はそういないだろう。」
「正直、4年とは言ったが3年でこんなに早く上達するとは思わなかった。残り1年だが自分で考えて研鑽を積んでも良いだろう。この場所はいつでも使っても良いし、いつでも相手になるぞ。」
「はい、ありがとうございます!」
(よっしゃ!スクルド様に認めてもらえた!)
「セレン、ちょっと紹介したい者がいる。ちょっと待っててくれ。」
スクルド様はそう言うと居なくなってすぐに戻って来た、二人で。ここに来れる者は人ではないから二柱か。
「セレン、この者は私の姉だ。」
「・・・・ヴェルダンディ様です?」
「セレンちゃんよろしくねぇ~~。前から見ててちょっと興味が湧いたから~~お友達になりたいと思ったの~~。」
スクルド様を見たら目線を逸らせた。
(まじか・・・なんか話し方が舌足らずで・・・おめめがキラキラで姿がロリータ入ってる・・・)
頭の中で色々なワードを思い浮かべた。
(ツンデレ?ヤンデレ?クーデレ?ダルデレ?地雷ちゃん?メンヘラちゃん?・・・)
「・・・よろしくお願いいたします。」
(あらやだ怖いわ!今まで居ないタイプだわ!)
スクルド様は恥ずかしい感じで姉の事を話し始めた。
「ヴェルダンディ姉さまは『現在』を司る女神でこの世界の今現在の事だったら全て把握しているので、聞きたいことがあったら聞いて見るといい。」
「そうよ~~何かあったら~聞いてね~~そういえばぁ、この世界の種族とか分かるぅ~?エルフ族とか~魔族とか~この世の仕組みとか~ルールとか~知識は必要よ~人間族に伝わっている知識は~間違っている所があるから~~信じちゃだめよ~~。」
「!?」
「それって学校で教えている事が違う事があるって事ですか?」
「だから~私が教えてあげるわよ~~。ここで1年あれば~大体教えられるから~明日から授業開始よ~~。」
「よろしくお願いします。」
アズラエル様の魔法の座学とはまた違う知識を得られるのだから教わらない選択肢はない。っというか拒否してしこりを残すのも本意では無い。舌足らずでも国の信仰している女神様だし。
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・
午後の守護霊アズラエル様の座学でちょっと女神ヴェルダンディ様の事を聞いてみた。
「アズラエル様、今日ヴェルダンディ様に会いました。あの方どのような女神様なのでしょうか?」
「あら、良かったじゃない。あの子あんまり人間に関わらないタイプなのにね。何言われたの?」
「私に興味が湧いたとか、お友達になりたいとか・・・それと、人間族に伝わっている知識が間違っているものもあるとか。っで、ヴェルダンディ様から授業を受けることになりました。」
「本当に気に入られたのね。多分、セレンちゃんがお姉さんやお兄さん、家族を大事にしているのが良かったのね。セレンちゃんお兄さん二人いるけど三姉妹で、ヴェルダンディちゃんも三姉妹だからかもね。セレンちゃん大賢者になれるわよ!」
「賢者って言うと魔法を使うってイメージだけど違うのよ。魔法は魔法使い、魔導士の領分なの。魔法における造詣で魔法使いに敵う訳無いのよ、常に魔法のみを考えているから。それに対して賢者は伝承や学問、農業などを全般扱うわ。分かり易く言うと魔法使いは生きた魔導書で、賢者は生きた百科事典ね。」
「それと、ヴェルダンディちゃんを怒らせないようにしてね。あの三姉妹の中で一番直接的な影響力があるの、あの子だから。ウルドちゃん、スクルドちゃんもあるけど間接的な影響で後から効いてくる感じ。まぁ、どちらにせよ私を含め、神様、女神様の怒りは買わないに越した事ないわね。南の地で誰も住めない火山帯があるんだけど元々は魔族の住んでる土地だったの。その時代の魔族の王様がヴェルダンディちゃんを怒らせたから地形を変えて火山帯にして住めなくさせたって言われているわ。おそらく本当なんだと思う、ウルドちゃんが言ってたから。まぁ・・・セレンちゃんは怒らせる事無いと思うわ。」
「わかりました・・・」
(怒らせないよう気を付けよう・・・)
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・
「東の森林地帯は獣人族がいて獣と人の特徴を有していますぅ~。力が強かったり嗅覚が強かったり足が速かったりしますよぉ~。そして獣人族の中で犬系、猫系、牛系、鳥系などいろいろな部族に分かれていますぅ~。必要な時にお互いに協力して行動しますが、基本は部族同士で交流はないです~。そして魔力は使えるものもいますが苦手で、その分身体能力で補ってるんですよぉ~。」
「南の火山地帯のその向こうには魔族がいますぅ~。魔族は基本的の人間族と姿は変わりませんが少しだけ特徴があるとすれば目の瞳が違ったり、角があったりしますぅ~。体力、魔力など人間族より強く長命なのですが、その分出生率が悪く流行り病などで滅亡しやすい種族ですね~。そうならないように注意をはらっていますよ~。」「ちなみに昔、魔族の王様がオイタしたので少し懲らしめました。ウフフッ。」
「・・・・」
(怖えぇ・・・本当だったんだ・・・)




