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愛する家族「ヒーーーハーーー!!!」

空を飛んで帰宅だから早いものです。

学校組のお姉さま達とお兄さまを下ろしたらお父さまとクルタお兄さまをお迎え向かう。


「お迎えに行ってまいります。」


「いってらっしゃい、ワイバーンに近寄るバカは居ないと思うけど気を付けてね、セレン。」


「はい、テルル姉さま!!」


そうして向かいに行く城の前まで行くと騎士の一人が手招きしてくれた。そして一角を指し示し(ここに降りるように)みたいな感じで合図してくれた。誘導ありがたいものです。


しばらくボケーっとして待っていると、お誕生日会の時にいた青年が声を掛けてきた。


「ワイバーンを乗りこなしているんですか?」

「あの時は命を助けて頂きありがとうございます。」


青年の顔はよく覚えていた。一番最初に挨拶した方で国王の代理で来た王室の方で間違いない。

スカートの端と端を摘み足を少し曲げて挨拶をした。


「こんにちは、モルガナイト様。」

「ワイバーンは幸いにも私に懐いてくれたので当家で飼う事になりまして、父、オスミウムより任されました。今日は父と兄のお迎えにあがりました。」


昨日の今日で、一番最初の挨拶だったので覚えていたが二番目は全然記憶にない。

モルガナイト様は驚いた顔をして・・・


「昨日一度しか会ってなかったのに代理の私の名前を憶えてくれたのですか?8歳なのに聡明ですね。オスミウム卿は幸せですね。もうすでに王国内の英雄を手に入れているんですから。」


嫌味なく言う。王族とはこう言ったものなのだろう、悪い意味で擦れてない。後ろに控えている護衛の騎士も昨日来ていた、専属なのだろう。

昨日の今日なので相手の対応が8歳児の対応じゃないのが逆に辛い。困ったら分からないで済ませる事が出来ない。


(面倒くさい~~助けて、笑いの神様!)

(アズラエル様、笑いの神様ってこれ冗談であってアズラエル様の事じゃ無いですから!)

(わかっているわよ。)


「そんなお間違いを・・・私にはそのような力など御座いません。」

「騎士様、昨日はご参加頂きありがとうございます。」


力技で話しを変えてみた。

若い騎士なのだろうが、老け顔のいわゆる『三枚目』というやつだ。まぁ・・・主よりイケメンだと都合が悪いだろうし。でも、自分の好みは『二枚目』より『三枚目』。これは好みの問題で仕方が無い。


「昨日とはお召し物が違いますね、昨日の立つ姿も素敵でしたがこちらの方が素敵です。」


黙ってはいたが顔が笑顔だった。『三枚目』のあのニカッっとした良い笑顔が私の心を鷲掴みにするぜ。

そんな話をしていると父とクルタお兄さまが来た。

(お父様、お兄さまナイス!!)


スカートの端と端を摘み軽く足を曲げ挨拶をする。


「お父さま、お兄さま、お迎えに上がりました。」


っと言った私をお父さまは右手で制してモルガナイト様に跪いた。

お兄さまも一緒にお父さまの後ろで跪いている。


「申し訳ありません。皇太子殿下、娘セレンが何かご無礼をしていないかと思いまして・・・」


(えええええ・・・・この人王室の関係者だと知っていたけどバリバリ皇太子なの!?まじか・・・)

お父さまが私の方を向いて・・・


「セレン、この方がこの王国の継承権第一位のモルガナイト皇太子殿下だ。」


(やばい・・・)

すぐにお兄さまの後ろに跪いた。そして謝る。


「申し訳ありません、皇太子殿下!」


「顔を上げて下さい。年端のいかない女の子にそこまで求めていませんし、昨日初めて会ったのですから、しかもお忍びですし分からないのは無理もないですよ。」

「それに、昨日私は命を落としていたかもしれないのに、セレン嬢に助けて頂いた。感謝こそすれ恨むなどあるはずもない。」

「それよりオスミウム卿、ロシュフォール家は羨ましい程に全てが完璧だな。」

「分からなかった事を差し引いてもセレン嬢の対応は見事だった。一度しか会ってない私の名前を憶えていた。そこまで出来る子供はなかなかいない。ロシュフォール家は淑女教育が必要ないのかもしれないな。」


「皇太子殿下のお褒めに与り光栄です。」


お父さまが返答した後皇太子殿下は


「それでは失礼するよ。」


と言い去っていった。護衛の騎士はニカッっと笑い、私に親指を立てて『グッ!!』ってして一緒に去っていった。

やはり騎士様、素敵過ぎだぜ!!


お父さまは立ち上がり


「では、屋敷に帰るとしよう。」


と言い、休んでいるフシミとシガラキの所に歩いて行く。普段はポーカーフェイスのお父さまがニヤニヤしている。余程嬉しい事があったのか、皇太子殿下に褒められたのが嬉しかったのかは分からない。しかし、一人でシガラキに乗るお父さまは


「ヒーーーハーーー!!!」


っと喜びを爆発させていた。


ロシュフォール侯爵家は暫く慶事が続きそうな予感がする。良い事だ。


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