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ギルド活動「気になる事」

「ただいま~」


「おかえり、遅かったわね。」


バローダが最初に返事をする。そして話を続け・・・


「3人の冒険者と合同だったの?」


「そうだけど・・・」

(ん?なんで知ってるんだろう?誰にも言ってないんだけどな・・・)


「窓から見えていたわよ。馬に乗って来るの。馬に乗るのは冒険者ぐらいしかいないじゃない。」


外を見ると真っ暗で・・・見えるはずが・・・っと言うか見えない。


「サイレンおかえり~、バイトどうだったの?ずいぶん遅かったね。」


「マヘリアただいま~、うん、バイトはなんとか奇跡的紙一重で依頼達成出来たよ。」


「何それ、奇跡的紙一重って・・・またいらない事してたんじゃないの?」


ニヤニヤしながらバローダが突っ込む。


「いやだなぁ・・・いらない事って・・・いつも私をどういった目で見てるんです、バローダさん?」


「ん~・・・秘密。ふふん!」


バローダは鼻で笑う。続いてローリエが言う。椅子に座っているローリエの膝の上には狼の魔獣の子供が乗っている。そしてローリエにじゃれて指を『カプカプッ』っと甘咬みしている。隠しようがないようでローリエ本人も隠す気が無くなったようだ。そのうち白い小さい魔獣の蛇も隠しようが無くなったら出すのだろう。


「サイレンおかえり~、バイトってどういった事したの?」


「冒険者のパーティーに混ざって農作物を荒らす猪の駆除。私はそのサポートだったわ。」


「そう・・・その猪はどうなったの?」


「駆除した猪はまるっと無駄なく食材になるみたい。無駄にはしないわ。明日業者さん達で競りが行われるみたいよ。冒険者ギルドの人がそう言っていたわ。」


「なら良いんだけど・・・」


ローリエはなぜだか少し悲しそうな顔をしている。まぁ・・・本人さえも知らない私だけが知っている事だけどローリエはビーストテイマーの卵、だから動物、魔獣の事で心を砕くのだろう。掛け値なしで優しい性格ゆえ懐かない魔獣が懐くのだろう。そういった性格は人にいい様に騙されたりして傷つけられ辛い思いをする・・・人の事を言えないのだけど私の場合は強さを手に入れたから・・・そして教えてあげようかとも思ってしまう。


「ローリエ・・・あっ・・・え~っと・・・なんでもない・・・」


とりあえず様子見。簡単にその場の思いだけで決めてしまうのどうかと思う。もう少し私なりに熟考してみる。


「とりあえずお風呂に行ってくるわ。」


そう言うと私は着替えとタオルを持ち部屋から出る。3人は既にお風呂に入っていたようで。


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


お風呂場に入り最初に体を洗い、湯船に浸かった。


『ふぅ・・・・。』


深く息を吐き昨日と今日の事を考えていた。やっぱり気になる事があった。


(スワローテイルの彼女達に剣を作った時、剣の形状が変わった。剣が私の言葉を理解して彼女達に合った形になったとしか思えない。魂が宿るとは言ったが本当に宿っているのか?私も天国(あまくに)にそういったお願いしたら形状が変わるのだろうか?アズラエル様は私の周りに逸材が集まっていると言っていた。ローリエがそうなのだろうし、もしかしたらペリドットもそうなのかもしれない。そしてバローダもそうなのか?暗闇の中で目が見えるのは目が良いってだけで片付けられるのだろうか?もしかしたらマヘリアも?)


そんな事を考えているとペリドットが寄って来た。


「こんばんは、サイレン。今一人?」


「あ、ペリドットこんばんは。一人だけどペリドットも?」


「そうよ、私のルームメイトは先に上がってしまったわ。最近ここで特訓のイメージトレーニングをしているのよ。」


そういって剣を握るように握り拳を作り、宙を見つめ剣を振るように握り拳を軽く動かした。


「疲労が溜まったらスクルド様に回復させてもらっての繰り返しね。あんな事毎日してたら強くなるなってのも無理な話しね。ただ・・・特訓の内容が異常だけど。それとウルズ様から魔法を教わっているけど、サイレンが私に言った意味が分かったわ。他人に不用意に教えるべきじゃないわね。サイレンは誰かに教えた事あるの?」


「・・・・あるわ。」


そう言うとペリドットはとても驚いた。


「あるんですの!!その方はどういった方ですの!?」


「私の家族。私のお姉さま。私の事を常に心配してくれる、私が最も信頼している姉よ。」


「・・・・羨ましいわね。私には家族がお母さましかいないから。家族は大事にしないとダメよ。でも・・・会ってみたいわね。サイレンのお姉さまって人に。」


そう言うとペリドットは握り拳を2つ作り剣のイメージトレーニングを始めた。

それを尻目に私は風呂場を後にする。


「ペリドット、先に上がるわ。のぼせるから程ほどにね。」


「わかったわ。」


そして部屋に戻りベットに潜り込んだ。


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