愛する家族「テルル姉さまの友達」
守護霊アズラエル様の座学と魔法の訓練を終えてから学校に向かう。
校門前の守衛さんに挨拶をしつつマッタリしていたら、学校から講師らしき人が来て中に誘導してもらえた。
講師らしき人にお礼を言うとワイバーンを見せてほしいという。まぁ・・・そうですよね。自分の見立てでワイバーンは気性は穏やかと思ってはいたが、それは私だけであって本当は気性は最悪らしい。危険だからこそ近寄れないし生態も謎なところが多い魔獣なのだ。その魔獣の上で寝てあくびしながらマッタリしている私をこの講師らしき人がどのように見ているのだろう。気にしだすとへこむので気にしないでおこう。
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『カランカランカラン・・・・』
鐘が鳴り学校が終わったようだ。
一斉に生徒が建物から出てきた。シガラキの上で寝そべっていたが降りてお兄さまとお姉さま達を待った。講師らしき人は最初は遠目で見ていたが、ワイバーンに警戒心が無いと分かるとだんだん近寄って来てしまいには触っていた。興奮しているようで、好奇心には勝てなかったようだ。(猫ですかあなたは!)
最初に来たのはテルル姉さま。
今日もテルル姉さまの後ろにはイケメン、イケジョの面々が・・・
(昨日より増えてない?)
いつもの如くスカートの端と端を摘み、足を少し曲げて
「お帰りなさいませ、テルル姉さま。お迎えに上がりました。」
とテンプレ通りのご挨拶。そして、抱きついてからお姉さまの周りをピョンピョンと飛び跳ね・・・
「テルル姉さまあのね!今日ね、噴水のお水一瞬で凍らせて氷のツリー作ったんだよ!みんなびっくりしてた!!」
私は満面の笑みで話す。お姉さまは返してくる。
「セレンダメよ、オイタしちゃ。怖がる人もいるかもしれませんから。」
「はーい!」
演技もここまでくると楽しいものです。
イケメン、イケジョの方々はかなり引いてたみたい。講師らしき人も顔を青くしてたようだ。
「まじか・・・」
「あの子がロシュフォール家の化け物らしいぞ。」
「あんなにかわいいのにワイバーン使いなんだろ?ありえねえよ・・・」
などと言われているが聞かなかった事にしている。
テルル姉さまは講師らしき人を見つけ話しかけていて
「あら?クイン先生いかが致しました?」
「いやぁ、生きているワイバーンを近くで見られるのはなかなか無いのでな。」
テルル姉さまがお話ししているとハスト兄さまとラウラ姉さまが建物内から現れこちらに向かってきた。
やはりお友達を連れていた。やはり増えている。
「お帰りなさいませー!!ハスト兄さま、ラウラ姉さまーー!!」
走っていって手を繋いでブンブン振ってみた。まぁ・・・これも演技なのだが。昨日の一件があったからフシミとシガラキには近寄らないしもみくちゃにもされない、節度を守って良い事だ。
テルル姉さまがと講師の方の話しが終わらないようなので笑顔を振りまいていたが近寄っては来ない。この方が面倒くさくなくて良い。その中でテルル姉さまのクラスメイト?の女性が話しかけてきた。
「セレンちゃん・・・活躍聞いてるよ・・・稲妻だしたりできるんだよね。他にはどんな事ができるのかな?」
引きつった笑顔で聞いて来た。そういう笑顔を見ると悲しくなるが仕方が無いと割り切っている。私の存在でロシュフォール家の者に危害が及ぶかもしれないなら、危害を加えたなら滅ぼすぞ!っと思ってもらわないといけない。だからこそ、化け物上等なのだ、悲しいけど。
「お姉ちゃんだぁれ?テルル姉さまとお友達なの?」
笑顔ではあるけど目は笑ってない顔で尋ねてみた。
「ひっ!!わ・・・私はレインよ。レイン フォン オルヴァルよ。テ・・・テルルさんとは仲良しよ!」
オルヴァル家・・・5大侯爵家でロシュフォール家と同じ武門の名家、良きライバル関係であるからテルル姉さまとは敵対はないはず・・・
「そっかー!テルル姉さまと仲良しのお友達なんだー!」
「えっとねー属性寄与とかー魔法探知とかーあとねー結界も張れて悪い事しようとしてる人も分かるんだよ!凄いでしょ!!」
「!?」
「そ・・・そうね・・・凄いわね・・・」
「あとねー・・・」
レイン様と話ししてたらテルル姉さまが話しが終わったようで呼ばれた。
「セレン、帰るわよ。あら、レインさんとお話ししてたの?」
「これで失礼致しますわ。皆様ごきげんよう。セレン行きますわよ。」
「はーい!!」
「それでは皆様失礼致しますー!」
スカートの端と端を摘み、少し足を曲げ挨拶をしてからフシミに乗った後ろにはテルル姉さま。
フシミはゆっくり飛ぶ。眼下には青い顔をしてうずくまっているレイン様とその介抱をしている方々、可哀そうな事をしたけれど仕方がない。そして、学校から離れた所で聞いてみる。
「テルル姉さま、レイン様とはどのような方ですか?オルヴァル侯爵家の方のようでしたが。話しかけられたもので少しお話ししたのですが、お姉さまと仲良しと言ってました。少しだけ威圧したら気分を悪くしたようで・・・」
「レインさんはオルヴァル侯爵家の二女で私とは仲良くさせてもらっているわ。明日、私から謝っておきますから程ほどにしておきなさいよ。それとクイン先生がワイバーン達を研究してみたいと言っていたのでちょっと手を貸してあげてね。」
「そういえば、自分から動かなくても良さそうよ。眺めているだけって楽ね・・・」
テルル姉さまは遠くを見ている。何を思っているは分からないがそれを聞かなかった。言いたければ言うだろうし無理に聞いても自分ではどうすることも出来ないし。




