表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/208

ギルド活動「合同」

寮に帰る途中、明日の予定を考えた。

(明日と明後日は学校は休みかぁ・・・冒険者ギルドに行こうかな・・・)

そして、寮に帰る前に冒険者ギルドに向かった。依頼書の確認もしたいので。今の所パーティーを組むつもりは無いし、一人でこなせる仕事があったらっと思っていた。


『キ~・・・』


「いらっしゃい。あぁ、あなたは以前来た子ね。サイレンちゃんね、暫く話題になっていたわよ。凍らせたリンゴを出したもんだから時の人って感じね。今日はどうしたの?」


「明日ここに来ようと思っていたんで依頼書の下見に来ました。何か一人で出来るのあります?」


「ん~・・・薬草摘みなんかどう?あんまりお金にならないけど。ただ、街の外に出るから薬草摘みだって多少の危険は覚悟しないとね。それだったらどこかのパーティーに混ぜてもらった方が良いと思うけど。まぁ・・・お手伝いみたいな立ち位置になるけど勉強にはなると思うよ。ちなみにサイレンちゃんをスカウトしたいパーティがいるから良く考えてね。」


「はーい!了解しましたー!」


依頼書を見ていたら前回リンゴを渡した女性パーティが冒険者ギルドに入ってきた。そしてカウンターでさっきまで私と話していた受付の女性職員と話し始めた。


「ソフィーさんお疲れ様でした。依頼の成果はいかがでした?」


「クミンさんちょっと聞いてよー!先日合同で組んだあいつら、女性パーティは所帯持ったら引退だな!!って言うんだよ!!何とか言ってやってよ!!」


「良かったじゃないですか。」


「だから引退も結婚しないって!」


なんか揉めているようだが・・・気にしないでおこう。むしろ・・・スルーで!


「あ、ソフィーさん達の探し人いるわよ。ほら、あそこ。」


クミンさんは私の方を指さした。


(やめてーー!!)


そして、冷凍リンゴを渡した女性パーティーの一人、ソフィーさんが私を見た。


「居た!!ナイス、クミンさん!!」


そう言うと私の所に歩いてくる。私は依頼書を見て知らない振りをしていた。


「お嬢ちゃん、ちょっと話しがあるんだけど良いかな。」


「おめでとうございます!ご結婚されるのですね!長いウェディングドレスの裾を持って後ろを着いて歩く依頼ですね!大歓迎ですよ!それとお腹には赤ちゃんが・・・」


「違うわよ!!どこからそんな話し聞いたのよ!!」


私の話しを途中で遮って否定された。

ギルドの職員のクミンさんは私の話しが聞こえていたようで・・・


「ぷっ!!」


真面目な顔をしているが笑うのを我慢している。他の職員も後ろを向いて肩を振るわせていた。


「先程のソフィーさんとクミンさんの会話、まるっと聞こえてしましたよ?赤ちゃんの件は私のフィクションです!」


「誤解されるから無いこと無いこと言わないで!!」


「ちょっと何言ってるか分からない。」


小首をかしげて言ってみた。


「きーー!!なんで分からないのよーー!!」


「ブフゥーー!!」


職員のクミンさんは笑いを堪え切れず噴き出してしまっていた。いつの間にか居たソフィーさんの後ろのパーティーメンバーの2人は苦笑いを浮かべている。


「失礼致しました。」


クミンさんは謝っていたけど顔は笑うのを堪えている。その様子を見てソフィーさんは顔を真っ赤にしていた。


「ところで、何か御用ですか?」


ソフィーさんに本題を聞いてみるがなんだか怒っているみたい。不思議だ。なので後ろで苦笑いしていた二人が話しかけて来た。


「あまり、大人をからかっちゃダメよ。お話し聞かせて欲しいからあそこのテーブルで話さない?ジュース位は奢るから。」


私は促されるままギルド内の椅子に腰掛けてオレンジジュースを貰った。女性3人のパーティーでパーティー名が『スワローテイル』リーダーのジャンヌさんとソフィーさん、シーラさん。

ジャンヌさんが話し始めた。


「ところで凍ったリンゴを出したけど何か手品でも使ったの?それとも魔法?」


「魔法ですー。」


「『得意な事は無い』って言ってたけど十分得意な事になるんじゃない?」


「特に・・・氷雪系の魔法一種類に固執してる訳では無いので・・・う〜ん・・・」


改めて聞かれると悩んでしまうもので・・・

私の言葉を聞いてシーラさんが問いかけた。


「お名前はサイレンちゃんだよね?使える魔法は1種類じゃないって事?」


「出来ない魔法もありますが自然現象なら一通りは。あと、武器全般は使えます。」


そう言うと私に対しての3人からの疑いの目がかかる。

(まぁ・・・そうなるわな。)

疑われるのも嫌なので、私はその場を一端離れ4つグラスをお借りし水を入れ席に戻った。そして3人に目の前で氷を作りグラスの中に入れて渡した。もう1つはグラスごと両手で包みマイクロ波を発生させ誘電加熱で水を温めた。グラスから湯気が立ち上りそれを3人の目の前に置き触らせる。

スワローテイルの3人は驚いて言葉を失っていた。


「ね!嘘じゃないでしょ?」


満面の笑みで女性3人の疑いの目を証明する事で返した。リーダーのジャンヌさんは・・・


「凄いわね・・・そんな事が出来るなんて・・・あなた、学生よね?この辺りだからブルーローズでしょ?」


「はい、明日と明後日お休みなんで小銭稼ぎに来てました。」


「ねぇサイレンちゃん、うちのパーティーに入らない?明日と明後日はお試しって感じで良いからさ。」


ジャンヌさんはスカウトしたいみたいだがやんわり断った。


「申し訳ありません。学生の身なので2日間の合同チームならお受け出来ますが・・・学業に専念したいもので・・・」


「そうよね・・・んじゃあ2日間合同しましょうよ。まだ実力隠してるんでしょ?見てみたいし。成果が上がらなくても少しばかりお金出すわ。」


ジャンヌさんは合同を提案してきた。失敗してもお金が出るなら私的には断る理由は無いので・・・


「良いですよ。2日間だけでしたら。」


その後、ソフィーさんがジャンヌさんに話した。


「ジャンヌいいの?ちょっと危険じゃない?」


「大丈夫よ、捕らえられるか分からないし。もしもの時は私達を置いて逃げるようにすれば良いでしょ。」


ジャンヌさんはスワローテイルが追っている依頼書を私に見せた。


「これなんだけど・・・」


その依頼書は農業ギルドからで害獣駆除の依頼だった。とある地区で農作物が荒らされて死活問題らしい。


「実際に私達で足を運んだけどその害獣は夜活動するようでなかなか捕らえられないのよ。詳しくは明日話すけど・・・とりあえず明日と明後日よろしくね。集合時間は・・・。」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ