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仲間「ブリジット様」

「ねぇ、何があるのよ?」


「・・・・・・。」


ペリドットはバローダの問いかけに答えずに歩き学校裏の花壇に近づいた時、一旦歩くのを止め振り向いて後ろの3人に問いかけた。


「行ったらあなた達3人は私の様に運命が大きく変わってしまうわ。もし、それが不安で・・・今のままで良いと思うなら部屋に戻って。サイレンさんは責めはしないわ、悩んでいたから。」


「「「・・・・・。」」」


3人はペリドットの問いかけに戸惑い、顔を見合わせ、そしてマヘリアがペリドットに言う。


「運命が大きく変わるってどういう事?」


「今は言えないですわ。ただ、私は・・・先の戦争で亡くなったお父さまとお兄さまの魂と私を救ってくれた。そして運命が開けた、それだけは言えるわ。」


「ふーん。面白そう、私は乗るよ。このままだと普通の冒険者となるだろうし、運命が変わるんなら。」


マヘリアがそう言うとローリエも続いて言う。


「わ、私も行く!卒業したら親の都合で嫁がないといけないし、それが変えられるなら行くわ!」


そしてマヘリアとローリエがバローダを見る。


「サイレンにあんな事言われて癪だけど私も乗るわよ!」


「そう、じゃあ行きましょう。」


バローダの同意を得て、また歩く。そして建物の角を曲がると目的の花壇の方が明るい。何かが燃えているようだ。その横ではその炎を身構えて見ているサンレンがいる。炎は一箇所に移動して消えた様に見える・・・。


・・・・・・・・


私は目の端でペリドット達を捉え確認すると礼を言った。


「ペリドット、ありがとう。」


「どうと言う事ないわよ。連れてくるだけだもの。」


ペリドットはそう言うとバローダ達3人をその場に置いて、師である女神スクルド様の元に立った。そして振り返りバローダ達に話し掛ける。


「あなた達はこの方々は見える?」


「えっ!ここにはサイレンとペリドットしか居ないよね・・・?」


バローダが言い、ローリエとマヘリアも首を横に振り見えない事を伝えた。


「申し訳ありません。人間が見えるようお願い致します。」


私がそう言うと神様方は実体化してくれた。してくれないと話が進まない事をご理解して頂いてるからだろう。マヘリア、ローリエ、バローダの3人は急に現れた様に見えただろう神様、女神様七柱に右往左往している。


「バローダ、ローリエ、マヘリア、気がついてないでしょうがあなた達は類稀な能力があります。もし、その能力を開花させたいなら集まって頂いた方々に協力をお願いします。」


私が3人に言うとバローダが叫ぶ。


「この人達って誰なの!?学校敷地内に無断で入ってきたの!?」


「バローダ、落ち着いて私の話しを聞いて。この方々はこの世界な神様と女神様よ。この中のケルヌンノス様、バロール様、ブリジット様にあなた達を訓練して頂こうと思っているわ。あなた達はどうしたいの?」


私の問い掛けにペリドットが答えた。


「ここに来る時にやるって言ってたわ。今、私はスクルド様に訓練を受けているの。」


そう言うとスクルド様はペリドットの肩に手を置いた。私は3人に対して改めて意思確認を試みた。


「私も受けたから今の私がいる。止めるならまだ間に合う。どうする?」


「サイレンあんたねぇ、最善策を持ってるくせに私の今までやってきた事の全否定は性格悪いよ。最初からそう言えば良いじゃんか。まぁ良いわ、強くなってあんたを超えてやるわよ。」


「卒業したらこの子達の事が不安だったし・・・なんとか出来るなら私も頑張る!」


バローダは私をライバル視してるのだろうか?私を超えるとかって・・・。ローリエは白蛇と狼の子供の魔獣を撫でながら言う。まぁ・・・理由はどうであれヤル気はあるようだ。マヘリアは沈黙したまま私を見ている。


「マヘリア、どうするの?神様から教わり難い?私的には人間も巨人もたいした差が無いんだけどね。」


「!?」


「サイレン、知ってたんだ・・・。」


「うん、知ってたけど興味無い。」


「サイレンは知ってる?昔、神様は巨人を駆逐していたんだよ?私の両親から・・・巨人の間で受け継がれているんだよ。私はそれが嫌だから逃げだしたんだけど・・・」


「うん、知ってた。昔、神様が巨人に酷い事をしていたって。」


「なんでも知ってるんだね。」


「当事者がここに居るから何か話してみたら?」


マヘリアにも思う所があるだろう。折角当事者の神様も居るのだし話すと良いと思ったので促した。マヘリアは神様方を真っ直ぐ見据えて話す。


「私達、巨人の一族では昔、神に虐げられていたと伝えられています。本当だったんですか?」


マヘリアの質問にブリジット様が他の神様に手で制し話し始めた。


「よく伝えられているわね。それは本当よ。」


そのブリジット様の言葉にマヘリアの顔に怒りの表情が浮かぶ。そしてブリジット様は溜息を混ぜつつ話しを続けた。


「ただ、虐めていたのは沢山いる神の中の一部。」


『はぁ・・・。』


「ごめんなさいねぇ。クソ猿知恵ジジイのオーディンや脳筋クソバカ野郎のトールが勝手に戦争始めたのよ。巨人族虐めていたのがそいつらなんだけど。まぁ・・・最後にオーディンのクソジジイはフェンリルに食い殺されてトールはヨルムンガルドの毒で死んだけど・・・ざまぁ!!って感じね。そいつらのせいで私達も戦争に参加させられて死んだけど、死んだ先のヴァルハラで巻き込まれた神様にボロッかすに言われて復活出来ないみたいよ、っていうか永遠に死んでろよって感じ。ほんと、巨人族には迷惑な話しよね。マヘリアちゃんだっけ?神様や女神様についてどの位知ってるの?」


ブリジット様は優しい口調なんだが癖が凄い。優しい顔でその口から紡がれる言葉が酷い・・・。不安になってこっそりアズラエル様に質問してみる。


(アズラエル様・・・ブリジット様って大丈夫なんですか?毒が凄いんですが・・・性格に問題でもあるのでしょうか?)

(大丈夫よ、多分・・・。)

(・・・・・なるようになれ!ですね。)

(そうよ。)


私はアズラエル様と話し不安が募る。それとはお構いなしにブリジット様とマヘリアの会話は進む。


「神様と女神様についてはよく分からないです。巨人族ではそう言った事は伝わってないから。」


「そうよね、恨む相手の事を深く調べたりしないわよね。巨人族の神様が居るのって知らないわよね。」


「えっ!?居るんですか!?」


マヘリアがとても驚いているとブリジット様はバロール様のチラッと見た。






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