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もう一つのお話し「ニーチェ」

バランタインとリースにお願いして来てもらう。おそらくは人手が欲しい事になるだろうから。やはり自分でも同時刻に別の場所で同時進行っと言うのは不可能だから。俺が謁見に行っている間に診療所の事をお願いしようかと思う。空間収納が使えるのが俺だけじゃないと言うのは大きい。


「イっちゃん今度はどれくらいで戻って来れるんだい?」


朝食を食べている時にクロミエさんが問いかけて来た。


「今回はそんなに遅くはならないはずです。ただ、どうなるか分からないですけど・・・で、今回はバランタインとリースの二人を連れて行く予定なんです。シャンティさん、フェッテさん留守番お願いします。」


「まぁ、イっちゃんが遅くならないって言うならそうなんだろうけど。夜遅くに帰って来るのは勘弁してくれよ。」


「あははは・・・気を付けます。」


クロミエさんは笑いながら釘を刺す。空笑いをしつつそれに答えた。まぁ前科があるから・・・とりあえずは心に留めておこう。

いつもの様に朝食を食べてから部屋に戻る前にシャンティさんとフェッテさんに声を掛ける。


「少しだけ話ししたいから俺の部屋に来てくれ。時間はかからないから。」


そう言うと食べ終わった食器を洗う手を止め・・・・


「ちょっとイツキさんに呼ばれたんで部屋に行ってきます~。」


「ああ、行っといで。」


シャンティさんはクロミエさんに言ってから俺と一緒に廊下を歩き部屋に入った。中には先にリーガルが戻っていて俺とシャンティさん、フェッテさんが入って来たのをチラッと見た。だが気にする事無く自分の荷物を纏めたりと帰る準備をしている。

俺もリーガルを気にする事無く一緒に部屋に来たシャンティさんとフェッテさんに話しをする。


「俺の居ない間、先生の訓練を行けておいて欲しいんだ、そういう段取りになっているだろうけど。時間的な問題は先生と詰めて話せば解消出来るから。先生はそういった事が出来る人だし。」


「・・・イツキさん、イツキさんが先生と言っている人はどういう人ですか?あの場所って何なんですか?」


フェッテさんが聞いてくる。シャンティさんも同じ事を考えていたようで俺の顔をジッと見つめている。思う事はあるが俺は二人に話す。


(まぁ、普通はそう思うよな・・・本来なら有り得ない事を体験しているんだしね・・・)

「ファウスト先生は本当は神の秘書をしている。そして俺ら人間とは違い直接神に作られた存在なんだ。っで、あの場所は神様の居る場所で最初に俺が訓練を受けた場所。なかなか理解に苦しむと思うけど正直に話した。」


そう言うと神妙な面持ちでシャンティさんが口を開く。


「私達姉妹がそんな所に行って大丈夫なのでしょうか?」


「大丈夫、俺の家族のシャンティさんとフェッテさんだからこそ、そんな所に連れて行ったんだよ。」


「「・・・・・・。」」


二人は目線を落とし少し考えた後・・・フェッテさんが目線を上げて言う。そして少し後に続いてシャンティさんも視線を上げた。


「イツキさん、家族の為にも精一杯頑張ります!」


「私ら姉妹、命に代えても習得しますわ。」


「うん、よろしく頼むよ。」


そう言いながら顔は笑顔だ。そして俺は話しを続ける。


「とりあえず話は以上なんだけど・・・今日なんだけど出掛けてくるよ。朝食の時に話したんだけど正直、暫く帰れないと思う。早く帰れるようにはしたいんだけど何時になるかは分からないんだ。それまでの間よろしく頼む。連絡は先生に言えば伝わるから。」


「えぇ、分かりました~。でも・・・神様って居るんですね、びっくりしちゃいましたよ~。」


俺のお願いにシャンティさんがいつもの口調で答える。そしてフェッテさんが・・・


「もう少し人間をお導き下さっても良いと思うんですけど・・・それじゃあ仕事に戻りますね。」


「神様にも事情があるし人間にはほとんど干渉しないんだよ。まぁ、自分の事は自分で何とかしろって事だよね。仕事頑張ってね。」


フェッテさん言い分にフォローを入れつつ部屋から出て行くのを見送った。その様子を見ていたリーガルが口を開く。


「お前ってなんだかんだ言って面倒見良いよな。化け物みたいに強いくせに。」


「・・・・・どうなんだろうな。いくら化け物でも人の心は失って無いつもりだよ。」


「あぁ、悪かった。化け物ってのは失言だ、すまんな。」


「ただな、リーガル・・・俺は考えようによっては化け物を作り出しているんだよ。お前を含め先生の指導を受けさせるという事は、能力的に一般の・・・普通の人間じゃなくなるって事なんだ。それって人型の化け物を作っていると思わない?だからと言って今更お前に止めろとは言わない。」


「・・・・・。」


リーガルは俺の言葉を黙って聞いている。そして話しを続け・・・


「ここだけの話し、お前とは生涯の付き合いになると思う。互いに道を踏み外したら命のやり取りもあるんだ。格言と言うか・・・覚えておいて欲しい言葉がある。俺が以前本で読んだ言葉なんだけど・・・『怪物と戦う者は、その過程で自分自身が怪物になることのないよう気をつけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もこちらを覗いているのだ。』」


「どういった意味なんだよ?」


「簡単に言うと、今リーガルは強い魔法の知識を得やすい環境に居る。そしてそれらを使いたい誘惑を受け易い。だからその誘惑に抗する強い精神力、悪を憎む正義感が必要だって事。『ニーチェ』って昔の人の言葉だよ。」


「・・・・・。」


「なんか、思っている事を喋り過ぎたな・・・ただ、俺が常に何を思っているか、悩んでいるのかその一端でも理解して貰えると助かるよ。」


「わかった。」




年末年始のデスマーチ終了!ふざけんな!なんで毎日朝帰りなんだよ!サービス業最悪だ!

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