仲間「怯え」
花壇に向かう時にアズラエル様と話す。
「申し訳ありません。アズラエル様、よろしくお願いします。」
「一応私の出来る事は・・・根回しをしておいたわ。」
「ありがとうございます。」
そう言ってるうちに花壇に着く。私は空間収納からロウソクを1本取り出し火を点ける。花壇の石に一滴溶けたロウを垂らしその上にロウソクを置き倒れないように固定した。アズラエル様がフッと居なくなったと思ったら神様や女神様が複数人現れて・・・ウルズ様、ヴェルダンディ様、スクルド様の他に3柱、見た事のない女神様と神様だ。私は見た事の無い神様に挨拶をする。
「初めまして、アズラエル様に守護されてますセレン ド ロシュフォールと申します。よろしくお願い致します。」
アズラエル様が横から話しかける。
「この神はケルヌンノスよ。死と狩猟の神様なのよ。死を司る繋がりで私と知り合いみたいなものね。」
頭に鹿の角を生やした男の神様で中年のおじさんのような神様だ。
「ははっ!よろしくなー!」
そしてアズラエル様の横に立って居るヴェルダンディ様が話す。
「こちらの~神様は~バロール様よ~、それと~こちらの女神様は~ブリジット様よ~。アズラエル様から依頼されてお呼びしたのよ~。」
バロール様はガタイの大きい青年で目を閉じている。女神様のブリジット様はにこやかに手を振っていた。
ヴェルダンディ様とウルズ様に挨拶する。
「お久しぶりです。この度はお手数お掛けしました。ありがとうございます。」
「大丈夫よ~。バロール様は巨人の神様で~魔眼の力を持っているのよ~だから~常に瞳を閉じてるのよ~。それと~ブリジット様は~炎と竈の女神様で~鍛冶とか医療とか芸術と、と~っても器用な女神様なのよ~。」
「よろしくおねがい致します。」
私はヴェルダンディ様の説明を受け、そのバロール様とブリジット様に挨拶をした。バロール様は見た感じ機嫌が悪そうに言う。
「なぜこの私が頼まれたからと言って人間の子守りなどとは・・・。」
その横でブリジット様が微笑みながら嗜める。
「まぁまぁバロール様ともあろうお方が、寿命短い人間の子供の相手も出来ないはずがありませんわ。」
「ふん!私は子供が嫌いなんだ!」
「そんな事言ってるとご自分の孫を海に捨てた時みたいにぶっ殺されますわよ。頭もクソ悪いのに予言なんて信じてるから間違いを犯すんですよ。」
私はバロール様とブリジット様の会話を聞いて沈黙してしまう。
(うわぁ・・・ブリジット様って・・・優しそうなんだけど・・・言葉の端々から猛毒出てる・・・)
「なんだと!!」
バロール様はブリジット様の煽りに怒っているようだ。そして少しだけ目が開きブリジット様を見ると炎が上がる。ブリジット様が炎に包まれるの見て私は青ざめ背筋に嫌な汗が伝う。
(ひひぃぃぃぃぃ・・・・。やばいよやばいよ・・・・。)
炎に包まれたブリジット様が少し手が動いたと思ったら手には何かを持っている。丸い壺の様な物を出した様でその壺に炎が吸い込まれる。そして、ブリジット様は何事も無かったような涼しく優しい顔をして口を開いた。
「バロール様、何しやがりますの?」
私はバロール様とブリジット様に目が離せない。神様同士の喧嘩はまずい。だけど私にはどうする事も出来ないのは分かるんだけど・・・私が冷や汗を感じ怯えていると・・・
「はぁい~もう~そこまでにして~下さいね~。」
ヴェルダンディ様がそう言って仲裁に入る。バロール様は鼻息一つ荒く吐き、ブリジット様一言口を開き引いてくれた。
「ふん!」
「失礼しましたわ。」
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「なんなのよ!!魔法が使えるからって調子に乗って!!」
「ひっく・・・ひっく・・・。」
「・・・・・・。」
3人残った部屋の中は重苦しい空気になってしまっている。その中、部屋のドアをノックする。
『トン!トン!トン!』
そのノックにマヘリアが反応した。
「どうぞ。」
そしてペリドットがドアを開けて中に入って来た。
「ちょっとよろしくて?あら、なんか雰囲気悪いですわね。」
その問いにマヘリアが答える。
「ちょっとサイレンとあってね。」
「そうなんですか?まぁ・・・深くは聞かないですけど・・・。」
ペリドットが言うとバローダが噛みついた。
「ペリドット!サイレンに用があるんでしょ!?居ないんだから出て行ってよ!私達、機嫌が悪いから!」
「ふふん。今回はあなた達3人に用事があるの。ちょっと私にお付き合い願いませんか?それとサイレンさんの秘密、知りたくはありません?」
「「「・・・・・・。」」」
ペリドットの言葉に3人は少しだけ沈黙した後バローダが言う。
「分かったわよ、付いて行けば良いんでしょ!ローリエ、マヘリア行くわよ。」
「ローリエさんは狼と蛇の子供を持って来て下さい。」
「え?う、うん。」
一応興味はある様で行かないという選択肢は無かったみたいだ。
「どこに行くの?」
マヘリアが尋ねるとペリドットが話す。
「学校裏の花壇ですわ。後、人目に付きたくないので静かに行きますわ。」
「「「・・・・・・。」」」
そして4人は誰にも気づかれないように静かに移動。




