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ギルド活動「風」

「あっちです。」


私はジャンヌさんの馬に乗り、ターゲットの元に向かう。ターゲットの移動の心配もほぼ皆無なので馬に過度な負担にならない程度の速さで向かった。

向かう道中、ソフィーさんが口を開く。


「まさか太陽が出てる時にターゲットとご対面とはね。思ってなかったわ。」


シーラさんが頷き・・・


「サイレンちゃんと合同でようやく解決出来そうじゃん。」


「私達の剣についてお願い。」


ジャンヌさんは剣の事が気になっていたようで尋ねてきた。ソフィーさん、シーラさんも気になっているだろう。


「そうですね・・では、まずその剣には命が宿ってます。だから本人以外が使っても嫌がってろくな事にはならないです。それと悪事に使おうとしたら主に失望して砂鉄に還ります。そして、鞘が無いので鞘を作らないとですね。そういった事は商人ギルドで聞くと良いかと。信用で成り立つギルドですから悪い事にはならないと思いますよ。なんだったら口利きしま・・・。」


「よろしくお願いします!!」


私の話しを遮ってソフィーさんがお願いしてきた。


「ちょっとソフィー!!いくらなんでもそこまでは・・・。」


シーラさんがソフィーさんを嗜めるが・・・


「何言ってるのよ!今、私達に一生に一度、有るか無いかの凄く良い風がサイレンちゃんから吹いてきているのよ!私達が目一杯帆を張って、その風を受け止めないと逆に失礼よ!ジャンヌもそう思うでしょ!!」


ソフィーさんの問いかけにジャンヌさんは・・・ちょっと控えめにではあるがしっかりお願いしてきた。


「・・・・サイレンちゃんよろしく頼むわ。」


「ぷ・・・あはははっ!はい、了解しました!お任せください!」


思わず笑いつつ満面の笑顔で承諾。こういう雰囲気は嫌いじゃない。


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


「そこを右に曲がってもう少ししたら近くです。」


私のナビゲーションの先に深い藪が見える。その中に今回のターゲットがいる訳なのだが・・・

その藪が厄介なようだ。近くで見たら背の高い草と鋭い棘のある茨の木の混生した藪で無理に入ろうとしたら背の高い草で視界を遮られ、茨の棘で傷つけられる。藪の存在は3人は知っていたがこんな所には居る訳が無いと思っていたらしい。


「この藪のどこかに中に通じている獣道があると思います。」


私がそう言うとシーラさんが・・・


「その獣道から侵入すれば良いのね!」


「いえ、それだと茨の棘で怪我してしまいますよ。草と茨を薙ぎ払って入りましょう。」


「音で侵入が分かっちゃうんじゃないかしら?」


ジャンヌさんが的確な事を言う。それは予定の範囲内ではあるが。


「なのでこの辺り一帯に音の魔法を張ります。喋っても聞こえなくなりますのでゼスチャーでお願いします。遭遇して戦闘になったら解除します。それと薙ぎ払うのは私がやります。ジャンヌさん、『あー』っと言い続けて下さい。」


私は音の魔法を使う。音の波長の山が小さくなって全く無くなるイメージをした。それと同時にジャンヌさんの声が小さくなる。そして声の音が消えた。


「あーーぁーー・・・ぁ・・・・・・。」


声の音が消えると同時に辺りは一帯の音も消え、完全な静寂に支配される。そして空間収納からレーヴァティンを取り出した。

彼女達3人が見た事の無い私の2本目の剣。彼女達の剣と負けない位の装飾された美しい剣を腰に構えた。そして腰を落とし、居合斬りで地面スレスレを横一閃!!レーヴァティンから放たれた限定的な幅の斬撃が私の前に道を作る。

藪を薙ぎ払うとは言ったけれどその薙ぎ払い方が予想外な為か彼女達は驚いた顔をしている。しかしその顔は『あーやっぱりね。』っというか私のする事に慣れてしまっている感じがして・・・癪に障るがいい子供はそんな事は気にしない!

ないったらない!

4人で薙ぎ払って出来た道を進むが木の魔法を使い、歩いて来た藪の一部分をまた元の様に生い茂らせて戻した。これで、戦闘中に誰も入っては来れない。地面の起伏によって斬撃が止められてしまっているのでその度に斬撃を繰り出し道を作った。斬撃の度に音が出るはずなのだが、魔法で音を消しているので迫力に欠ける。消した本人が言うのもどうかと思うが・・・音って大事。

暫く歩いて行くと開けた場所に出た。そうして獣道の出入り口であろう藪にある穴を見つけて先程同様に木の魔法で藪を生い茂らせて塞いだ。これでターゲットの逃げ道を塞げただろう。獣道が3、4か所に点在していたらその限りでは無いのだけど・・・。

そして・・・木の陰に茶色く大きなものがピクピク動いている。私達4人がようやく探していたターゲットがそこに寝ていた。ターゲットは予想通り『猪』ではあったが・・・その大きさは異常で・・・ヒグマ位の大きさといった所か?前世で物で例えるなら軽自動車くらい?大きい大きいとは言っていたけどここまで大きいとは・・・それなりの量を食べないと大きい体を維持できないだろう。だからこそここに現れたのだから・・・私は寝ている大猪を見つつ思う。

(猪には猪の都合があるわな・・・。)

3人はゼスチャーで合図し大猪を囲むように展開して近く。私は後ろで待機をして見ていた。



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