転生「珍獣じゃないもん!」
つらつらと書いてますが悩みますね。楽しいですがw
謎の市役所の様な建物に近づき中に入る人達を観察しているうち、その異様さを感じた。
皆、同じ速さで歩きあまりにも静か。目は虚ろで・・・さながらゾンビ映画に出てきそうだ。
そして、人の中にライオンやカエル、蝶などの虫。多種多様で・・・でも、誰かが襲われるでも無し。
「むむぅ・・・百鬼夜行か、これ?でも明らかに百鬼以上いるみたい・・・。」
最もおかしいのは常に入っているが出てくる人がいない、誰一人も一匹も。
周りを見渡しても何もなく、あるのは謎の市役所の様な建物。
暫く目の前の百鬼夜行の行列を眺めていたが・・・
「・・・」
「行ってみるかな・・・」
意を決して流れに混ざる。選択肢はそれしかないようだし、考えてどうなる訳でもないようだ。
誰かに聞いても返答は期待できないようだし、建物に中で聞けばよいだろうし・・・。
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中は意外に綺麗で意外に静か。普通に市役所の作りみたいだ。カウンターの後ろでは公務員の様な・・・背広にワイシャツの男性、セットアップジャケットにスカートの女性が働いている。
外から来た百鬼夜行の流れは細分化され各部屋に迷うこと無く吸い込まれる様に消えていく。
迷うのは自分だけのようだ。各部屋を覗き見るが暗くて判らない。ここで適当に入るのもちょっと・・・
こういう時はインフォメーション・・・総合案内所で聞くことにした方が良い。
総合案内所はなぜか閑散としている。誰一人聞きに来てない。
「迷ってるのは自分だけ?マジで?ないわー」
釈然としない感じがしたが総合案内所に座っていたお姉さんに話しかける。
お姉さんは白銀の髪で人形の様、とても綺麗でこの世の者じゃないようで・・・
虚空を見つめている様で少し怖い・・・畏怖の感情も覚える・・・
でも、いつまでもお姉さんを見つめている訳にはいかない。
とりあえず、どこに行けば良いか聞かないと始まらない。
少し怖いけど聞いてみる。だって私はやればできる子だから!
「あの~すいませ~ん」
「・・・」
へんじがない。ただのしかばねのようだ。
(いやいやいやいや、これはないわー。お姉さん仕事しろ!)
もう一度言ってみる。しかも強めに。
「あのーすいませーん!」
お姉さんの目線の先で手を振ってみる。
静かな館内に声が響き渡る。
「!!」
「すいません!いらっしゃいませ!総合案内所です、御用件を承ります!」
(お姉さん天然ですか、そうですか。いや、私も天然って言われるからその気持ち分からなくもないけど・・・)
そしてなぜかカウンター内の公務員の人達が一斉に私を見た、物珍しそうに。
(え?なに?私、珍獣じゃないよ!そういえば女芸人が『珍獣ハンター』してたなぁ。私も狩られるのか!?)
(しかし・・・この纏わりつく様な視線って不快だ。世の中にはこれが良いって人もいるがあれって変態なのか?)
などと、どうでもよい思いを巡らしつつお姉さんに尋ねた。
「私はどこに行けばいいですか?」
(あーバカ!私のバカ!こんな風に聞いたら答えようがないじゃんよ!)
自分のバカさにブルーになりつつ聞く事を考えていたら・・・
「3階右奥、つきあたりの部屋にお進み下さい。アズラエル様にご相談されてみては如何でしょう?」
「えっ?」
「何か?」
「いえ・・・」
(この人すげー!!エスパーですか!!だがしかし、こういった類はハンドパワーのミスターマ〇ックしか認めん!!でも、まぁ私の夢の中の話だし。都合はいいよね!)
とりあえず、お礼を言い総合案内所からその部屋に向かう。
あいかわらず目線が気になる。痛いくらい。総合案内所のお姉さんも見ている
(そんなに見ないで・・・珍獣じゃないから・・・)
あいかわらず入口からは沢山の人が流れ込んでくる。それを横目で見つつ案内された『3階右奥、つきあたりの部屋』に歩く。3階に上がると廊下には誰もいない。本当に静か。
部屋は幾つもあるようで表札には『ミカエル』『ガブリエル』『アリエル』等々貼ってある。
右奥つきあたりに着き部屋の表札は『アズラエル』、ドアノブに手をかけようとした時なぜか悪寒が走った。
(案内はここだし・・・どうしよう・・・勇気を出してドアをノックしてみるか。怖いけど・・・だって私はやればできる子!)
『コン、コン、コン』
(ノックは3回大人のマナー、トイレは2回これ常識)
『どうぞ。』
(やばいよやばいよ!)
でも、ここまで来ちゃった後には引けない。行くしかない!
(助けて!笑いの神様!)
『失礼します。』
ドアノブに手をかけガチャリと開けた。
何かご指摘あったら教えて下さいまし。