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学校生活「サイン」

寮を出て商人ギルドに向かう。さほど遠くない距離にあるので便利。

あっという間とはいかないまでも軽いウォーキングには丁度良い。


『キ~』


商人ギルドのドアを開けてカウンターの受付の女性に満面の笑みで挨拶をした。


「こんにちは~、さっそく来ちゃいました。あははっ!」


「昨日の今日で早速来るなんてそんなに仕事がしたいの?働くのは良い事だけど、将来商人になりたいならお金貯めないとね!」


「はい!ところで依頼書見て良いですか?」


「どうぞ、やってみたいのがあったら依頼書持ってきてね。」


「はい!ありがとうございます!」


私は依頼書を見て配達の仕事を探した。探したと言っても配達の仕事は体力勝負で疲れるので人気が無いので選り取り見取り。

その中でも比較的物資の軽そうな物をチョイスした。その依頼書を持って受付のお姉さんのところに問い合わせた。


「この依頼を受けたいのですが。」


依頼書を受け取った受付の女性は配達の仕事を見てホッとしたようだった。


「あら、配達の仕事ね。あんまり人気が無いから依頼溜まっちゃって。受けてくれるとギルドとしてもありがたいわ。一応だけど依頼は成功報酬で成り立つから失敗したら報酬は無いし、依頼品を破損もしくわ盗難なんてなったら依頼受けた本人が弁償になるから注意してね。それと配達先の人に伝票にサインして貰ってから品物を交換し、その伝票を依頼人に見せる。そして依頼書に依頼終了のサインを貰ってから商人ギルドに報告してから報酬が出るようになっているのよ。面倒だけど商人は信用第一でやっているからそこは勘弁してね。サイレンちゃん地図はあるの?無かったら貸してあげるけど?」


なんとなく地図が無くても解るような気もしたが念の為・・・


「ありがとうございます。地図、お借りします。」


そう言って地図を借りた。受付のお姉さんは話しを続けた。


「依頼品は依頼主の所に行って受け取ってね。んじゃあ初仕事頑張ってね!」


とりあえずは依頼主の所に行かないと・・・私は商人ギルドを出た。


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


程なくして商人ギルドで確認した依頼主の所に着く。着いた先は依頼書で載っていた本屋で内容は本の配達だった。


「ごめんくださーい!配送の依頼で商人ギルドから来ましたー!」


「はーい。」


店の奥から若い女性店主が現れて、その右手には包装紙で包まれた本を持って来た。


「これをお願いするわね。ベンジャミン通りのアイオン男爵令嬢クレア様。大きいお屋敷があるから分かると思うわ。」


私は商人ギルドで借りた地図を出して指で指して確認した。


「えっと・・・ここですね?」


「うん、そうそう。この一角の家よ。片道1時間位だけどよろしくお願いね!」


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


「うん、このお屋敷ね・・・」


私は地図と場所とお屋敷を確認し勝手口に回り小さい扉を叩いた。


『ドン!ドン!』


中から使用人の女性が現れ私に尋ねた。


「はい・・・あら、可愛いお嬢ちゃんね。何か御用?」


私は満面の笑みで用事を伝える。


「ウェルビー書店よりこちらのクレア様にご注文の本をお届けに上がりました!サインをお願い致します!」


「お疲れ様ね。ちょっと待っててね。」


サインをしてもらう為伝票を預けた。しばらくして使用人の女性がサインされた伝票を持って戻って来た。


「こちらの品物です。ありがとうございました!またよろしくお願いします!」


「はい、またね。」


女性から伝票を貰い私から品物を渡して挨拶をしてお屋敷を後にした。後は依頼主の本屋に・・・来た道を戻るだけ。


・・・・


・・・・・・


・・・・・・・・


「戻りました。」


「あ、道に迷っちゃった?やっぱり遠いからお嬢ちゃんじゃ無理よね。ごめんなさいね。」


私は間違いなく勘違いしている若い女性店主に話した。


「いえ・・・届けて来たんですが・・・」


「え!本は?伝票は?まだ30分位しか経ってないのよ!?」


私はサインの入った伝票を若い女性店主に見せ確認してもらった。


「・・・間違いなくクレア様のサインね。・・・ありがとう。」

「でも、どうやって行ったの?普通は片道1時間は掛かるのよ。それなのに行って帰って受け渡しで30分はおかしいわ。」


「一直線で行きましたからそんなに遠くなかったですよ?あ、依頼終了のサインを頂きたいのですが。」


そして若い女性店主から依頼書に終了のサインを貰い商人ギルドに戻る。戻ってギルドに終了のサインの入った依頼書渡してから報酬が貰える仕組み。


「ありがとうございました!また、よろしくお願いします!」


若い女性店主から終了のサインの入った依頼書を貰い、挨拶を言い残し近くに立つ高い建物に向かって走った。若い女性店主は私の行動をじっと見ている。そして、高い建物を一気に駆け上がり屋根から屋根と飛んて商人ギルドに向かった。

若い女性店主は私の行動をポカンと見上げボソッと一言漏らした。


「・・・一直線ね。」


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