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もう一つのお話し「インベスティゲイション(調査)」

後ろの席のいかつい大きい男に呼ばれて委縮してしまった。暴力沙汰になったら間違いなくやられてしまう。ただ、緊張してはいるが悟られない為に普通であるように努めて振り返る。


「なにか?」


「あんた、イツキの事調べてるんだろぅ?あいつは化け物だけど何もしてはいねぇよ。むしろ俺らの方がしてもらってるんだしよぉ。あんたがどこまで知っているか知らねぇけど俺が知ってる事なら話すぜ。」


「・・・・・。」


ジェームスはリーガルとは初めて顔を合わせる。初対面の男をどこまで信用して良いか分からないが聞ける情報は多いに越したことはない。そして、これも仕事だと割り切り自分とはタイプも全く違う男リーガルに話しかけた。


「私に伝わって来たのが他国の男が怪しげな術を用いて幼女を殺害しようとしたと聞いてます。ただ、不可解な所も多いのでこうして調べている次第です。」


ジェームスは簡潔に言うとリーガルは顔に苛立ちを浮かべ・・・。


「はぁ!?なんだそれ!!あいつは殺そうなんてしてねぇぞ!逆に助けたんだ!俺は治療してるのを目の前で見てたし、その後その親子を家まで送ったから会わせてやるよ!」


リーガルはそう言うと視線を落として少し考え事をしてから話しを続けた。


「・・・・・。もしかして・・・そんな事言ってるのってハイブリー通りの祈禱師のじじいか?その親子はそこの祈祷師に見てもらっていたんだけど女の子が死にかけたからここにきたんだぜ。どうせあれだろ?治っちまったらそのじじいの立場が無くなるから濡れ衣着せようとしてるんだろ?」


「それは分からないです。憶測で物事を決める事は出来ませんし。それに調査中ですからそういった事もいずれ分かると思います。」


「へぇ?一応ちゃんと調査してるんだ。まぁ良いけどよぉ。」


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・



暫くジェームスとリーガルが話していると・・・診察を受けに来ていた人達が居なくなりいつの間にかその日の診療を終えていた。


「おぉ!!トーマスの所の甥っ子さんの・・・えーっと・・・名前なんだっけ?」


オッカムは診察を終えて2人が居る待合室に来た。


「ジェームスです。おじさんの所で秘書をしてます。知ってるんですか?」


「知ってるも何もトーマスとは幼馴染だからさ。君とは1回会っているだけど覚えてないかな?まぁ、その時は俺は白衣着てなかったから分からないよね。ところで、今日はどうしたの?」


「ここに居た他国の人の事を調査してました。どうも不可解な事が多くて・・・留置場の人だかりとか。」


「リーガル君に大体聞いたかい?」


「はい、聞きました。」


「幼い女の子を救う所はリーガル君もその場に居たからそれが真実だから。」


オッカムとジェームスの話しにリーガルが入って来て・・・


「なぁあんた、ちょっと俺に付き合ってくんねぇか?俺の仲間に調べさせているもんでよぉ。」


「ジェームス君どうする?」


「急ぎで調べているのでそういった事でしたらご一緒します。」


オッカムの問い掛けに同意しリーガルに付き合う事になった。そして、釘を刺した。


「リーガル君、くれぐれも恫喝や暴力はしない事。」


「旦那、分かってるから。俺だってそれ位の分別はあるから心配すんなって。それに俺らはあいつに食糧貰ってるんだ。仇で返す事はしねぇよ。」


「そうか、悪かった。」


その後、リーガルとジェームスは診療所を出てリーガルの仲間のたまり場に向かい、調べた情報の聞き取りをした。


「やっぱりあの役人とじいさんは繋がってるって話しだぜ。」

「人当たりは良いんだけど貧乏人は簡単に見捨てるらしいぜ。」etc・・・


そこで出てくる情報は噂の域を出ないものばかりではあったがその全てがネガティブなものばかり。その全てを逐一メモを取り何度も質問をする。リーガルの仲間はジェームスがしっかり話しを聞いてくれるものだから饒舌になる。そして現状の不満や普段口にしない事まで話した。そして仕入れた情報は前もって知らされた情報とは異なっていたようでジェームスは整理し叔父のトーマスに報告する事となった。


--------


「ジェームス、調査はどうだった?」


「情報は予想以上に早く集まりました。あの診療所のオッカムさんは叔父さんの知り合いだったんですね。」


「まぁな。幼馴染ってやつだな。 」


「オッカムさんも同じ事を言ってましたよ。ところで、殺害されそうになったっと言う幼女の件はデタラメのようです。その幼女の母親とも会ってきましたから。」


「やっぱりそうだったか・・・その他国の青年は他国の祈祷師らしく本物らしいんだ。実はな、私もその術の一端を体験したんだよ。そして今回の件の事は国の何か変わる予兆の様な気がするんだよ。何かはわからんがな。」


「予兆ですか?」


「あの拘束された他国の者の出現の報告があってからそんなに時間が経ってないのに、解放を求めて多くの人が集まっているんだぞ。」


「なんかおかしな雰囲気はありますね。なんと言うか・・・祭りの前夜っというか・・・」何かが起こりそうな高揚感でしょうか・・・。」


「まぁ・・・どうなるかはわからんが国が良い方向に向けばラッキー位に思っていれば良いだろう。さて・・・この結果はどうしたものかな・・・」




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