学校生活「得意な事」
「入学おめでとう!君達がここ、ブルーローズ技術学校で生きる術を学ぶに当たって・・・・・・・・・なのでギルドの協力を得て・・・・・・諸先輩方の中には英雄と・・・・・・。」
長い長い校長先生の挨拶を聞いて思う。
(スピーチと女の子のスカートは短い方が良いと申しますが、長いスピーチを聞く羽目になった私は貧血の振りをして倒れた方が良いのでしょうか!?)
そんな事を考えていたら終わってしまった。
「ちっ!」
っと小さく舌打ちしたのは内緒の話し。
入学初日に制服と体操着と靴を購入。事前に揃えている人もいる。身長とサイズの少し大きい物を揃えた。ピッタリだと体が大きくなってすぐに着れなくなるもんね。今日は顔合わせで授業は明日からなので午後は予定は無い。学校でギルドに登録してから帰る生徒でごった返していた。
(あ〜報酬の半分取られるのに・・・純な少年少女が食い物にされるだなんて・・・その点、私は純な少女じゃないらしい。そんな事は・・・おそらく何かの間違いだろう。)
というより、学校の生徒にギルドからの依頼だなんて・・・本当の意味での雑用位で報酬だって雀の涙程度。それに依頼数だって沢山ある訳じゃない。私は心の中で叫んでいた。
(みんな逃げてーー!!)
そんな私の心の叫びを誰一人理解してくれない。当然だけどね!
すばやく学校を脱出しその足で冒険者ギルドの赴いた。
『キ~・・・』
いつもの木の軋むような音がする。
今度は一人で冒険者ギルドに入った。前回来た時と同じようにむさ苦しい男達が居る。武装した女性が少しだけ居た。そして場違いな年齢の私は視線を集めた。
「あら、いらっしゃい。今日はどのような御用?」
カウンターに居る女性から話し掛けられた。女性は前回来た時と同じ人だった。
私はその女性に話す。
「冒険者ギルドに登録しに来ました。手続きお願いします。」
「オッケー。じゃあこれを読んで必要事項の記入とサインしてね。・・・そういえばあなたの事を聞いて来た人が居たわ。顔に傷がある子を知りたいって。パーティーのお誘いかもね。」
『パーティー名:ラフィングフォックス』
『代表者:サイレン 年齢:10』
私はペンを滑らせながらギルドの受付の女性とお話しした。
「まさかぁ。私なんて入ったばっかりの学生だし、冒険者に至ってはペーペーのぺーですよ!もし会いたいのであれば・・・無いでしょうけど、その方に学校の休みが土曜と日曜なんで来るのはその時なのでそのように伝えて下さい。」
笑顔でギルド職員の女性と話していたらギルド内に居る数少ない女性の冒険者が私に話しかけた。
「お嬢ちゃん冒険者になりたいの?なにか得意な事ってあるの?」
「はい!冒険者に憧れてます!得意な事は・・・。」
女性の冒険者に話し掛けられ思った。
(得意な事・・・特に無いなぁ・・・大体満遍なく出来るし・・・)
そして満面な笑顔で言う。
「得意な事はありません!」
そう言うと女性の冒険者はとても悲しい顔をして私に言う。
「夢を見て冒険者になりたい子は沢山いるけど、夢だけでは生きていけない世界なの。商人とか堅実な仕事に就いた方が良いよ・・・。死んじゃう事だってあるんだから・・・。」
私の事を心配して言ってくれたのだから、邪険にするのも・・・。
なので空間収納から天国を出した。
無手だった私の右手に鞘に収まっている剣が握られているので女性の冒険者は大変驚いていたようだ。
女性の冒険者の仲間であろう離れて見ていた女性の冒険者も駆け寄って来た。
ギルド内の冒険者の男達もざわついている。
「え!?あなた、その剣はどこにあったの!?」
「さっきまで何も持ってなかったよね!?」
その質問に含み笑いで答え、左手に市場で大人買いしたリンゴを1つ空間収納から取り出し、カチンカチンに凍らして質問してきた女性の冒険者に渡した。
「ご心配ありがとうございます。ここで勉強させて頂きたいと思っています。よろしくお願いします。こちらをどうぞ。」
左手に持っているリンゴにさらに驚いていたが、渡された際凍っていたので絶句している。
「え!?なんでリンゴ持っているの!?ええ!!冷たっ!!凍っている!!!なんで!どうなっているの!!!」
ギルド内の全員の目線が女性冒険者の持っているリンゴに集中している時、天国を空間収納に仕舞い満面な笑みで私から話した。
「今日はありがとうございました。また、よろしくお願いします!」
そうして冒険者ギルドを後にした。年上の冒険者とギルドの女性職員の目線を集めて。
いつの間にか100話越えてましたっすわ~
これからもよろしくお願いします。