事件です「頭がいたくなる」
全て倒したーーー!!っと言うか2体は捕獲。
とりあえず冷やして捕縛しているワイバーンをスキャンしてみる。捕縛しているが暴れるし咬みつこうと牙を剥きだして口を開け閉めしていて咬まれると危ないから、私に懐いたワイバーンに上から抑え込むよう指示を出した。動けなくなったワイバーンの首に手を回し身体の中に魔力を流した。暴れ方が激しくなり苦しそうだ・・・
「ギャギャギャギギギギギギ・・・」
「大丈夫、頑張って・・・」
ワイバーンに声を掛ける。気に入らない、操られたワイバーンがかわいそうになってくる・・・こういう事をする者に怒りが湧いてくる。
そして黒いモヤような魔力を探し出し、掴んで一気に引きずりだした。体から黒いモヤが上がって霧散した。その後冷やされてダメージを負った部分を魔法で治したら落ち着いた様に静かになった。
「グググググ・・・」
何か憑き物が落ちたように心なしか目が穏やかになった気がする。もう暴れないだろうと確信したので騎士にワイバーンの捕縛を解くようにお願いしたが顔色を青くして断られる。しかし、暴れたら私が殺す事で納得させて解いた。解いたら顔をすり寄せて・・・2体のワイバーンから懐かれてしまい挟まれる形で顔をすり寄せられる。
(体が削られる・・・痛い・・・)
周りを見渡すと騎士と魔法使い、出席者が遠巻きに見ている。死者が出なかったのは不幸中の幸いであったが大人の目線がやっぱり痛い。英雄候補に見られてるんだろうか。一緒に遊んだ子供の目がキラキラしていて恥ずかしくなる。
この状況をどうやって纏めようか考える・・・考えた末・・・子供の学芸会の時の言い方で・・・
「みなさん、たのしんでいただけましたか?このあともたのしんでください。」
っと棒読みで締めくくった。大人の参加者は苦笑いをし私の話題をしているが、私をロシュフォール侯爵家から引き入れたいような事が聞えた。聞えないようにしていたが。
2体のワイバーンには魔力で『人間に危害を加えない事』と指示を出し、あとで開放する事も伝えて鎖で繋いだ。繋いだ事で護衛の騎士達も安心したようである。繋ぐことによって殺される事も無くなるはずだし。ワイバーンが安全だと分かると子供達が群がって背中に乗ったりしている。それを見つつ・・・その子供の親であろうご婦人方がハラハラしていた。
この事件の今後の事を考えると頭が痛くなってきていた。
そして・・・父から声がかかる。
「終わったら来なさい」
っと。