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もう一つのお話し「ティーチ」

「イツキさんの持てる魔力の上限ってどの位あるんですか?」


「あっ・・・え〜・・・自分でも分からないや。」


正直、自分でも分からない、調べた事も無いから。ただ、バランタインさんやリースさんとは違い、守護して貰っている霊が人間では無く神様だからほぼ上限が無いに等しいのだろう。恐らく、上限の括りで言うとこの世界で俺と対等に立てるのはもう1人、神様を守護霊に持つ『恐ろしい娘』。いずれにせよ対峙するのは決定事項だと思うと話の分かる『優しい娘』である事を願うばかりだ。


「でも、その魔法が使いこなせるなら毒の魔法も出来るんじゃない?」


「えぇ、試しに自分に試したんですけど・・・よく分からないですね。あの時にイツキさんに施された様な動かせない程の倦怠感はなかったですから。」


バランタインさんは少し勘違いをしているようだ。


「バランタインさん、毒の魔法は相手の魔力の波長を無理矢理相手の身体の中で変えてしまうものだから、自分に毒の魔法を使っても自分の波長を自分の波長に変えようするだけだよ。」


バランタインさんは間違いを理解した様で、ハッとした顔をし可愛く赤面する。俺は苦笑いしつつ右手を差し出した。赤面しつつその右手の趣旨が分かったらしく・・・


「・・・・・。イツキさん、良いんですか?」


「他の人じゃあ試せないでしょ?」


「それはそうですが・・・本当にいいんですか?」


「失敗しても俺なら何とか出来るから。」


「じゃあ・・・遠慮なく・・・。」


バランタインさんは人差し指で俺の掌の真ん中をチョンと軽く触れる。


「おおぉぉ・・・すげぇすげぇ!!」


俺の右手は痛い位の倦怠感の襲われその倦怠感はみるみる腕の方まで伝わって行く!


「も・・・もう少し抑えた方が良いね。相手によって効果が薄い場合はもう一度追加で使うとかした方が良いよ。それにしても意外とこれ・・・キツいねぇ・・・。」


俺は自分の体内にあるバランタインさんの魔力を無理矢理打ち消すと激しい倦怠感も収まった。


「もう1回やってみて、今度は抑えて。」


「この位ですか?」


「おおっ!本当に抑えた!?」


「加減が難しいんです!」


そして何度も右手を差し出しバランタインさんに魔力の強さを調整させる。


ーーーーーー


「まぁ、毒の魔法の魔力の強さはこの位ですかね。毒の魔法は相手の体と頭に使うと死んでしまう可能性があるから手足だけにしておいて下さい。一応覚えておいて欲しいのだけれども、どの魔法も完全なものは無いんです。ただ、弱点を知っているかいないかで差も生まれますし、その弱点をカバーする事も出来るんです。これから先、魔力を使う者と戦う時が来たら相手との相性も重要になってきます。相性の悪い相手と対峙しないよう分析する目と今の自分の特性を知っておく事をお勧めします。」


バランタインさんは俺の目を見て黙って聞いてくれた。そしてお礼を言ってくれた。


「分かった。イツキさんありがとう、勉強になったわ。」


「今夜、時間が欲しいんだけど良い?フェッテさんとシャンティさんの部屋で3人に話しをしたいんだ。」


「今でも良いですよ?」


「いや、3人に知ってて欲しい大事な話なんだ。その時に話すよ。」


「そうですか?まぁ・・・わかりました。」


バランタインさんはキョトンとした顔をしたが一応納得してくれたようだ。その後、御方様の空間から宿屋『フクロウ屋』に戻ったが夜までは時間が余った。バランタインさんとは・・・


「今日の事は忘れないよう紙に記しておきます。」


っと言い残し自分の部屋に戻った。

俺は自分の部屋に戻るとリーガルが居た。何もする事も無く、1人異国の地で外に散策に出るというのも難しい。その事は本人も分かっているらしくどこにも行かず俺以上に退屈していた。


「リーガルどうしたの?」


「あ、あぁ・・・まさか、こんなにも退屈するとは思わなかった。なぁ、先生っていつも忙しいのか?」


「ん?いや、先生が忙しいのは見た事無いなぁ。なんで?」


俺は思い返すと先生が時間に煽られている姿、焦っている姿を見た事が無い。行くと何かしら作業の様な事はしているがすぐに相手をしてくれた。ある意味、先生も神様みたいなものだから時間はいくらでもあるのだろう。


「やる事も無いしこの時間のうちに俺の特性っ奴を調べてみたいんだよ。」


「あぁ良いんじゃない?」


俺はまた御方様の空間にリーガルを連れて戻る。いつもの自分の部屋から暗転し先生の居る場所に来るとやはり何かしらの作業をしている、どんな作業かは分からないが。そして

俺から先生に話し掛ける。


「先生、お時間頂きたいのですが。」


そう言うと先生は一旦動きが止まり俺の方を振り返る。


「やぁ、イツキくん。今日はどうしました?」


「リーガルの適性を調べたいのですが今からでも大丈夫ですか?」


「大丈夫ですよ。」


「それではリーガルを置いていきますのでよろしくお願いします。」


そう言って先生はリーガルを預けようとするとリーガルは焦った顔をして小声で言ってきた。


「お、おい!お前は帰るのかよ!ほんとに大丈夫なのか!?」


「大丈夫だって!面倒くさい奴だな!終わったら先生に送ってもらえるし心配しなくていいから!じゃあな!」


「おまっ・・・」


リーガルが話し終わる前に自分の部屋に戻って来た。

(まぁ、何とかなるだろ・・・)

っと思いつつ自分の部屋のベットに横になった。横になると今夜の事が心配になる。

(どうやって3人に切り出そう。やっぱり御方様の空間で言った方が良いか?)

色々考えるが纏まらない。ボーっと天井を見つめていたら・・・


いつの間にか瞳が閉じていた。




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