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学校生活「バローダ」

冒険者ギルドを出た。先程の冒険者の怪我を治したしそれだけで私の売り込みは十分だろう。

その後、予定が無くなったので4人でブラブラしていた。


「ねぇ、どうする?寮に戻る?戻っても夕食まで時間あるよね?」


マヘリアは3人にいう。ローリエが思い出したように答えた。


「そういえばこの近くにマルシェあるんじゃない?」


私も市場には興味があったのでローリエの話しに乗った。


「あっ面白そう!行ってみたい!」


「んじゃあ行ってみるか。」


マヘリアがそう言うがバローダは浮かない顔をしていた。

気になった私がバローダに問いかけた。


「どうしたの?」


「ううん、なんでもない。」


そう言って市場に向かって歩く。私達は「キャッキャウフフ」していたがバローダは一言も喋らない。

ローリエが言った通り程なくして市場に着いた。

昼下がりの午後、忙しい時間帯を過ぎ、比較的落ち着いた雰囲気の市場。

私は果物、野菜を大人買いし次々と空間収納に入れていった。

私が大人買いを連発していたので3人は心配していたが、空間収納された物は鮮度や温度の変化がない。少しずつ消費していけば良いのだ。

市場の中を4人でフラフラ歩き進んだ。そしてある一角に差し掛かった時、バローダは急に足が早くなった。そして周りの店からバローダに声を掛けられている。


「よぉ、バローダちゃん!!」

「バローダちゃん、学校どうだい?」


バローダは返事を返しているが苦い顔をしていた。

この辺りの生まれのようで顔見知りが多いみたい。

ただ、その中でもチラッとバローダを見るだけの人もいる。

市場の中を徘徊してたらバローダを呼ぶ声が聞こえた。


「おっ!バローダ、いつ帰ったんだ?」


私達3人が店の中に居たその人を見たら・・・


「その子達はお前の友達か?」


っと話しを続けてバローダに質問していたが・・・答えに困っているようだった。


「はい、バローダさんには大変お世話になってます。」


私はバローダの横から店の人に言ったらとても喜んでいる。しかしバローダは困惑している。


「そうかそうか!まぁゆっくり休んでいきなさい!ディアナ、バローダが友達連れてきたから何か出してやって!」


店の人がそう言うと店の奥に通された。中には魔族の女性が居て今まで何やら帳簿を開いて書き込んでいたようで。店の商品の管理をしているのだろう。

魔族の女性は頭に小さい角があり瞳は猫の様だ。肌の色もバローダより黒い。


「おかえり、バローダ!今お茶入れるわね!」


「お母さん、いいから。すぐ寮に戻るから!」


マヘリアとローリエは魔族の女性を見て緊張しているようだ。それを察してバローダはすぐに出て行きたそうだが、バローダのお母さんは引き止めている。私は意地悪したくなった。アルビオン王国で女狐と呼ばれている私。そう呼ばれるの意外と嫌いじゃない。マイブームだ!

(可愛い女狐さんのお通りですよっ!)


「バローダ、焦ってどうしたの?」


「サイレン、ほ・・・ほら、お母さん怖いでしょ?は・・・早く行こっ!」


「あ・・・いや・・・怖くないんだけど。どの辺が?」


「頭に角あるし・・・」


「興味ないんですが・・・」


バローダと私の会話をバローダのお母さんが悲しそうな顔で聞いている。更に2人は話す。


「目も猫みたいだし。」


「それも興味無いんですが・・・」


「肌の色も黒いし。」


「だからぁ興味無いって。っというか・・・何言ってるかよく分からない。」


「なっ!!」


バローダはわたしに対して怒っているようだ。怒るように煽っているから怒ってくれないと私が困る。楽しくないから。そして満面な笑みで言う。


「バローダがお母さんが嫌いなら私が代わってあげるよ!」


そしてバローダのお母さんに抱きつき・・・


「お母さん成分補充〜」


「なんでそうなるのよ!!」


「ダメ?」


「ダメに決まっているでしょ!!」


マヘリアとローリエはポカンとしている。バローダの怒鳴り声を聞いてバローダのお父さんもいつの間にか見ていた。


「いやぁ、バローダ、お母さんが嫌いだと思って。」


「嫌いじゃないわよ!!私はお母さんが大好きよ!!」


「・・・・・・。ぷっ!ちぇ〜つまんないの〜!」


バローダは顔を真っ赤にしている。


「うっさいわね!なんなのよあんたは!」


「あははは・・・!」


私は笑うだけ笑い、一瞬で真顔になってバローダに言った。


「あんたねぇ、お母さんがあんたの事を思っているのにあんたがそれに答えなくてどうするのよ。どうしたいのよ?馬鹿なの、あんたは?魔族だから?姿が違うから?差別されてるから?寝言にしては目が開き過ぎだから。お母さんが大好きなら下らない事にこだわって悲しませない事ね。」


「・・・・・・。」


横で右往左往しているマヘリアとローリエとバローダのお父さん。涙目のバローダとバローダのお母さん。私はトラピスト王国のお父さまやお母さまやお兄さま達やお姉さま達を思い出して遠い目になった。


「さぁ・・・寮に帰りましょー。バローダ、んじゃあ先帰るね〜。後日、学校で!マヘリア、ローリエ帰ろう!」


「んじゃあ、お邪魔しましたー!」


私達はバローダを置いて、お父さんとお母さんの店を出て3人で寮に帰った。


「今日は充実した1日だった!」


私がそう言うとマヘリアが言う。


「サイレンって可愛い顔して鬼ね。顔に傷跡あるけど・・・」


「いやぁマヘリアさん、何言ってるか分からないなぁ。くふふふっ!」








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