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ギルド活動「商人の習性」

今回の合同の私の最後の仕事、商人ギルドでの口利きをする事。

私が彼女達に作った剣の鞘を作らないといけないのでお勧めの鍛冶屋?工房?を紹介してもらう為。

そして冒険者ギルドとはそんなに距離は離れてない無いのですぐに着いてしまう。馬車を裏手に停め荷物を降ろ彼女達に手渡しで渡し、馬を外し馬車を空間収納に仕舞う。彼女達の3頭の馬を繋ぎ止め、商人ギルドに入った。


『ギ〜・・・。』


「いらっしゃ・・・い・・ませ。」


カウンターにはクローブさんが座っている。

私が一番最後にギルド内に入ったので最後に私を見たのだろう、挨拶の語尾が弱々しくなったようだ。そして、私が冒険者の彼女達と一緒に入ったもので他の職員の視線を一斉に集めギルド内が静まり返った。その異様さを彼女達も感じ取ったみたいだ。


「こんばんは、クローブさん。相談なんだけど剣の鞘をオーダーメイドで作ってくれる店を紹介して欲しいんだけど。」


「えっ、あっ、はい!少々お待ち下さい!」


そう言うと奥の部屋、商人ギルドのギルド長、ギレンさんの部屋に早足で入っていく。

クローブさんが戻ってくるまでの間にソフィーさんが小声で私に話しかけた。


「サイレンちゃん、なんだかここの様子が変なんだけど。受付の人も怯えていたわよ?商人ギルドっていつもこんな感じなの?」


「たぶん違うんじゃないですかねぇ。私が来たから静かになったんだと思いますよ。」


「そう・・・。」


ソフィーさんはそれ以上は聞いてこなかった。冒険者は余計な詮索はしないのがルール。そして暫くしてクローブさんが戻って来る。


「ギルド長の部屋にお通しするようにとの事ですのでどうぞ。」


そう言われ、カウンターの中に入りギレンさんのいる部屋に向かう。クローブさんが部屋のドアを開けて入室を促す。


「どうぞ。」


「ありがとうございます。」


部屋に案内しドアを開けてくれたクローブさんのお礼を言い入室する。


「やぁサイレンちゃんいらっしゃい。話しはクローブさんから聞いたが・・・そちらの方々は?」


ギレンさんは穏やかに話すが顔の表情が硬い。


「この人達は冒険者パーティー『スワローテイル』のメンバー、私は違います。」


「ふむ・・・私はここの商人ギルドのギルド長のギレン、よろしく。」


ギレンさんはスワローテイルの彼女達に自己紹介をし彼女達も挨拶をする。


「私はスワローテイルのリーダーのジャンヌ、よろしく。」


「シーラよ、初めまして。」


「ソフィーよ、よろしく。」


軽く挨拶を済ませギレンさんは私の方を向き、話しを続けた。


「欲しいのは剣の鞘だけ?剣は必要では無いのか?しかもオーダーメイドっと言うのも・・・」


「やっぱり変ですよね。ただ、訳あって彼女達の剣には鞘が無いんです。」


「剣の種類さえ分かれば規格に合わせたサイズを購入すればいいね。しかし・・・オーダーメイドっと言うなら特殊な剣なのか?」


「特殊って言えば特殊かな?」


「・・・ふむ・・・その剣を見せてもらって良いか?」


ギレンさんがそう言うので彼女達に目配せして彼女達が頷いた。

そして剣を取り出し巻いてあった布を解いて剣をギレンさんのテーブルの上に置いた。

ギレンさんはその剣を見て目の色が輝く。


「これは・・・手に取って見て良いか?」


「どうぞ。」


ジャンヌさんが了承しギレンさんが剣を手に取る。


「これは・・・墨流しか・・・しかも3本・・・カッツバルゲルとレイピア、フランベルクか・・・装飾も美しい・・・サイズが・・・少し軽いか?・・・どれほどの値段が・・・」


ギレンさんは一人でぶつぶつ言っている。鑑定眼は流石ギルド長と言ったところか。

そしてジャンヌさん達に振り向き興奮気味に言う。


「この剣はどうしたんだ!?どこで手に入れた剣なんだ!?この剣3本全て一級品の業物だぞ!!当ギルドで買い取りたいんだがどうだい!?」


ギレンさんは私が居る事も頭に無いのかジャンヌさん達に交渉を持ちかけた。彼女達は苦笑いを浮かべ、私は咳払いをする。

『コホンッ!』


「あ・・・いや・・・すまん。」


我に返ったのか謝る。そして苦し紛れに言い訳をする。


「ほ・・・ほら、商人は素晴らしい物を目にすると、お金の匂いがすると周りが見えなくなるんだよ。商人の習性なんだよ、すまん。」


私も苦笑いをしてしまった。そして、アルビオン王国に来る時に一緒にいた商隊のリーダー、ジンジャーさんを思い出す。

(ジンジャーさんも似たような事言ってたなぁ・・・)

そしてギレンさんは真顔になり話す。


「大体事情はわかった。その剣ならオーダーメイドと言うのも納得だ。既製品ならサイズが合わないだろうな。ベルン工房を紹介しよう。そこならきっちり仕事をしてくれるし信用出来る工房だ。明日話しを通しておくから行ってみるといい。」


私の横でシーラさんが小声でソフィーさんと話している。


「ベルン工房って・・・」


「・・・・」


私は小声の端々を聞いて恐らくは有名な所なんだろう。後で確認してみよう。


「ありがとうございます。」


私はギレンさんに礼を言うと私に質問してきた。


「ここだけの話しなんだがあの剣は一体どこで入手した物なんだい?」


私が質問に答えようか悩んでいると横からジャンヌさんが話す。


「有名な騎士団の払い下げ品と言う事で武器商から購入しました。」


ジャンヌさんの答えにギレンさんは眉間にシワを寄せて訝しがっている。

(そんな事言われても信じられないわな。)


「それは本当なのかい?これだけの業物が払い下げになるとは到底信じられないのだが・・・。」


「私が手直ししました。」


「なるほど・・・。」


私がそう言うと眉間のシワが消え納得したような顔をした。

口利きと紹介してもらい用事が終わったので商人ギルドを出る事にする。


「ギレンさん、ありがとうございます。その工房の紹介と依頼、よろしくお願いします。それでは失礼します。」


「わかった。あ、サイレンちゃん、そういえば指名で配達の依頼が来ているから、時間があったら確認しておいてくれ。受けるかどうかは任せる。」


「はい、わかりました。失礼します。」


こうして私達は商人ギルドを後にした。これで全てが終了。時間的に夕ご飯の時間が過ぎた頃か・・・私的にそこまで遅くなるとは思わなかった。



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