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学校生活「報酬」

『キ~』

「ただいま戻りましたー!」


商人ギルドに戻ってカウンターの受付の女性に歩いて行った。


「あら、意外に早かったわね。配達は駄目だったの?」


受付の女性が聞いてくる。


「いえ、依頼は完了したので帰ってきましたよ?」


私はそう答え、依頼終了のサインの入った依頼書を出した。受付の女性は依頼書を受け取って・・・


「本当に完了したのね。意外にっと言うか疑う訳じゃないけど異様に早かったもので・・・」


そう答えが返って来たのでちょっと意地悪したくなった。そして満面な笑みで言う。


「ばっちり疑ってますね!でも依頼書も完了のサインも本物ですよ。あははっ!」


「ごめんなさいね。報酬が出るけど商人ギルドで預かる?銀行業もやってるから。サイレンちゃんどうする?」


受付の女性は笑って謝って来た。そして報酬の受け渡しについて聞いて来た。ギルドを銀行として預けても良いけど私には王様の銀行に口座があるから2つもいらない訳で。


「すいません、全額頂きます。」


「謝らなくても良いわ。はい、初報酬ね。大事に使うと良いわ!報酬は袋に入れて渡すんだけど最初の1回目は袋代分を報酬から頂いているわ。2回目の時はこの袋を出してくれると全額渡せるから。ちなみに報酬のうち商人ギルドに紹介料として2割収める事になっているから。最初に言った方が揉めないから一応ね。」


そして報酬を袋に入った状態で頂いた。


「はい2300バーツよ。袋代で100バーツになるから確認してね!」


私はフッと思った事を聞いて見た。


「今回のお仕事で本の配達したけど・・・明らかに本よりも配達代の方が高くつくと思うんですが・・・。それと学校で商人ギルドに入ったら袋代を考えないとして・・・報酬は1200バーツになるんですか?」


「サイレンちゃん正解!ギルドに2割収めた後で学校と折半になるのよ。ここだけの話しだから誰にも言っちゃダメだから。それともう一つの質問だけど、店に行って買った方が良いと思うけど、お金持ちになるといつ襲われるか分からないから欲しい物を配達で取り寄せるのよ。稀に護衛を連れて店に来たりするけどね。だから大体配達の使うお客様はお店とお金持ちの組み合わせが多いのよ。絶対では無いけど。」


「・・・・・。」

(ひ・・・ひーーー!!学校側悪徳過ぎやしませんこと!みんなーー全力で逃げてーーー!!)

そう心の中で叫んだ。そしてもう一つの質問の説明がぜんぜん頭に入って来なかった。衝撃が激しすぎて・・・。


「まだ依頼は受けるの?時間はあるけど。」


「とりあえず今日はこれで終わりにします。また明日来れたら来ます。」


「はい、じゃあ今日はお疲れ様でした。」


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


商人ギルドから出たら王様の銀行に向かった。今貰った報酬を預けに。普通なら入れないはずの銀行ではあるが堂々と正面玄関から入る。入って中の人が私の顔を見たら顔を青くしている。なぜか私の担当の人が居るそうでその人はとても緊張している。ただ、お金を預けに来ているだけだからそこまで緊張しなくてもっと思うが。そして商人ギルドで貰った報酬を預けた。

今日の用事が全て済んだので学校の寮に帰った。


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


「ただいまー。」


「「「おかえり~」」」


ローリエが私に話す。


「サイレンが居ない時にあの人来たわよ。お風呂で絡んできてた人。え~っと・・・名前なんだっけ?」


その後バローダが続けて話した。


「ペリドットさんね。」


「そう!そのペリトットさん!」


ローリエは微妙に天然子ちゃんみたいだ。悪気が無いから惜しい子だ。そしてマヘリアが訂正する。


「ペリドット・・・ね、ローリエ。ねぇサイレン、そのペリドットさん学校の室内闘技場で待っているそうだよ。行かなくても良いと思うけど。なんかとっても悔しがっていたし悪い事しか起こらない予感しかしないね。」


私もそう思う。悪い事しか起こらないと思う。ただ、待っているのに行かないのも後味が悪いもので・・・おそらくシコリしか残らない。なので気が重いが学校の室内闘技場に向かった。


学校のグラウンドの横の建物の中に闘技場があり練習用の剣や防具しまってある。基本学校は15時を回ると生徒はほとんど居なくなる。学校内のギルドの斡旋で得た仕事をこなしているからこの時間に居るのは暇人位なもので。17時位にだいたい帰って来るのだが。

そして室内闘技場の中には練習用の剣を必死で素振りしているペリドットが居た。

私はその姿を暫く見ていた。一人でずっと素振りをしていたペリドットの荒い呼吸が室内闘技場の静寂さを際立たせていた。

そして目の端で私を捕らえたようでこちらを振り向いた。


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