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もう一つのお話し「スマイル」

「先生、御方様が戻られましたらご一報ください。」


「わかりました。」


とりあえずリースさんの事はすぐに答えが出る訳でも無いから保留する事にした。

(リースさんの魂を治せるのは・・・御方様と大天使アズラエル様か・・・確か・・・恐ろしい娘の守護神となってる・・・こちらにお願いするのが現実的か・・・でもどうやって・・・。)

口に手を当てて考えているとリーガルが声を掛けて来た。


「なぁ・・・ここってどこなんだよ?」


「あぁ、悪い悪い、遅くなった。ここは・・・あ~・・・」


俺の不注意で連れてきてしまったのもあったし、今更誤魔化しも効かないだろうから正直に話した。


「神の住む場所と言ったら分かり易いか?俺らとは住む場所が根本的に違う場所だ。」


「お前、すげぇな・・・」


「でも、繋がりがあるってだけで俺は神では無いから誤解するなよ?」


「お前の仲間の女の人も知っているのか?」


「バランタインさん?知ってるよ、先生から指導受けて居るから。だから勝てないって言ったんだよ。無論、今ここに居るリースさんにもね。ただ、リースさんは訳有りなんだ。」


「・・・・・。なぁ、俺もここで指導受けたらお前みたくなれるのか?」


「受けたいの?」


「やらせてくれ、頼む!」


「・・・・・。」

(う~ん・・・。どうしたものか・・・。)


俺は額に手を当てリーガルの必死な懇願を見つつ考えた。

(基本的にリーガルの事を信用し切ってはいない。面白い奴だとは思っても。だからと言って無碍にして後から根に持たれて周りにこの事をバラされても面倒・・・。だったら条件をつけた方が良いか・・・。)


「わかった。ただ・・・今から俺が言う条件を飲んでくれ。」


「・・・・・。」


リーガルは俺の目を真っ直ぐに見て俺の言う条件を聞く。


「リーガル、お前の事は面白い奴とは思っているが正直言うと信用し切れない。これからは全面的に信用するからそれに答えて欲しい。そしてここで指導受けるという事は相当な能力を得る事になる。もし俺の気に入らない能力の使い方をするなら俺が責任を持って使えないようにする、最悪の場合殺す事になる。そしてこの事は基本的に他言無用。信頼できる身内に伝えたい等の事があったら要相談。それでも良いならいいよ。」


「・・・・・。わかった、その条件を飲むぜ。」


「あ、それと先生には自分でお願いして来て。ダメとは言わないはずだから。」


リーガルはあっさり快諾したのが気になる。そして俺が言った通りに先生の元に向かい教えを乞いたい旨を伝え、先生もあっさり快諾していた。先生が快諾するのは予想の範囲内だから驚きはしないが。

そしてリーガルは先生にこれからの段取りを聞いているようだ。それが終わるまで俺はリースさんと話す。基本、御方様の空間に人間が来る事自体が無いのだから。他言無用ではあるが少しだけ緩くする事で秘密は守られたりする。隠れて秘密を喋られたりするよりかマシだから。


「なぁリースさん、やってしまった事はもう何も言わない。ただ・・・客体の体がいくら傷付いても大丈夫だからといっても無茶な事はしないで欲しい。主体の体は当然だけど客体の体も大事にして欲しい。」


「「分かった、ありがとう。」」


「体調とかどうなの?具合悪くなったりしてない?」


「「そういうのは無いかなー。1人が2人になっただけだから。」」


「でも、2人同時に同じ事を言うのを聞くのは奇妙なものだよね。」


「「アハハハッ!!慣れると大丈夫ですよ!」」


(これって慣れの問題なのか?う~ん・・・)

そんな事を思いつつリースさんと談笑しているとリースさんは主体と客体で俺の両手を握ってきた、片方1人ずつ。


「「ニヒヒヒヒッ!!」」


っと含み笑いを浮かべて。健全な男の心境からすると『両手に花』の美味しい展開なんだろうけど実質は1人。


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


「イツキ君終わりました。お待たせしました。リーガル君は定時刻に迎えに行く事となりました。」


「そうですか。よろしくお願いします。とりあえず私達は戻ります。主体のリースさんをよろしくお願いします。」


「わかりました。」


俺が帰る旨を先生に伝えると右手を握っていた主体のリースさんは手を離し先生の横に並んで手を振ってくれた。


「イツキさんまたねー!」


別れ際、主体の方のリースさんだけ口を開いた。客体と繋がっているから別れるから寂しいっと言う感じでは無いようだ。そして来た時の様にミカエル様にお願いする。


「ミカエル様よろしくお願いします。」


すると周りの景色が暗転しバランタインさんとリースさんの部屋に戻って来た。

俺は深く息を吐きリーガルとリースさんに話しかける。


「リーガル、朝食にしよう。リースさん食べる事って出来るの?」


「時間結構立ってるから朝食の時間終わってるんじゃないか?」


「普通に食べれるよ!」


リーガルには言ってなかった。


「さっき居た空間は時間の流れが遅いから実際はそんなに時間は経過してないよ。」


リーガルは説明を聞くと何も言わない。そして3人で食堂に入るとバランタインさんが待っていた。

浴衣を着て扇子で自分にゆっくりと扇いでいるバランタインさんは俺の方を見ると質問をしてくる。


「みんなと食事をされるんです?」


「そうだね、急ぎの用事は無いからみんなで朝食を食べるよ。」




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