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ギルド活動「害獣駆除」

「おはようございます!すいません、少し遅くなりました!」


私は『スワローテイル』のメンバーと待ち合わせにしている冒険者ギルドの前に到着して挨拶をした。メンバー3人は既に来ていたようで・・・


「あ、おはよう。私達も今来たばかりだから大丈夫よ。」


スワローテイルのリーダー、ジャンヌさんが言った。その横でソフィーさんが・・・


「そうそう、合同しても来ない奴らもいるからサイレンちゃんは優秀な方よ。」


「そうなんですか!?でもこれって合同でも仕事であって依頼ですよね!?」


私は驚いてしまった。冒険者の仕事に対しての意識を垣間見てしまったようだ。


「まぁ・・・冒険者なんてそんなものよ。どの国の冒険者も同じって訳じゃないんだろうけどね。」


シーラさんは苦笑いを浮かべて話しを続けた。


「ところでサイレンちゃんは手ぶらなの?準備はして来て無いの?」


(やっぱりそこは突っ込まれるところだよね~)

そう思いつつ・・・


「準備はしっかりしてますよ!」


そう言って空間収納から天国(あまくに)を取り出した。そうしたら3人は驚いて閉口している。そして少し間を置いてジャンヌさんが・・・


「そ・・・そう・・・じゃあ出発しましょう。」


スワローテイルはアルビオン王国を拠点にして活動している結成されたばかりのパーティーで、以前お世話になったスカーレットのステラさん、星光の剣のサロマさんような雑用や交渉担当の人が居ない。そして、移動は馬車では無く馬に直接乗っての移動だそうだ。私はシーラさんと一緒に乗るらしいので・・・


「あの・・・馬車で行きません?」


私はそう提案した。3人はキョトンとしている。


「いや・・・私達は見ての通り馬車を持ってないから・・・」


シーラさんはそう答えたが私は・・・


「私は馬を持っていませんから・・・」


そういって空間収納から馬が繋がれていない馬車を出した。以前スカーレットに馬車のお金を提供し購入した代わりにお古の馬車を譲り受けた。


「中が少し焼けていますけど・・・」


3人は絶句している。まぁ・・・気持ちも分からない訳では無い。

(何もない空間から馬車が出てきたらそうなるよね。)


とりあえず、2頭を馬車に繋いで1頭はシーラさんが直接乗っての移動になった。荷物も馬車に積み込みっと言っても馬に乗っての移動がメインだったスワローテイルのメンバーの荷物もほとんどなかったんだが。馬車の手綱はソフィーさんが握り出発した。馬車の中でジャンヌさんから今回の依頼内容の確認と詳細を聞いた。


「今回はサイレンちゃんと私達の2日間合同。依頼内容は害獣駆除、私達が今該当地区で調査しているけど、その対象となる害獣が活動する時間帯は夜、警戒心が強く目撃者が少なくてね。足跡の大きさから桁違いの大きさの猪の類。該当地区はアルビオン王国の北東部の農村地帯ゴロン地区、依頼者はアルビオン王国の農業ギルド。ここまでは大丈夫?」


「はい、大丈夫です。」


「そして、報酬なんだけど・・・これだけははっきりさせておくね。有耶無耶にすると後で揉める原因だから。本来なら頭数を山分けか合同チームの折半なんだけど、今回はサイレンちゃんはお試しって形だから成功報酬が貰えたとして4人で山分けした額の半分で良いかしら?もちろん昨日話したように失敗した時は私から少しお金を出すわ。」


私は特に異論は無いので快諾。お金で揉めるのも後味が悪い。


「あ、良いですよ。それでお願いします。」


そう言うとなんとなくジャンヌさんはホッとしているようだった。以前お金で揉めた事があったんだろう。とりあえず、説明が済んだらジャンヌさんと雑談。


「ここ数日、街で屋根と屋根を飛んで走る人が居るって聞いたけど・・・まさか・・・ね。」


「あ、それ、私です。商人ギルドで平日は配達の仕事をしていますんで、最短距離で走るにはそれが一番良いんです。」


「・・・やっぱり・・・もしかしたらと思ったけど。それと他の冒険者パーティーの男の人の腕を治癒した?噂になっていたし、その男のパーティーはあなたの事探していたわよ。ほっぺに傷跡のある女の子って言ってたし。」


「治癒しました。やっぱり探してました?」


私は満面の笑顔で話した。


「・・・・羨ましいわね、才能のある子は。私は努力しか出来ないから。」


「そんな事無いですよ。私の生まれた国でこの力が目立ち過ぎたもので、普通でいられなくなってアルビオン王国に来たんですから。でも、この国で目立った事で自由を奪われるなら出ていけば良いので気が楽です。」


「そうなの・・・。サイレンちゃんも大変だったのね。」


私はこのまま苦労話してても暗くなるだけなので話の流れを変えてみる。


「ところで今回の害獣駆除で駆除した動物はどうなるのですか?猪の類なら売れるんじゃないですか?」


「基本的にそういった事で発生した副次的な物は駆除した人の物になるわ。私達は駆け出しだからそういった副産物の利益狙いってのもあるし、他のギルドとの繋がりも得られるからこの依頼は成功させたいのよ。」


「なるほどね。」


「とりあえず害獣は夜に出没するから私達も行動は夜になるわ。移動はもう暫く時間が掛かるからサイレンちゃんは休むと良いわ。そんな遠くはないから。」


「んじゃあ、お言葉に甘えて少し休みますね。」


そして私はちょっとした作戦があるので到着するまで睡眠をとる事に・・・。



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