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愛する家族「気が重いぜ・・・」

夜、ディナーの前にお父さまがお話しをした。


お父さま、お母さま、お兄さま達、お姉さま達がおのおのがニヤニヤしていた、思う所があるのだろう。私絡みだろうけど皆が幸せなのは良い事だ。


「今日、城では一つの話題があがっていた。なぁセレン、昨日ワイバーンに襲われている白髪混じりの老人を助けたか?」


お父さまからの急な問い掛けにポカンとしてしまった。

覚えてない。何が何だかスッキリサッパリだ。


「申し訳ありません、覚えてないです。」


私は正直な答えた。


「ふむ・・・まぁ、護衛無しのお忍びで来ていたし印象に残らなくても仕方がないか・・・」


お父さまが話している横でクルタお兄さまが横向いたり髪を触ったりと落ち着きが無い、しかもニヤニヤ全開であった。


「助けられたそのご老人が私の所に来て『ありがとう』とセレンに伝えてくれと、っでお礼をしたいから家に来てくれないかっと言われてな。それでセレンに行ってほしいんだが。」


行くのは良いのだか釈然としない。侯爵家の者に取りに来させるという事は同等の爵位かそれ以上。


「お父さま、その方のお名前を教えて頂きたく存じます。どちらかの侯爵家の方ですか?」


「名前か。まず、五大侯爵家では無い。名前はヘリオドール フォン シメイ。」


「「「「!?」」」」


「ヘリオドール国王陛下だ。」


(まじか・・・)

執事のじいちゃんとお母さまはご存知だったようだ、ニヤニヤしている。

クルタお兄さま以外の私を含め、お姉さま達とハスト兄さまとメイドのお姉ちゃん達は国王陛下が礼をしたいと言っている事を知らなかったようで驚いていた。


「昨日、国王の代理で来たお方はモルガナイト皇太子殿下だ。テルルとハストは知っていたよな。」


「「はい。」」


「その、皇太子殿下の仕事ぶりをお忍びで見に来ていた。こんな事態になったもので隠し通せる事が出来なくなったが『国王陛下は思わぬ拾い物』とお喜びだ。」

「結果としてセレンは期せずして国王陛下の命を寸での所で救った。もし命を落としていたら国の問題、それも他国を巻き込んだ問題に発展していたかもしれない。今現在、ワイバーンをけしかけた連中を捜索している。」

「今回の事件はパーティーの規模は小さいながらも王族、五大侯爵、伯爵家、その他名家の主要人物が集まっていた。それが皆殺しとなっていたら国がどうなるかはわかるよな?」


「はい、お父さま」


「セレン、お前は国王陛下を救ったのみならずこの王国自体を救ったという訳だ。」

「昨日の今日で話が早いが国王陛下が礼をしたいと言っていたので・・・もしかしたら爵位の拝領かもしれん。心しておくように。」


(嬉しくない・・・辞退したい・・・あれはしょうがなかったんだよ~・・・だって8歳だよ、私。)

「・・・お父さま・・・爵位の拝領であれば辞退したいのですが・・・私の年齢8歳です。荷が重すぎます。それに・・・受け取ったらロシュフォール家に対して多くの敵を作る気がします。」

「昨日の事が『爵位欲しさのロシュフォール家の自作自演』などという根も葉も無い噂を流されれば取り返しがつかない気が致します。」


お父さまは少し考えた後・・・


「本当にセレンは大人びているな。セレンは何者なんだ?とは聞かないが・・・実は自作自演や噂の流布などを考えていた。そうならないように釈明と根回しはしているが。国王陛下はそういった事を考えて早く礼をしたいのだろう。」

「事件の後、この1日で五大侯爵家の力関係が大きく変わっている。学校でもそう感じただろう?」


テルル姉さまは頷きながら・・・

「そうですね・・・普段、話しなどしない多数の方が話しかけて来ましたわ。学校は上下関係を作らないように生徒の家の爵位を持ち込まないルールですが、水面下で出来ている家の爵位によるいくつかの派閥が微妙な空気になっていましたわね。私が水面下で派閥を作っているかは置いといて、おそらくは数日で他の派閥は霧散するでしょうね。」

「根も葉もない噂・・・心に留めておきますわ。」


テルル姉さまはニヤッとしている・・・

(怖えぇよ!置いとかなくても水面下で派閥作っているって言ってるじゃん!)


「国王家で何も発表がないから自分から動く事はないが、すぐになんらかの形で知らせがあるだろうからその時に対処しよう。セレンはその前に国王殿下に謁見しておきなさい。手配は私の方でしておくから。」


お父さまはそれで言葉を締めた。

(はぁ~気が重いぜ・・・)


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