学校生活「お金大好き」
次に商人ギルドに行く予定なのだが正直どこにあるか分からない。実際にはアルビオン王国に来てから1週間経ったかどうかなのだから。ただ、それは織り込み済み、聞きに行けば良い訳で・・・
そして、冒険者ギルドから近い所で一度行った所、市場に向かった。そして、バローダの両親の営むお酒を売っている店に向かった。
「ごめんくださーい!」
「はい、いらっしゃい!」
そして、バローダのお父さんが店の奥から現れた。私の姿を見てから奥にいるバローダのお母さんに声を掛けた。
「ディアナー!サイレンちゃん来たからちょっと来てくれ!」
そう言うと魔族と人間のハーフのバローダのお母さんが現れた。
「サイレンちゃんいらっしゃい。何か欲しいものがあるの?」
「いえ、そういう訳では無いのですが・・・」
私は先日の事が気になっていた。商人ギルドの場所もそうなんだが市場に寄ったのはこちらがメインでもあった。
「先日はごめんなさい!バローダさんに失礼な事言いました!」
私はバローダのお父さんとお母さんに謝り頭を下げた。それを見ていたバローダのお母さんが話した。
「いいのよ、うちの娘は最近家に帰って来なかったし、私が避けられていたから。サイレンちゃんは私の姿を見てどう思った?」
私は思った事を正直に話す。
「思うもなにも、特には何も感じません。角が生えているとかありますがバローダさんのお母さんであってそれ以上でもそれ以下でもありません。」
「・・・・・・。」
「そうよね・・・。この世界がサイレンちゃんみたいな人達だといいのにね。サイレンちゃん、うちの娘と友達になってくれないかしら?あの子、友達いないから。」
バローダのお母さんにお願いされた。私は元よりそのつもりだったのでお願いに答えた。
「はい!バローダさんとは友達だと思ってます!先日は友達だから焚き付けたんですから!」
「ありがとね。」
そう言うとバローダのお母さんは微笑む。
「ひとつ教えて欲しいんですが、商人ギルドはどこにあるか知りたいです。」
「それならうちの人に連れて行ってもらうといいわ。」
「じゃあ一緒に行こう。」
そう言うとバローダのお母さんはバローダのお父さんと見つめ合い頷いた。そして一緒に・・・というか連れて行って貰う事になった。
バローダのお母さんに挨拶をして店を後にし、バローダのお父さんと一緒に歩いていると話し掛けられた。
「将来、商人になりたいのかい?」
「いえ〜、アルバイトするには都合がいいかな〜っと思いまして。学校で登録するとアルバイトで得た報酬の半分は取られるんで。」
「サイレンちゃんは堅実だねぇー。」
「はい!お金大好きですから!ホリンおじさんの店で雇って下さい!」
「はははっ!考えておくよ!配達とかで依頼するからさ!」
「はい!」
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・
そんな話しをしてたらいつの間に商人ギルドに着いてしまった。
「ここが商人ギルドだよ。ここまででいいかい?」
「はい!ありがとうございました!」
商人ギルドの前でバローダのお父さんことホリンおじさんと別れた。
『ギ~』
商人ギルドの建物の中に入ってみると、中にいる人の服装が綺麗でいかにも『商人です!』っという感じの人達が話し合っていた。おそらく商談か何かなのだろう。
ギルドのカウンターの受付の女性に話してみた。
「商人ギルドに入りたいので登録お願いします。」
受付の女性は私の顔をジーっと見つめ口を開いた。
「あなた、ガルーダを奪った子でしょ?ちょっと有名になっているわよ。」
私はちょっと焦ってしまった。
(まさか、あの商人ここに来ていたのか!?)
そして心の焦りを隠すように満面の笑みで返した
「奪ったと言うのは語弊がありますよ~。誰の物でも無いって言うから貰っただけですから~。」
「えぇ、そう言う事になっているわね。みんな元の持ち主がそう言っていたっていってるから。でもその商人も災難ね、丸裸にされた上で弁償させられる羽目になるんだから。まぁ・・・重いガルーダやオーガをスピード出して運んでたんでしょ?それで事故になったんだもんね。自業自得だけどね。」
「まぁいいわ。商人ギルドにようこそ。この書類をよく読んで必要事項にサインしてね。」
私は出された書類に目を通しサインをした。
「ではすいません、お願いします。」